囚われのヒーロー 捕縛編
「ブレストクリスタルに反応?…杉並公園にワルザール!」
俺の名前は浅見 シュウゴ。杉並町に暮らす平凡な中学生…だったらよかったんだけど、実は俺には裏の顔がある。それは地球の平和を守るブレストマンと呼ばれる正義の味方を、密かに「例の宇宙人」から任されているということだ。
敵の襲来を告げる、エメラルド色の鉱石「ブレストクリスタル」。シュウゴはクリスタルの光に導かれ、怪人の居る地域に向って全力で駆け抜ける。
「あぁーもう、なんで服着たまま変身出来ないんだよ…毎度のことだけどさぁ」
ブレストマンに変身するには、なぜか一度シュウゴは全裸になる必要がある。シュウゴは出動する度にその不便さを嘆くが、しかたないと割り切り道中にあった公衆便所に駆け込む。
便所の個室に駆け込んだ俺は、慣れた手つきで制服のボタンを外して上着を脱ぎ、シャツ、ズボン、靴下、パンツと少し恥じらいを感じつつも脱ぎ棄てる。
「誰も見て無いけどやっぱり恥ずいなぁ…」
身にまとっていた服を全て自ら脱ぎ、シュウゴはそれらを丁寧に畳んでカバンに詰め込むと、便座の前で仁王立ちになり目をゆっくりと閉じ、そっと右手に握られたブレストクリスタルを胸に翳してこう叫ぶ。
「ブレストチェーンジッ!!」
シュウゴの叫びと同時にシュウゴの体はブレストクリスタルを中心に緑色の光に包まれていき、光はシュウゴのシルエットが消えるほどに輝く。やがて、その光はシュウゴの体に吸い付く様に収束していき、次にシュウゴのシルエットが浮かび上がった時にはシュウゴは完全に「光戦士 ブレストマン」への変身を完了させていた。
「シャシャシャ!手始めにこの公園を俺様の巣に変えてやるぅ~」
杉並公園で暴れていたのはワルザールの改造怪人タランチュラ。タランチュラはその名の通り蜘蛛をベースにして造られた怪人であり、口から特殊な糸を噴き出して公園内を我が物顔で次々と蜘蛛の巣状に包みこんでいく。
「そこまでだ!ワルザールの怪人!」
公園内に突如響き渡るタランチュラの侵略行為を阻む叫び声、その声の主は変身を終えて公園に駆け付けたブレストマンのものだった。
「ふん、ブレストマンか…俺様の名前はタランチュラ。今日こそ貴様を地獄に送ってやるぜ!出てこいヤロー共!」
タランチュラはブレストマンを視認するや否や、隠れていた戦闘員達を呼び出してブレストマンを襲わせる。
「はぁ…いつもの雑魚か」
タランチュラの呼び声で集まった全身黒光りするエナメルタイツに身を包んだ大勢の戦闘員。パンチ一発で黙らせられるが、いちいち相手をしていたらキリが無い。俺はいつもの様に大勢で攻めてくる戦闘員達に向って惜しみなく大技を放った。
「雑魚は早々に退場してもらおうか…ブレストウェーブ!」
ドヴァアア!
ブレストマンの放った技は見事に戦闘員の集団に命中し、対して強くも無い戦闘員達はボーリングのピンの様にあっちこっちに吹き飛ばされていき、あっと言う間に全滅してしまう。その様子にタランチュラは舌打ちすると、今度は自らブレストマンに向って攻撃をおこなう。
「チッ、役立たず共めぇ…スパイダーネット!」
「おっと」
タランチュラは唾を吐く様にして糸の塊をブレストマン目掛けて放つが、ブレストマンは不意を突かれたのにも関わらず持ち前の身軽さでそれを楽々回避。結局、その後もタランチュラの攻撃は一度もブレストマンに命中することは無かった。
「ちぃ、身軽な奴だ…一発も当たらんぞ」
「もう終わりかクモ男?ブレストキィーック!」
俺はタランチュラが糸を吐き付かれてヘタっている一瞬の隙を突き、渾身のキックを奴の身体目掛けてぶち込む。
バキッ!
「ぐぁあぁ!腕がぁあ…」
直撃こそは避けたものの、タランチュラはブレストマンのキックを完全に避け切ることが出来ず、右の腕を一本捥がれてしまった。
「残りはあと七本だな」
「てめぇ!!よくも俺様の腕を…スパイダーネット十連発!」
「なっ!」
至近距離からの思わぬ反撃に驚くブレストマン。既に撃ち尽くされていたと思っていた蜘蛛の糸が一気に十発タランチュラの口から発射される。
ピシュ!ピシュ!ピシュ!バシュ!
「ふははっ!油断したなブレストマン。流石に至近距離から十発も放たれれば避けられまい」
3発目まではかわせたものの、やはり至近距離からの回避行動には限界があり、4発目以降は全て身体に命中させられてしまったブレストマン。
「くっ、糸がネバネバ絡みついて体が動かない…くそぉ…」
身体にベットリと貼り付いた粘着質な糸は執拗に俺の身体に絡みつき、どれだけもがいても引き離すことができず、俺の身体は完全にタランチュラの糸によって動きを封殺されてしまった。
「さぁて、これで終わりだぁ~ブレストマン。スパイダーランス!」
糸に絡めとられて身動きが取れないブレストマンに対し、タランチュラは早速止めを刺そうと自ら吐き出した糸をシュルシュルと棒状に集めて高質化させ、槍の様な鋭い鋭角を持つ糸を形成していく。
「コイツで貴様を串刺しにしてやる」
「くっ…」
「死ねぇ!ブレストマン!!」
「死ぬのはお前の方だぁ!…ブレストフレェーイィム!!」
糸で拘束されたブレストマンに向って糸槍を持って突撃するタランチュラ。しかし、あと少しでブレストマンに糸槍が刺さろうとした瞬間、突然ブレストマンの身体が真っ赤に輝きだし、火だるまの様に轟々と燃え盛り始める。
「な、なんだ?ブレストマンが火の塊に…あぁ、く、来るなぁ!うぁああぁぁあああぁあぁ!!」
ブレストマンは自身を拘束していた糸を難無く焼き払い、そのままタランチュラに向って突進。タランチュラは咄嗟に身構えるが、ブレストマンの放つ高熱によって意図も簡単にタランチュラの肉体は炎上していく。
「あぁ…なんて力…これが…ブレスト…がぁああぁああぁあ!」
「へへん、どんなもんよ。所詮ワルザールの怪人なんて俺の敵じゃねぇよ…ん?」
クモ男を倒し帰ろうとした瞬間、俺の視線に一人の戦闘員の姿があった。どうやらソイツはさっき吹き飛ばした戦闘員の生き残りのようだ。俺の技をくらって無事だなんて運のいい奴…
「…!」
ブレストマンに睨まれたぢろく戦闘員。
「おい、お前!戦闘員の生き残りだろ?」
「は、はいぃ…」
「四つん這いになって俺のブーツ舐めろ」
「へ?」
憂さ晴らしか、ブレストマンは生き残った戦闘員の元に向うと、戦闘員の前に足を出して四つん這いになってブーツを舐めろと命令し始めた。
「さっさと舐めろ!ぶん殴るぞ!」
「ひぃ、わ、わかりました…」
強引に戦闘員にブーツ舐めを強要するブレストマン。戦闘員はタランチュラのように自分も倒されるのを恐れて渋々ブレストマンの前に跪き、漆黒のフェイスマスクをズラして口の部分を露出させ、ペロペロと自身の舌でブレストマンの若干砂埃を被った白いブーツをなめ始めた。
ピチャ ピチャ
「そうそう、ちゃんと綺麗になるまで舐めろよ。お前等のせいで汚れたんだから」
ピチャ ピチャ
「うぅ…」
ピチャ ピチャ
恐らくこの戦闘員の年齢はブレストマン、シュウゴよりも年上であろう。そんな自分より遥かに年下の子供のブーツを地面に這いつくばりながら舐めさせられるという屈辱に、戦闘員はプルプルと悔しさで身体を震わせながらブレストマンのブーツを懸命に舐め続ける。
ピチャ ピチャ
「あぁ、もういいよ。その汚い頭を退けろ」
「ぶはっ!」
ブレストマンはある程度満足したのか、戦闘員にそう言って舐め掃除をやめさせると、なんといきなり戦闘員の頭を蹴り飛ばした。その蹴りは軽い一撃ではあったが、蹴り飛ばされた戦闘員は数メートル先のゴミ箱まで吹き飛ばされ生ごみ塗れに…
「失せろ!俺の前からさっさと消えろ」
「う、わぁあぁああぁあぁぁあぁあ!!」
そう言って戦闘員を怒鳴り付けると、戦闘員はゴミ塗れになりながら大声を上げて一目散に逃げて行きやがった。少しやり過ぎたかとも思ったけど、世界征服を企むアイツ等に情けは無用。それに、なんたって一番迷惑しているのは俺な訳だし。
「情けない奴だぜ…さぁーて、俺も帰るかな」
無事にワルザールの怪人を倒すことに成功したブレストマン。公園に張り巡らされたタランチュラの蜘蛛の巣の処理は警察に任せることにし、ブレストマンは着替えの置いてある公衆便所に向って走り出す。
それから二か月後…
杉並公園での騒ぎ以降、ワルザールの怪人はなぜか一度も姿を現すことは無く、それにより杉並町には束の間の平和が訪れる。忙しい時には毎日の様に怪人と死闘を繰り広げていたシュウゴも、ブレストマンに任命される前の平凡な日常生活を満喫していた。
「最近はワルザールの奴等も大人しく助かるぜ…ん?ブレストクリスタルに反応?中央交差点だな」
噂をすればなんとやら…どうやらワルザードの連中が再び動き出したようだ。学校に居た俺は腹痛を訴え授業を抜け出し、そのまま学校のトイレで変身を済ませて現場に急行することに。
「ブレストチェーンジ!!」
街中を逃げ惑う大勢の人々。その騒ぎの中心には全身に和風の甲冑を着こんだ人物がアリ、見境なく周囲の破壊活動を行っていた。
「やいやい!しばらく大人しくしていたと思ったら、こんなに街をメチャクチャにしやがって」
「ブレストマン待っていたぞ。我が名はジーク…貴様を倒すためだけに作られた狂戦士!」
ブレストマンが現場に到着すると、それまで我武者羅に街を破壊していた怪人は自らをジークと名乗り、いきなり手に持っていた太刀でブレストマンに物凄い勢いで切りかかる。
「くっ、コイツ…」
ジークの攻撃を両腕を硬化して受け切るブレストマン。
「ほぉ、我が太刀を腕でガードするとはなぁ。流石はブレストマン…だが!」
ジークのスピードはこれまでの怪人とは比べ物にならないほど速い。そのスピードはブレストマンの反応速度を上回り、ブレストマンはジークに先手を取られてしまう。
「うおっ!な、なんだ!その体勢からさらに勢いが増した?」
鎧男の刀を振り払おうにも、なぜか刀の重圧はさらに増幅してく。気が付くと俺の両足はいつの間にかコンクリートの地面をぶち破り、ズブズブと地面に打ち付けられるように沈んでいた。
「我が太刀は弐段斬撃式、このまま地面に叩きつけてくれる!」
ジークの太刀には細工が施してあるのか、刃の裏側には噴射気の様なものが取り付けられており、そこからは蒸気が噴き出している。
「剣にジェット噴射気付けただけだろ…卑怯だぞぉ…ぐぅ…ブレストフレェーイィム!」
一方的に押されていたブレストマンだったが、必殺技のブレストフレイムを繰り出して身体を真紅の炎で包みこみ、火炎の爆風でジリジリと徐々にジークの太刀を迫り上げていく。
「ぬぉ!なんというパワー。このままでは押し返される…」
「うぉおおおぉおおおおお!もっと、もっと燃えろぉおおおぉぉ!!」
ここが勝負所だと思った俺は、ブレストクリスタルのパワーを限界まで引き上げて技の威力を数倍まで高めた。その結果、見事に形勢は逆転。今度は大きな炎の塊となった俺が鎧男を押しつぶすような立ち位置に。
バトル開始直後から繰り広げられる激戦。当初はブレストマンを圧倒していたジークだが、今はまるで隕石に押しつぶされているような状況に追われ、金色に輝くブレストマンの灼熱に手も足も出ない状態だ。しかし、そのような劣性にも関わらず、ジークの表情にはどこか余裕の様なものがある。と次の瞬間、ジークは周囲に待機していた戦闘員達に大声で指示を出す。
「ぐっ…戦闘員共!今だ!奴のパワー吸収装置を起動させろ!」
ジークがそう叫んだ瞬間、ジークとブレストマンの周辺に特殊なフィールドが発生。ジークに変化は無いものの、同じフィールド内にいるブレストマンは突然苦しみ始める。
「なっ!…うぅ…うあぁぁあぁあ…」
俺を纏っていた灼熱はなぜか一瞬で消え失せ、オマケに力がどんどん抜けていく。ブレストクリスタルは輝いているのに…俺が身体の急激な変化に疑問を抱いている最中、ジークは笑みを浮かべながらこう言った。
「どうだ?体から力が抜けていくだろう?我は無策で貴様に挑む愚か者では無い」
「な、にをぉ…俺に…」
「貴様のエネルギー成分を分析し、貴様が体外に放出したエネルギーを全て吸い尽くす装置を我らは開発したのだ」
ジークの言葉通り、現在二人の周囲に発生しているフィールドはブレストマンだけに効果があり、ジークにはまったく影響が見られない。つまりワルザールはブレストマンを倒す兵器の開発に本当に成功していたのだ。
「ブレストクリスタル…もっと俺に力をぉ!!力比べだぁあああぁぁあああ!」
絶望的な状況下。ブレストマンはこのピンチを乗り切る対策として、自らの力を限界まで引き上げて吸収装置をオーバーヒートさせるという無茶な選択肢を選び、ブレストクリスタルからありったけのエネルギーを縛りだす。すると、再びブレストマンの身体は輝き始め炎に包まれる。
「ぬぅ!まだこんな力が…しかし、これで貴様の敗北は確実になったぞ」
再び身体に輝きを取り戻し「勝った」と確信したブレストマンだったが、その喜びもつかの間。燃え上がった炎は再びその威力を徐々に弱めていき、とうとう胸に輝くブレストクリスタルの輝きすら失われてしまった。
「パワーがぁ…嘘だ、こんな…全部吸われるなんて…うぅ…」
「自身を過剰評価し過ぎたようだな。力押しで通ると思ったのだろう?」
「う、うるせぇ…こん…チクショ…」
薄れゆく意識の中、俺の意識はジークの強烈な一撃によって断たれる。
「そらぁ!」
「ゴハッ!!」
「………」
賭けに敗れ、全てのエルネギーを奪われてしまったブレストマン。既にジークに対抗できる術も力も無く、たった一撃で意識を失ってしまう。
「戦闘員共、ブレストマンを縛りあげろ。本部に連れて行く」
「し、しかしジーク様。この場で殺してもいいのでは?」
うつ伏せで倒れ込んだブレストマンを捕獲しろと命令するジーク。しかし、戦闘員はこの場でブレストマンの抹殺を進言する。その言葉にジークは一瞬顔を顰めて戦闘員を睨みつけると、戦闘員に向ってこう告げた。
「生け捕では不服か?お前達もブレストマンには随分「世話」になっただろうに」
「…そうですね。本部で散々痛めつけてから殺すのもアリですね」
「だろう?」
「早速ブレストマンを縛りあげて本部に移送します」
ジークの言葉にそれもそうだと賛同した戦闘員は、他の戦闘員達を呼び寄せてブレストマンの全身を満遍なく荒縄でグルグル巻きにして縛り上げると、抱き抱えるようにして持ち上げ本部に連行していく。
「ふん、これで「あの時」の復讐が出来る…」
ワルザール本部「グレート・ワルザニア」 地下三階・拷問室
「うぅ…ここは!?」
俺が次に目が覚めた時はベッドの…ちがう、冷たいし体も…ここは病院じゃない。
「お目覚めかいブレストマン?」
湿気のある薄暗い室内の中、ひんやりとした鉄板の上に仰向けで拘束されているブレストマン。その両足は大きく開かれ自由に閉じることもできず、両腕は頭の後ろに回され手錠を嵌められた上に鎖で固定されていてこちらも自由に動かすことができない。
「…ジーク」
ぼんやりとしていた視界に鮮明さが戻ると、俺の眼前には鎧男のジークの姿があった。奴は拘束されて身動きできない俺をニヤニヤ笑いながら見下ろしている。
「いいザマだなぁ、その状態では何一つ抵抗できまい」
「舐めるなよ、ブレストフレェーイィム!…あれ?なんで技が?」
変身状態で拘束されたのが不幸中の幸いだと思い、必殺技のブレストフレイムで窮地を脱しようと考えていたブレストマンだが、なぜか技は不発。狭い室内には少年のソプラノ声だけが響き渡るという虚しい結果に終わる。
「今のお前に技を出す力など無いだろ」
「だって、まだ変身したままだし…まさか、吸収装置?」
「これは吸収装置による効果では無い。それになぁ、それは偽のコスチュームだ。貴様のブレストクリスタルは既に我らの手の内」
なんと、既にブレストマンの力の源であるブレストクリスタルは既にジークによって押収されていた。
「それじゃ、なんでワザワザこんな格好に…」
「貴様をブレストマンの姿で拷問したいからだ。ところで、ブレストマン。我の事を覚えているか?」
「???…俺は今までの怪人は全部殺してきたんだぞ?それにお前に会ったのは今日が初めてだ」
どうやら、ジークは俺に恨みの様なものを持っている様だ。けど、俺は本当に奴に見覚えがなく、何者なのか皆目見当もつかない。
「いや、違うんだ…我はお前に確実に会っている。そして、あの公園で貴様にさせられたことは決して忘れはしないぞ」
「何を言って…まさか!お前、あの時の戦闘員なのか?」
ブレストマンの脳裏に浮かんだ人物。それは二か月前に杉並公園でタランチュラを倒した後、憂さ晴らしに自分のブーツを舐め掃除させた戦闘員だった。
「やっと思いだしたかクソ野郎!」
ジークは自分の正体をブレストマンに気づかせると、ブレストマンの腹部目掛けてパンチを打ち込む。
「うあっ!」
本物のスーツならダメージを軽減できるのだが、今着せられているのは偽のスーツ。ダメージは直にブレストマン、というよりもはやその正体である浅見 シュウゴに伝わる。つまり生身で怪人に殴られたのと同じだということだ。
「貴様のブーツを跪いて舐めさせられた屈辱。今日ここでたっぷりとその礼をしてやるからなぁ」
「あぁぁ…」
ブレストクリスタルを取り上げられた事と先の強烈な一撃の二重奏で、シュウゴはすっかり脅えきってしまい身体をガタガタと震えあがらせる。
最悪だぁ、よりによってアイツが怪人になっていたなんて…俺のことメチャクチャ恨んでいるようだし、多分とんでもなくキツイ拷問をされるんだろうな…はぁ…
「まずは下拵えからだ。おい、そこの戦闘員。コイツのスーツに所々穴を開けてやれ」
「了解!」
ジークは下拵えだと言うと、近くにいた戦闘員にシュウゴの着せられているブレストマンスーツに穴を開けろと命令する。その際、特にどの部分にどの程度の穴を開けろとは命じ無かったが、戦闘員は勝手にブレストマンスーツを所々引き裂き始めた。
「や、やめろぉ!触るなぁ!やめろぉ…やぁ」
ビリッ!
「別に偽物なんだからいいだろう?」
偽のスーツは生地が薄いのか、少し力を入れるだけで意図も簡単に引き裂けてしまう。
ビリッ!
ビリリリッ!
「くぅ…」
ビリリッ!
「う~ん、お前はなかなかセンスがいいなぁ。いい感じに破けたじゃないか」
「ありがとうございます」
無残にも所々引き裂かれたブレストマンスーツ。特に注目すべき点は股間と肛門部分であり、そこだけはピンポイントでシュウゴのかわいらしい未成熟の性器やピンク色の尻の穴がむき出しになる様に意図されたカットになっていた。
「あぁああぁ…」
悪の組織に囚われただけでも屈辱だというのに、普段は絶対に人前に晒すことのない物を曝け出され思わず声を失い絶望するシュウゴ。しかも、シュウゴは自身が「包茎」であることを自覚し、さらにそれを恥ずかしいことだと思っている(13歳なので)ことから、顔を真っ赤に染めて性器だけでも隠そうとジタバタ唯一動かせる腰辺りをクネクネと揺らす。
「包茎ならさっき本物を取り上げた時に見たから気にしなくていいぞ」
「!」
俺の気にしていることをあっさりと見破り、的確に指摘してくるジーク。「気にしなくていい」なんて言われると俺的になんだか余計に恥ずかしい。
「おい、次は包茎チンコとケツにローションを塗ってやれ。特にケツの穴辺りにはたっぷりとなぁ」
「了解です」
スーツのカットが終わるや否や、今度は股間と肛門にローションを塗り付けるよう命令するジーク。命を受けた戦闘員はシュウゴが拘束されている鉄板の隣にある棚からローションのボトルを取り出すと、自身の手袋にそれを垂らしヌチャヌチャと粘着質な効果音を出しながら混ぜ合わせる。
「なんだよそれぇ!何する気だぁ…んぁ!やめぇん…くぁあぁ」
ネチャッとした冷たい不快感がシュウゴの下半身を襲う。しかも、ローションを塗る戦闘員の手付きはいやらしく、ローションが着いたエナメル質の手袋の上からネチャネチャとシュウゴの性器を扱いたり、指をグリグリと肛門に宛がったりして弄ぶ。
「ん?なんだかチンコがヒクついてきたなぁ、もしかして勃起か?我等の見ている前で勃起か?」
「う、うるせぇ…んぁぁあぁ…」
自分でも何となくヤバいと思ったけど、ローション塗られてその上から扱かれたら誰でもチンコ立つだろう…まるで俺を変態扱いだ。でも、本当に限界かも…ホントにチンコ立っちゃうよぉ…!
「やぁっ!」
シュウゴは性器を勃起させまいと必死に抵抗しようとするが、戦闘員によって扱かれていた性器を正常に保つには既に遅かれ早かれというような限界状態だったが、とうとうジークの一言で勃起させられるハメに。
「…めぇ…あぁぁあ…」
ビクンビクンと性器が脈打ち、勃起を開始するともう誰にも止められない。いつの間にか戦闘員の手もシュウゴの性器から離れ、ジークと数人の戦闘員達はシュウゴの性器が勃起するさまを黙って見守る。
「なんとかぁ言えよぉ…黙って見んな!」
無言で自身の勃起過程を観察されるという恥辱が興奮剤となり、シュウゴの皮を被った性器は見る見るうちに膨張を始め、ついには皮に埋もれていたピンク色の亀頭がプルンと剥き出しになり、性器全体がピクピクとヒクつく。…勃起の完了だ。
「この変態野郎。興奮してとうとう勃起させやがった。戦闘員共も何か言ってやれ」
シュウゴの勃起が終わったとたん、待っていましたと言わんばかりに黙っていたジークが喋り始め、戦闘員達に言葉責めをさせる。
「おい変態ヒーロー!お前、家で変身してシコってたんじゃないのか?」
「うっせぇ!そんな訳ねーだろぉ!」
「何がブレストマンだ。只の変態じゃねぇーか」
「黙れよ!」
「本当は気持ち良くてたまらないんだろう?正直に言えよ」
「うるさい!うるさい!俺は変態なんかじゃねぇ…お前らこそ変態だ!」
いつもなら眼中にも無い戦闘員に馬鹿にされるなんて…悔しい。もし、ここから生きて出られたらワルザールを根絶やしにしてやるぅ。
普段、変身した自分に一瞬で倒される戦闘員達から浴びせられる罵倒。シュウゴにとっては途轍もない屈辱でしかなかった。
「その状況でまだ強がるか?まぁ、拷問はこれからが本番だがなぁ」
「くっ…」
強気な態度を取るシュウゴを牽制するジーク。シュウゴも思わずこの拷問の指導権を持つジークに対しては尻込みしてしまう。
「戦闘員、そのローターを取ってくれ」
シュウゴを無理やり勃起させたジークは次なる行動に移る。シュウゴは唾をゴクリと飲み干し、そのジークの一挙手一投足を、冷や汗をかきながら見つめる。
「ブレストマンよ、コイツが何だか分かるか?」
戦闘員から受け取ったローターをシュウゴの眼前にチラつかせ、これはなんだと尋ねるジーク。その質問にシュウゴは悪態をついて答えた。
「知るか!どうせ碌でもないモノだろう?」
「…今からコイツを貴様のケツに差し込むんだよ」
「なっ!何だと!ふざけるなぁ!…や、やめろぉおおおおおぉお!!」
ローターの使用意図を伝えられた途端、シュウゴは大声で叫んで拒絶。だが、ジークはそのシュウゴの恐怖に満ちた反応に笑みを浮かべ、ゆっくりとジーク直々にローターをシュウゴの肛門に宛がう。
「ぐぅあぁあぁあぁ!!…うぅんぁぁあぁあぁあ!!」
事前に潤滑油であるローションでコーティングしてあるシュウゴの肛門だが、指を挿入して慣らした訳でもないので、生まれて始めて排泄物を出す肛門に異物を挿入するという行為に対して痛みより恐怖心の方が勝り絶叫を上げるシュウゴ。
「どうした?貴様の下の口は美味そうに咥え込んでいるぞ」
「そんなことぉ…ぐぅあぁあぁ…」
俺は必死に棒がケツに入らない様に抵抗したが、こんな体勢では力むことが出来ず、結局ジークの思惑通りに…
「実にいい気味だ。…さぁて、どんな情けない面に変貌しているか見せてもらおうかな」
ジークはローターの挿入を終えると、突然そう言ってシュウゴの被っているブレストマンのヘルメットに手を掛けそれを剥ぎ取る。
「!?…やぁ」
「ほぉ、泣いてはいなかったか…まぁいい」
「くぅ…」
ヘルメットを奪われ、露わになったシュウゴの素顔。涙こそ流してはいないものの、不安げなその表情は既に正義のヒーローの物では無く。浅見 シュウゴという何処にでもいるごく普通の少年の顔になっていたということだけは誰の目にも明らかだった。
ウィーン!
「ジーク様!ワルザー総統からの緊急招集って…ソイツはブレストマン?…ですか?」
突如、慌ただしく拷問室にジークを尋ねて1人の戦闘員が入室してくる。その戦闘員はチラっとシュウゴを見るが、どうやら急いでいるようで急いで視線をジークに戻す。
「ワルザー様が我を?」
「そうです、大至急で司令室までとの伝達です」
「これからがお楽しみだというのに…分かったスグに向う。そういうことだ、ブレストマン。我が直々に拷問してやりたいところだが、我が戻るまで「その玩具」で遊んでいろ」
「遊ぶってお前、何言って…っ!」
ヴィィイィイイィィイイィィイイ!
ジークがリモコンの様な物のスイッチを押すと、何処からかバイブ音が鳴りだし始め、その音と連動するようにシュウゴが身体を揺らし始めた。
「な、んぁぁあぁあ!ケツがぁ…んぁぁああぁ!」
「ジーク様…」
「分かっている」
戦闘員の催促に促され、ジークはローターのリモコンを棚の上に置いて拷問室を出ようとする。その様子にシュウゴはせめてローターのスイッチを切ってから行けと言わんばかりに声を上げてジーグに向って叫ぶが、その懸命な叫びも虚しくジークはその場にいた戦闘員達を引き連れて急ぎ足で拷問室を後にする。シュウゴの肛門に挿入したローターのスイッチを入れたまま…
「おいぃ…待てぇえ!このままにぃ…して行く気かぁぁあぁ!おいぃい!」
ウィーン
「うぅ…待ってよぉ…んぁぁあぁあぁ!!」
冒頭シーンが長過ぎた…詳しくは日記で。
俺の名前は浅見 シュウゴ。杉並町に暮らす平凡な中学生…だったらよかったんだけど、実は俺には裏の顔がある。それは地球の平和を守るブレストマンと呼ばれる正義の味方を、密かに「例の宇宙人」から任されているということだ。
敵の襲来を告げる、エメラルド色の鉱石「ブレストクリスタル」。シュウゴはクリスタルの光に導かれ、怪人の居る地域に向って全力で駆け抜ける。
「あぁーもう、なんで服着たまま変身出来ないんだよ…毎度のことだけどさぁ」
ブレストマンに変身するには、なぜか一度シュウゴは全裸になる必要がある。シュウゴは出動する度にその不便さを嘆くが、しかたないと割り切り道中にあった公衆便所に駆け込む。
便所の個室に駆け込んだ俺は、慣れた手つきで制服のボタンを外して上着を脱ぎ、シャツ、ズボン、靴下、パンツと少し恥じらいを感じつつも脱ぎ棄てる。
「誰も見て無いけどやっぱり恥ずいなぁ…」
身にまとっていた服を全て自ら脱ぎ、シュウゴはそれらを丁寧に畳んでカバンに詰め込むと、便座の前で仁王立ちになり目をゆっくりと閉じ、そっと右手に握られたブレストクリスタルを胸に翳してこう叫ぶ。
「ブレストチェーンジッ!!」
シュウゴの叫びと同時にシュウゴの体はブレストクリスタルを中心に緑色の光に包まれていき、光はシュウゴのシルエットが消えるほどに輝く。やがて、その光はシュウゴの体に吸い付く様に収束していき、次にシュウゴのシルエットが浮かび上がった時にはシュウゴは完全に「光戦士 ブレストマン」への変身を完了させていた。
「シャシャシャ!手始めにこの公園を俺様の巣に変えてやるぅ~」
杉並公園で暴れていたのはワルザールの改造怪人タランチュラ。タランチュラはその名の通り蜘蛛をベースにして造られた怪人であり、口から特殊な糸を噴き出して公園内を我が物顔で次々と蜘蛛の巣状に包みこんでいく。
「そこまでだ!ワルザールの怪人!」
公園内に突如響き渡るタランチュラの侵略行為を阻む叫び声、その声の主は変身を終えて公園に駆け付けたブレストマンのものだった。
「ふん、ブレストマンか…俺様の名前はタランチュラ。今日こそ貴様を地獄に送ってやるぜ!出てこいヤロー共!」
タランチュラはブレストマンを視認するや否や、隠れていた戦闘員達を呼び出してブレストマンを襲わせる。
「はぁ…いつもの雑魚か」
タランチュラの呼び声で集まった全身黒光りするエナメルタイツに身を包んだ大勢の戦闘員。パンチ一発で黙らせられるが、いちいち相手をしていたらキリが無い。俺はいつもの様に大勢で攻めてくる戦闘員達に向って惜しみなく大技を放った。
「雑魚は早々に退場してもらおうか…ブレストウェーブ!」
ドヴァアア!
ブレストマンの放った技は見事に戦闘員の集団に命中し、対して強くも無い戦闘員達はボーリングのピンの様にあっちこっちに吹き飛ばされていき、あっと言う間に全滅してしまう。その様子にタランチュラは舌打ちすると、今度は自らブレストマンに向って攻撃をおこなう。
「チッ、役立たず共めぇ…スパイダーネット!」
「おっと」
タランチュラは唾を吐く様にして糸の塊をブレストマン目掛けて放つが、ブレストマンは不意を突かれたのにも関わらず持ち前の身軽さでそれを楽々回避。結局、その後もタランチュラの攻撃は一度もブレストマンに命中することは無かった。
「ちぃ、身軽な奴だ…一発も当たらんぞ」
「もう終わりかクモ男?ブレストキィーック!」
俺はタランチュラが糸を吐き付かれてヘタっている一瞬の隙を突き、渾身のキックを奴の身体目掛けてぶち込む。
バキッ!
「ぐぁあぁ!腕がぁあ…」
直撃こそは避けたものの、タランチュラはブレストマンのキックを完全に避け切ることが出来ず、右の腕を一本捥がれてしまった。
「残りはあと七本だな」
「てめぇ!!よくも俺様の腕を…スパイダーネット十連発!」
「なっ!」
至近距離からの思わぬ反撃に驚くブレストマン。既に撃ち尽くされていたと思っていた蜘蛛の糸が一気に十発タランチュラの口から発射される。
ピシュ!ピシュ!ピシュ!バシュ!
「ふははっ!油断したなブレストマン。流石に至近距離から十発も放たれれば避けられまい」
3発目まではかわせたものの、やはり至近距離からの回避行動には限界があり、4発目以降は全て身体に命中させられてしまったブレストマン。
「くっ、糸がネバネバ絡みついて体が動かない…くそぉ…」
身体にベットリと貼り付いた粘着質な糸は執拗に俺の身体に絡みつき、どれだけもがいても引き離すことができず、俺の身体は完全にタランチュラの糸によって動きを封殺されてしまった。
「さぁて、これで終わりだぁ~ブレストマン。スパイダーランス!」
糸に絡めとられて身動きが取れないブレストマンに対し、タランチュラは早速止めを刺そうと自ら吐き出した糸をシュルシュルと棒状に集めて高質化させ、槍の様な鋭い鋭角を持つ糸を形成していく。
「コイツで貴様を串刺しにしてやる」
「くっ…」
「死ねぇ!ブレストマン!!」
「死ぬのはお前の方だぁ!…ブレストフレェーイィム!!」
糸で拘束されたブレストマンに向って糸槍を持って突撃するタランチュラ。しかし、あと少しでブレストマンに糸槍が刺さろうとした瞬間、突然ブレストマンの身体が真っ赤に輝きだし、火だるまの様に轟々と燃え盛り始める。
「な、なんだ?ブレストマンが火の塊に…あぁ、く、来るなぁ!うぁああぁぁあああぁあぁ!!」
ブレストマンは自身を拘束していた糸を難無く焼き払い、そのままタランチュラに向って突進。タランチュラは咄嗟に身構えるが、ブレストマンの放つ高熱によって意図も簡単にタランチュラの肉体は炎上していく。
「あぁ…なんて力…これが…ブレスト…がぁああぁああぁあ!」
「へへん、どんなもんよ。所詮ワルザールの怪人なんて俺の敵じゃねぇよ…ん?」
クモ男を倒し帰ろうとした瞬間、俺の視線に一人の戦闘員の姿があった。どうやらソイツはさっき吹き飛ばした戦闘員の生き残りのようだ。俺の技をくらって無事だなんて運のいい奴…
「…!」
ブレストマンに睨まれたぢろく戦闘員。
「おい、お前!戦闘員の生き残りだろ?」
「は、はいぃ…」
「四つん這いになって俺のブーツ舐めろ」
「へ?」
憂さ晴らしか、ブレストマンは生き残った戦闘員の元に向うと、戦闘員の前に足を出して四つん這いになってブーツを舐めろと命令し始めた。
「さっさと舐めろ!ぶん殴るぞ!」
「ひぃ、わ、わかりました…」
強引に戦闘員にブーツ舐めを強要するブレストマン。戦闘員はタランチュラのように自分も倒されるのを恐れて渋々ブレストマンの前に跪き、漆黒のフェイスマスクをズラして口の部分を露出させ、ペロペロと自身の舌でブレストマンの若干砂埃を被った白いブーツをなめ始めた。
ピチャ ピチャ
「そうそう、ちゃんと綺麗になるまで舐めろよ。お前等のせいで汚れたんだから」
ピチャ ピチャ
「うぅ…」
ピチャ ピチャ
恐らくこの戦闘員の年齢はブレストマン、シュウゴよりも年上であろう。そんな自分より遥かに年下の子供のブーツを地面に這いつくばりながら舐めさせられるという屈辱に、戦闘員はプルプルと悔しさで身体を震わせながらブレストマンのブーツを懸命に舐め続ける。
ピチャ ピチャ
「あぁ、もういいよ。その汚い頭を退けろ」
「ぶはっ!」
ブレストマンはある程度満足したのか、戦闘員にそう言って舐め掃除をやめさせると、なんといきなり戦闘員の頭を蹴り飛ばした。その蹴りは軽い一撃ではあったが、蹴り飛ばされた戦闘員は数メートル先のゴミ箱まで吹き飛ばされ生ごみ塗れに…
「失せろ!俺の前からさっさと消えろ」
「う、わぁあぁああぁあぁぁあぁあ!!」
そう言って戦闘員を怒鳴り付けると、戦闘員はゴミ塗れになりながら大声を上げて一目散に逃げて行きやがった。少しやり過ぎたかとも思ったけど、世界征服を企むアイツ等に情けは無用。それに、なんたって一番迷惑しているのは俺な訳だし。
「情けない奴だぜ…さぁーて、俺も帰るかな」
無事にワルザールの怪人を倒すことに成功したブレストマン。公園に張り巡らされたタランチュラの蜘蛛の巣の処理は警察に任せることにし、ブレストマンは着替えの置いてある公衆便所に向って走り出す。
それから二か月後…
杉並公園での騒ぎ以降、ワルザールの怪人はなぜか一度も姿を現すことは無く、それにより杉並町には束の間の平和が訪れる。忙しい時には毎日の様に怪人と死闘を繰り広げていたシュウゴも、ブレストマンに任命される前の平凡な日常生活を満喫していた。
「最近はワルザールの奴等も大人しく助かるぜ…ん?ブレストクリスタルに反応?中央交差点だな」
噂をすればなんとやら…どうやらワルザードの連中が再び動き出したようだ。学校に居た俺は腹痛を訴え授業を抜け出し、そのまま学校のトイレで変身を済ませて現場に急行することに。
「ブレストチェーンジ!!」
街中を逃げ惑う大勢の人々。その騒ぎの中心には全身に和風の甲冑を着こんだ人物がアリ、見境なく周囲の破壊活動を行っていた。
「やいやい!しばらく大人しくしていたと思ったら、こんなに街をメチャクチャにしやがって」
「ブレストマン待っていたぞ。我が名はジーク…貴様を倒すためだけに作られた狂戦士!」
ブレストマンが現場に到着すると、それまで我武者羅に街を破壊していた怪人は自らをジークと名乗り、いきなり手に持っていた太刀でブレストマンに物凄い勢いで切りかかる。
「くっ、コイツ…」
ジークの攻撃を両腕を硬化して受け切るブレストマン。
「ほぉ、我が太刀を腕でガードするとはなぁ。流石はブレストマン…だが!」
ジークのスピードはこれまでの怪人とは比べ物にならないほど速い。そのスピードはブレストマンの反応速度を上回り、ブレストマンはジークに先手を取られてしまう。
「うおっ!な、なんだ!その体勢からさらに勢いが増した?」
鎧男の刀を振り払おうにも、なぜか刀の重圧はさらに増幅してく。気が付くと俺の両足はいつの間にかコンクリートの地面をぶち破り、ズブズブと地面に打ち付けられるように沈んでいた。
「我が太刀は弐段斬撃式、このまま地面に叩きつけてくれる!」
ジークの太刀には細工が施してあるのか、刃の裏側には噴射気の様なものが取り付けられており、そこからは蒸気が噴き出している。
「剣にジェット噴射気付けただけだろ…卑怯だぞぉ…ぐぅ…ブレストフレェーイィム!」
一方的に押されていたブレストマンだったが、必殺技のブレストフレイムを繰り出して身体を真紅の炎で包みこみ、火炎の爆風でジリジリと徐々にジークの太刀を迫り上げていく。
「ぬぉ!なんというパワー。このままでは押し返される…」
「うぉおおおぉおおおおお!もっと、もっと燃えろぉおおおぉぉ!!」
ここが勝負所だと思った俺は、ブレストクリスタルのパワーを限界まで引き上げて技の威力を数倍まで高めた。その結果、見事に形勢は逆転。今度は大きな炎の塊となった俺が鎧男を押しつぶすような立ち位置に。
バトル開始直後から繰り広げられる激戦。当初はブレストマンを圧倒していたジークだが、今はまるで隕石に押しつぶされているような状況に追われ、金色に輝くブレストマンの灼熱に手も足も出ない状態だ。しかし、そのような劣性にも関わらず、ジークの表情にはどこか余裕の様なものがある。と次の瞬間、ジークは周囲に待機していた戦闘員達に大声で指示を出す。
「ぐっ…戦闘員共!今だ!奴のパワー吸収装置を起動させろ!」
ジークがそう叫んだ瞬間、ジークとブレストマンの周辺に特殊なフィールドが発生。ジークに変化は無いものの、同じフィールド内にいるブレストマンは突然苦しみ始める。
「なっ!…うぅ…うあぁぁあぁあ…」
俺を纏っていた灼熱はなぜか一瞬で消え失せ、オマケに力がどんどん抜けていく。ブレストクリスタルは輝いているのに…俺が身体の急激な変化に疑問を抱いている最中、ジークは笑みを浮かべながらこう言った。
「どうだ?体から力が抜けていくだろう?我は無策で貴様に挑む愚か者では無い」
「な、にをぉ…俺に…」
「貴様のエネルギー成分を分析し、貴様が体外に放出したエネルギーを全て吸い尽くす装置を我らは開発したのだ」
ジークの言葉通り、現在二人の周囲に発生しているフィールドはブレストマンだけに効果があり、ジークにはまったく影響が見られない。つまりワルザールはブレストマンを倒す兵器の開発に本当に成功していたのだ。
「ブレストクリスタル…もっと俺に力をぉ!!力比べだぁあああぁぁあああ!」
絶望的な状況下。ブレストマンはこのピンチを乗り切る対策として、自らの力を限界まで引き上げて吸収装置をオーバーヒートさせるという無茶な選択肢を選び、ブレストクリスタルからありったけのエネルギーを縛りだす。すると、再びブレストマンの身体は輝き始め炎に包まれる。
「ぬぅ!まだこんな力が…しかし、これで貴様の敗北は確実になったぞ」
再び身体に輝きを取り戻し「勝った」と確信したブレストマンだったが、その喜びもつかの間。燃え上がった炎は再びその威力を徐々に弱めていき、とうとう胸に輝くブレストクリスタルの輝きすら失われてしまった。
「パワーがぁ…嘘だ、こんな…全部吸われるなんて…うぅ…」
「自身を過剰評価し過ぎたようだな。力押しで通ると思ったのだろう?」
「う、うるせぇ…こん…チクショ…」
薄れゆく意識の中、俺の意識はジークの強烈な一撃によって断たれる。
「そらぁ!」
「ゴハッ!!」
「………」
賭けに敗れ、全てのエルネギーを奪われてしまったブレストマン。既にジークに対抗できる術も力も無く、たった一撃で意識を失ってしまう。
「戦闘員共、ブレストマンを縛りあげろ。本部に連れて行く」
「し、しかしジーク様。この場で殺してもいいのでは?」
うつ伏せで倒れ込んだブレストマンを捕獲しろと命令するジーク。しかし、戦闘員はこの場でブレストマンの抹殺を進言する。その言葉にジークは一瞬顔を顰めて戦闘員を睨みつけると、戦闘員に向ってこう告げた。
「生け捕では不服か?お前達もブレストマンには随分「世話」になっただろうに」
「…そうですね。本部で散々痛めつけてから殺すのもアリですね」
「だろう?」
「早速ブレストマンを縛りあげて本部に移送します」
ジークの言葉にそれもそうだと賛同した戦闘員は、他の戦闘員達を呼び寄せてブレストマンの全身を満遍なく荒縄でグルグル巻きにして縛り上げると、抱き抱えるようにして持ち上げ本部に連行していく。
「ふん、これで「あの時」の復讐が出来る…」
ワルザール本部「グレート・ワルザニア」 地下三階・拷問室
「うぅ…ここは!?」
俺が次に目が覚めた時はベッドの…ちがう、冷たいし体も…ここは病院じゃない。
「お目覚めかいブレストマン?」
湿気のある薄暗い室内の中、ひんやりとした鉄板の上に仰向けで拘束されているブレストマン。その両足は大きく開かれ自由に閉じることもできず、両腕は頭の後ろに回され手錠を嵌められた上に鎖で固定されていてこちらも自由に動かすことができない。
「…ジーク」
ぼんやりとしていた視界に鮮明さが戻ると、俺の眼前には鎧男のジークの姿があった。奴は拘束されて身動きできない俺をニヤニヤ笑いながら見下ろしている。
「いいザマだなぁ、その状態では何一つ抵抗できまい」
「舐めるなよ、ブレストフレェーイィム!…あれ?なんで技が?」
変身状態で拘束されたのが不幸中の幸いだと思い、必殺技のブレストフレイムで窮地を脱しようと考えていたブレストマンだが、なぜか技は不発。狭い室内には少年のソプラノ声だけが響き渡るという虚しい結果に終わる。
「今のお前に技を出す力など無いだろ」
「だって、まだ変身したままだし…まさか、吸収装置?」
「これは吸収装置による効果では無い。それになぁ、それは偽のコスチュームだ。貴様のブレストクリスタルは既に我らの手の内」
なんと、既にブレストマンの力の源であるブレストクリスタルは既にジークによって押収されていた。
「それじゃ、なんでワザワザこんな格好に…」
「貴様をブレストマンの姿で拷問したいからだ。ところで、ブレストマン。我の事を覚えているか?」
「???…俺は今までの怪人は全部殺してきたんだぞ?それにお前に会ったのは今日が初めてだ」
どうやら、ジークは俺に恨みの様なものを持っている様だ。けど、俺は本当に奴に見覚えがなく、何者なのか皆目見当もつかない。
「いや、違うんだ…我はお前に確実に会っている。そして、あの公園で貴様にさせられたことは決して忘れはしないぞ」
「何を言って…まさか!お前、あの時の戦闘員なのか?」
ブレストマンの脳裏に浮かんだ人物。それは二か月前に杉並公園でタランチュラを倒した後、憂さ晴らしに自分のブーツを舐め掃除させた戦闘員だった。
「やっと思いだしたかクソ野郎!」
ジークは自分の正体をブレストマンに気づかせると、ブレストマンの腹部目掛けてパンチを打ち込む。
「うあっ!」
本物のスーツならダメージを軽減できるのだが、今着せられているのは偽のスーツ。ダメージは直にブレストマン、というよりもはやその正体である浅見 シュウゴに伝わる。つまり生身で怪人に殴られたのと同じだということだ。
「貴様のブーツを跪いて舐めさせられた屈辱。今日ここでたっぷりとその礼をしてやるからなぁ」
「あぁぁ…」
ブレストクリスタルを取り上げられた事と先の強烈な一撃の二重奏で、シュウゴはすっかり脅えきってしまい身体をガタガタと震えあがらせる。
最悪だぁ、よりによってアイツが怪人になっていたなんて…俺のことメチャクチャ恨んでいるようだし、多分とんでもなくキツイ拷問をされるんだろうな…はぁ…
「まずは下拵えからだ。おい、そこの戦闘員。コイツのスーツに所々穴を開けてやれ」
「了解!」
ジークは下拵えだと言うと、近くにいた戦闘員にシュウゴの着せられているブレストマンスーツに穴を開けろと命令する。その際、特にどの部分にどの程度の穴を開けろとは命じ無かったが、戦闘員は勝手にブレストマンスーツを所々引き裂き始めた。
「や、やめろぉ!触るなぁ!やめろぉ…やぁ」
ビリッ!
「別に偽物なんだからいいだろう?」
偽のスーツは生地が薄いのか、少し力を入れるだけで意図も簡単に引き裂けてしまう。
ビリッ!
ビリリリッ!
「くぅ…」
ビリリッ!
「う~ん、お前はなかなかセンスがいいなぁ。いい感じに破けたじゃないか」
「ありがとうございます」
無残にも所々引き裂かれたブレストマンスーツ。特に注目すべき点は股間と肛門部分であり、そこだけはピンポイントでシュウゴのかわいらしい未成熟の性器やピンク色の尻の穴がむき出しになる様に意図されたカットになっていた。
「あぁああぁ…」
悪の組織に囚われただけでも屈辱だというのに、普段は絶対に人前に晒すことのない物を曝け出され思わず声を失い絶望するシュウゴ。しかも、シュウゴは自身が「包茎」であることを自覚し、さらにそれを恥ずかしいことだと思っている(13歳なので)ことから、顔を真っ赤に染めて性器だけでも隠そうとジタバタ唯一動かせる腰辺りをクネクネと揺らす。
「包茎ならさっき本物を取り上げた時に見たから気にしなくていいぞ」
「!」
俺の気にしていることをあっさりと見破り、的確に指摘してくるジーク。「気にしなくていい」なんて言われると俺的になんだか余計に恥ずかしい。
「おい、次は包茎チンコとケツにローションを塗ってやれ。特にケツの穴辺りにはたっぷりとなぁ」
「了解です」
スーツのカットが終わるや否や、今度は股間と肛門にローションを塗り付けるよう命令するジーク。命を受けた戦闘員はシュウゴが拘束されている鉄板の隣にある棚からローションのボトルを取り出すと、自身の手袋にそれを垂らしヌチャヌチャと粘着質な効果音を出しながら混ぜ合わせる。
「なんだよそれぇ!何する気だぁ…んぁ!やめぇん…くぁあぁ」
ネチャッとした冷たい不快感がシュウゴの下半身を襲う。しかも、ローションを塗る戦闘員の手付きはいやらしく、ローションが着いたエナメル質の手袋の上からネチャネチャとシュウゴの性器を扱いたり、指をグリグリと肛門に宛がったりして弄ぶ。
「ん?なんだかチンコがヒクついてきたなぁ、もしかして勃起か?我等の見ている前で勃起か?」
「う、うるせぇ…んぁぁあぁ…」
自分でも何となくヤバいと思ったけど、ローション塗られてその上から扱かれたら誰でもチンコ立つだろう…まるで俺を変態扱いだ。でも、本当に限界かも…ホントにチンコ立っちゃうよぉ…!
「やぁっ!」
シュウゴは性器を勃起させまいと必死に抵抗しようとするが、戦闘員によって扱かれていた性器を正常に保つには既に遅かれ早かれというような限界状態だったが、とうとうジークの一言で勃起させられるハメに。
「…めぇ…あぁぁあ…」
ビクンビクンと性器が脈打ち、勃起を開始するともう誰にも止められない。いつの間にか戦闘員の手もシュウゴの性器から離れ、ジークと数人の戦闘員達はシュウゴの性器が勃起するさまを黙って見守る。
「なんとかぁ言えよぉ…黙って見んな!」
無言で自身の勃起過程を観察されるという恥辱が興奮剤となり、シュウゴの皮を被った性器は見る見るうちに膨張を始め、ついには皮に埋もれていたピンク色の亀頭がプルンと剥き出しになり、性器全体がピクピクとヒクつく。…勃起の完了だ。
「この変態野郎。興奮してとうとう勃起させやがった。戦闘員共も何か言ってやれ」
シュウゴの勃起が終わったとたん、待っていましたと言わんばかりに黙っていたジークが喋り始め、戦闘員達に言葉責めをさせる。
「おい変態ヒーロー!お前、家で変身してシコってたんじゃないのか?」
「うっせぇ!そんな訳ねーだろぉ!」
「何がブレストマンだ。只の変態じゃねぇーか」
「黙れよ!」
「本当は気持ち良くてたまらないんだろう?正直に言えよ」
「うるさい!うるさい!俺は変態なんかじゃねぇ…お前らこそ変態だ!」
いつもなら眼中にも無い戦闘員に馬鹿にされるなんて…悔しい。もし、ここから生きて出られたらワルザールを根絶やしにしてやるぅ。
普段、変身した自分に一瞬で倒される戦闘員達から浴びせられる罵倒。シュウゴにとっては途轍もない屈辱でしかなかった。
「その状況でまだ強がるか?まぁ、拷問はこれからが本番だがなぁ」
「くっ…」
強気な態度を取るシュウゴを牽制するジーク。シュウゴも思わずこの拷問の指導権を持つジークに対しては尻込みしてしまう。
「戦闘員、そのローターを取ってくれ」
シュウゴを無理やり勃起させたジークは次なる行動に移る。シュウゴは唾をゴクリと飲み干し、そのジークの一挙手一投足を、冷や汗をかきながら見つめる。
「ブレストマンよ、コイツが何だか分かるか?」
戦闘員から受け取ったローターをシュウゴの眼前にチラつかせ、これはなんだと尋ねるジーク。その質問にシュウゴは悪態をついて答えた。
「知るか!どうせ碌でもないモノだろう?」
「…今からコイツを貴様のケツに差し込むんだよ」
「なっ!何だと!ふざけるなぁ!…や、やめろぉおおおおおぉお!!」
ローターの使用意図を伝えられた途端、シュウゴは大声で叫んで拒絶。だが、ジークはそのシュウゴの恐怖に満ちた反応に笑みを浮かべ、ゆっくりとジーク直々にローターをシュウゴの肛門に宛がう。
「ぐぅあぁあぁあぁ!!…うぅんぁぁあぁあぁあ!!」
事前に潤滑油であるローションでコーティングしてあるシュウゴの肛門だが、指を挿入して慣らした訳でもないので、生まれて始めて排泄物を出す肛門に異物を挿入するという行為に対して痛みより恐怖心の方が勝り絶叫を上げるシュウゴ。
「どうした?貴様の下の口は美味そうに咥え込んでいるぞ」
「そんなことぉ…ぐぅあぁあぁ…」
俺は必死に棒がケツに入らない様に抵抗したが、こんな体勢では力むことが出来ず、結局ジークの思惑通りに…
「実にいい気味だ。…さぁて、どんな情けない面に変貌しているか見せてもらおうかな」
ジークはローターの挿入を終えると、突然そう言ってシュウゴの被っているブレストマンのヘルメットに手を掛けそれを剥ぎ取る。
「!?…やぁ」
「ほぉ、泣いてはいなかったか…まぁいい」
「くぅ…」
ヘルメットを奪われ、露わになったシュウゴの素顔。涙こそ流してはいないものの、不安げなその表情は既に正義のヒーローの物では無く。浅見 シュウゴという何処にでもいるごく普通の少年の顔になっていたということだけは誰の目にも明らかだった。
ウィーン!
「ジーク様!ワルザー総統からの緊急招集って…ソイツはブレストマン?…ですか?」
突如、慌ただしく拷問室にジークを尋ねて1人の戦闘員が入室してくる。その戦闘員はチラっとシュウゴを見るが、どうやら急いでいるようで急いで視線をジークに戻す。
「ワルザー様が我を?」
「そうです、大至急で司令室までとの伝達です」
「これからがお楽しみだというのに…分かったスグに向う。そういうことだ、ブレストマン。我が直々に拷問してやりたいところだが、我が戻るまで「その玩具」で遊んでいろ」
「遊ぶってお前、何言って…っ!」
ヴィィイィイイィィイイィィイイ!
ジークがリモコンの様な物のスイッチを押すと、何処からかバイブ音が鳴りだし始め、その音と連動するようにシュウゴが身体を揺らし始めた。
「な、んぁぁあぁあ!ケツがぁ…んぁぁああぁ!」
「ジーク様…」
「分かっている」
戦闘員の催促に促され、ジークはローターのリモコンを棚の上に置いて拷問室を出ようとする。その様子にシュウゴはせめてローターのスイッチを切ってから行けと言わんばかりに声を上げてジーグに向って叫ぶが、その懸命な叫びも虚しくジークはその場にいた戦闘員達を引き連れて急ぎ足で拷問室を後にする。シュウゴの肛門に挿入したローターのスイッチを入れたまま…
「おいぃ…待てぇえ!このままにぃ…して行く気かぁぁあぁ!おいぃい!」
ウィーン
「うぅ…待ってよぉ…んぁぁあぁあぁ!!」
冒頭シーンが長過ぎた…詳しくは日記で。
囚われのヒーロー 完結編
身体を拘束され、肛門にブルブルと振動し続けるローターを挿入されたまま、一人拷問室に取り残されたシュウゴ。薄暗い室内には一定の振動音を放つバイブ音とシュウゴの喘ぎ声が響き渡る。
「うぅ…んぁあぁあぁ…クソぉ、なんでぇ俺がぁ…ん?」
(…ン、…マン)
ケツに訳の分からねぇモノを突っ込まれて苦しんでいた最中、突然何処からか声の様な音が聞え出す。始めは何言ってるのかまったく聞きとれなかったけど、その声のボリュームはどんどん上がっていった。
(…ストマン、ブレストマン!)
「んぁ?何ぃ?」
アナル責めで苦しむシュウゴの耳に届くシュウゴを呼ぶ声。
(あぁ、なんて格好しているのですか貴方は…私を失望させないでください)
「…アンタ!確かぁあん…」
聞き覚えのある声。そう、これは俺がブレストマンに任命された時の声…「ブレストロン」の声だ。助かった…とりあえず俺はこの時、心の中で何度もそう呟いた。
(とりあえずローターは止めて上げましょう。会話になりませんからね)
ブレストロンがそう言うと同時に、シュウゴの肛門に挿入されていたローターの動きが急に大人しくなり、ピクリとも動かなくなる。
「んぁ…うぅ、サンキューなぁブレストロン。大分楽になったぜ。さぁ、早く俺を助けてくれよ!」
(助けることは出来ません…)
「ちょ、なぜ!アンタの頼みで俺はブレストマンになってやったんだぞ!ピンチの時ぐらい助けろよ」
(では、とりあえず手足の拘束は解いてあげましょう。後は自分の力で切り抜けるのです)
自分を助けてくれとブレストロンに頼むシュウゴだが、その願いはあっさりと断られてしまう。しかし、ブレストロンは自力ではどうにもならないシュウゴを拘束する手足の拘束具だけは外し、後はシュウゴ自身で何とかしろと告げるブレストロン。
「ちょ…」
手足が自由になったのはうれしいけど、ブレストクリスタル無しでこの基地から逃げ出すなんて無理だ。それに、俺は真っ裸に近い状態だし…俺は姿こそ見えないが、天井の方に向ってブレストロンに呼びかけた。
「おい、俺はこれからどうすればいいんだよ!!」
シュウゴの呼び掛けにブレストロンは無視、というよりも既に気配そのものが消えていた。
「使えねぇ奴…はぁ、自力でこの基地から脱出するしかないか…まずはケツに突っ込まれたコイツを抜かねぇと」
ブレストロンをあてにできないと判断したシュウゴは、まず手始めに自身の肛門に挿入されたローターを引き抜こうと試みる。しかし、深くシュウゴの肛門に埋め込まれたローターを自らの肛門に指を突っ込んで引き抜くのに抵抗と恐怖心があるシュウゴ。結局指を使って引き抜くのを諦めると、シュウゴはそのまま拘束台からゆっくりと降り、和式便器で排泄行為を行う様な姿勢をとる。
「うぅん…うぅんん!」
どうしても指でローターってのを引き抜けなかった俺は、本当はこんなことしたくなかったけど、ウンコをするのと同じ要領でローターをケツから出そうとウンコ座りになって力んだ。
「うぅんんんん!」
呻き声を上げながら下腹部を力ませるシュウゴ。それと同時にムクムクと次第にシュウゴの肛門から姿を現すローション塗れのローター。もし、この姿をジーク達に見られていたら死んでも死にきれなかっただろうと言うほどにその光景は「羞恥の塊」だと言わんばかりの姿。
俺は両手で鉄板にしがみ付き、懸命にケツからローターを搾り出す。まるで便秘に苦しみオマルにしがみ付く赤ちゃんの様に…ふん、自分でも何でそんな例えを思い浮かべたのかと後悔したが、何だかパッと思い浮かんだのはそんな場景だった。と次の瞬間…
「…んぁ!」
ゴポッ!
大きなシュウゴの喘ぎ声と共にシュウゴの肛門から勢いよく飛び出したローターは、妖しくヌメヌメと輝きながら拷問室の床に落ちる。
「はぁ、はぁ…ジークぅ…今度戦った時は絶対にぶっ殺してやるからなぁ」
シュウゴはそうブツブツと呟きながらふらふらとその場に立ち上がると、周囲を見渡して改めて基地からの脱出方を模索し始めた。
「しかし、どうやってここから脱出するかなぁ。グズグズしているとジーク達が戻って来ちゃうだろし。…!」
それ程広くない拷問室の中をキョロキョロ見渡していると、何やら部屋の隅に置かれたワゴンの上に見覚えのある物が目に付く。
「戦闘員の服…これを着ていればなんとか逃げ出せるかも。でもなぁ、これ着るのやだなぁ」
シュウゴが見つけたのはワルザール戦闘員の黒光りするエナメルスーツだった。
「う~ん、また捕まってあんな恥ずかしい拷問を受けるよりマシか…よし、着るか!」
とりあえずそれを手に取って着るか着ないか悩んでいたシュウゴだが、ジーク達に拷問されるよりは遥かにマシだと思い、着せられていた偽ブレストマンスーツをその場で脱ぎ棄て、戦闘員の服に着替え始める。
「うぐぅ、何だよこれぇ!生地は伸びることは伸びるけど…ピチピチじゃないか。しかも、このマスク臭い…オヤジ臭い。うげぇ、いいのはサイズだけだよ…」
なぜかサイズは誰が着ても合うようになっているようだったけど、妙にボディースーツに滑りけがあったり、マスクがオヤジ臭いなどで最悪の着心地だった。もう、その場で脱ぎ捨てたいくらい。でも、これを着ていれば多少は奴等を欺けるだろう。
その後、戦闘員の服に着替えたシュウゴはさっそく拷問室を抜け出し、近未来チックな雰囲気の廊下に出る。
「さて、とりあえずエレベーターを探すのが無難かな…」
奥の壁に彫ってあったB3の文字。恐らくココは地下3階だと推測した俺は、手始めに地上に繋がるエレベーターの様な設備が無いか探すことにした。
「おい貴様!」
「!!…えっあ」
長い廊下をひたすら駆け抜けるシュウゴだったが、ついにある曲がり角で戦闘員とバッタリ出くわしてしまう。しかも、その戦闘員に呼び止められた…この時、シュウゴは思わず「バレた」と思ったが、その予想は大きく外れ、シュウゴに向って戦闘員から思わぬ発言が飛び出す。
「チンコが勃起しているぞ!さっさとどうにかしろ!」
…勃起?
ふと、チンコに目を向けると確かに俺のチンコは立っていた。スーツにくっきりと浮かび上がるくらいに…恐らく原因はさっきの拷問だろう。多分ジークが俺のチンコに何かしたに違い無い。
「いや、その…申し訳ありませんでした!」
「怪人様達の前をそんな格好で歩いていたら「犯される」ぞ。それともなんだ、こんな真っ昼間から掘られに行くのか?」
「いえぇ!違います!違います!」
「ん?…あぁ、そういうことか」
妙な疑いを掛けられて咄嗟にシュウゴがそれを否定すると、今度は何やら別のことを思いつく戦闘員。
「へっ?」
「お前も立ち会ったのか?ブレストマンの拷問。さっき会った連中が話していたぞ、結構美少年で興奮したってなぁ」
「えっ、そうですか?俺ってそんなにイケメンですか?…あっ」
「お前の事じゃねぇーよ。一体何を勘違いしているんだ…とりあえずチンコどうにかしとけよ」
「美少年」という評価に浮かれたシュウゴはうっかり喜んでしまったが、戦闘員は特にそのことを指摘せずに「チンコ直せ」とだけシュウゴに念入りに伝えて去って行った。
「……ふぅ、危ねぇ~。さっさと脱出しないと…しかし、ジークの奴ぅうう!本当に変態野郎だぜ。あぁ、早く戻らないかなぁ」
戦闘員とのやり取りを無事に済ませ、再び廊下をさ迷うシュウゴ。
やがて、これまで来た道を忘れるほど進んだ後、ようやくシュウゴは大きなエレベーターらしき物体を発見することに成功する。
「このエレベーターに乗れば地上に出られるのかな?まぁ、とりあえず呼んでみるか」
俺がエレベーターを呼び出そうとして扉の隣にある↑ボタンを押そうとした直後、何の前触れも無く突然エレベーターの扉が開いた。
ゴゴゴゴゴォ…
「!」
シュウゴは中にいた人物を見て思わず驚く。そう、開いたエレベーターの中には自分を散々な目に合わせたジークの姿があったのだ。その他にシワシワの老人と数人の戦闘員の姿もある。
「ん?邪魔だ」
「…」
エレベーターの中から出てきた一人の戦闘員が、扉の前に呆然と突っ立っているシュウゴに邪魔だと告げる。シュウゴはその言葉で我に返り、ペコリと頭を下げて扉の横に下がった。この時、シュウゴの性器の勃起が収まっていたのはせめてもの救いだったろう。
「ワルザー様、この先の拷問室にブレストマンを捕らえてあります。おそらく今頃は泣きながらチンコをビンビンにさせて我々を待っているでしょう」
「ふん、地下の集会場で全怪人と戦闘員の前で辱めてやる」
「左様でございますか、それでは…」
ジーク達にはブレストマンのことしか頭に無いのか、全ての戦闘員のことを「知り尽くす」怪人クラスがよく見れば変装を容易に見破れるのにも関わらず、戦闘員に扮したシュウゴには目もくれずにさっさと行ってしまった。シュウゴはフェイスマスクのミラー越しにジーク達を見つめ、ジーク達がその場から立ち去るのを今か今かと冷や汗をかきながら待ち続ける。
「ワルザー?あのジジィが?…ブレストロンには感謝しないとなぁ、あのまま捕まってたらどうなってたことやら」
ジーク達が廊下に角を曲がった直後、俺は急いでエレベーターを起動させて逃げ込むように飛び乗り、中途半端だが俺を助けてくれたブレストロンに心から感謝した。
その後、シュウゴを乗せたエレベーターは順調にシュウゴを地上まで導き、ついにシュウゴは洞窟の中の様な造りになっている基地の一階に辿り着くことに成功する。そして、後少しで基地から出られると思ったその時、基地の入り口手前で見張りを担当していた戦闘員になぜかシュウゴは呼び止められてしまう。
「そこのお前!何処に行く?」
「…偵察に」
「それは誰の命令だ」
「えっと、…ジーク様です。町の様子を見て来いって」
「ジーク様ねぇ…少しそこで待っていろ、確認する」
「……」
なんでここまで来て呼びとめられたのかは解らないが、思わず嘘を言ってしまった以上、ここでじっとしてる訳にはいかないと思った俺は、一瞬の隙を見て入口に向って駆け出す。
「!?おい、何処に行く!止まれ!…はい、ブレストマンが脱走?いや、今ですね…」
戦闘員はブレストマンの脱走を告げられた様子だったが、なぜかシュウゴを追おうとはせずにいる。その戦闘員の様子にシュウゴは違和感を感じたものの、もはや引き返せないこの状況下ではひたすら逃げるという選択肢しかシュウゴには残されていなかった。
「はぁ、はぁ…やっと地上に出られたんだ、捕まってたまるかよ!」
そう言いながら闇雲に森の中を駆け抜けるシュウゴ。シュウゴは逃走の最中、何度も何度もワルザール基地の方を振り返り、追手が迫っていないかと確認する。だが、シュウゴの心配とは裏腹に追手の姿はまったく無い。
「はぁ、はぁ…もう…はぁ、はぁ…逃げ切ったかな?」
ある程度は逃げ切ったと判断し、全速力で駆けていたシュウゴはゆっくりと走るのをやめてその場に座り込む。しかし、安心できたのも束の間…突如シュウゴの耳元で悪魔の囁きが響き渡る。
「そこまでだ、ブレストマン」
「!?」
聞き覚えのある声。シュウゴがバッと後ろを振り向くと、そこにはなんとジークの姿があった。
「ジ、ジーク!どうして」
「そう易々と逃がしてたまるか…と、言いたいところだが逃がしてやる」
「???」
ジークに見つかり終わったと思った俺だが、ジークの口から想定外の「逃がしてやる」などと意味不明の言葉が飛び出す。
「条件付きでだが」
「どういうことだ?」
「ふん、こういうことだ」
ジークはニヤニヤと笑みを浮かべながら、自身の片足をシュウゴに向けて突き出した。シュウゴはジークのその行動の意味を直ぐに悟りこう言う。
「それは、靴を舐めろと…」
「もちろん四つん這いでな」
「くっ…」
それは嘗て、自身がジークにさせた「靴舐め行為」をしろという要求だった。
「急がないと我以外の怪人や戦闘員がわんさと押し寄せるぞ」
「……」
「どうした?四つん這いになって我の靴を舐めるだけで助かるんだぞ」
「…舐めればいいんだろ」
「いい子だ」
コイツの靴を舐めれば助かる…出来れば避けたい行為だが、ここで再びワルザークに捕まったら何をされるか分からない。それに、捕まれば靴舐め以上の恥ずかしくて屈辱的なことをされるに違いないという確信を持っていた俺は、その場で四つん這いになり、フェイスマスクをズラしてジークの靴に舌を付ける。
「まさに「あの時」の再現だなぁ~ブレストマン」
「…くっ…うぅ…」
ピチャ
シュウゴは悔しさでピクピクと身体を震わせながら、ピチャピチャと音を立ててジークの靴をなめ始めた。
「もっと剛快に舐めろよ」
「…」
ピチャ ピチャ ピチャ
「そうそう、ちゃんと綺麗になるまで舐めろよ」
「くぅ…」
ピチャ ピチャ
ジークの細かい指示に逆らうことなく、シュウゴはひたすらジークが満足するまでジークの靴を舐め続ける。そのシュウゴの姿に嘗てのブレストマンとしての威厳ある面影は微塵も無く。今のシュウゴは「ただの恥知らずの命乞いを行う惨めな少年」でしか無い。
「あぁ、もういいよ。その汚い頭を退けろ」
あの日、公園でブレストマンが行った行動・台詞を彷彿とさせる行為を行うジーク。ジークは仕上げと言わんばかりにそう言ってシュウゴの頭を軽く蹴り飛ばす。
「うがぁ!」
これで助かった…
そう思った俺はフェイスマスクをその場に脱ぎ棄て、ふらふらと立ち上がりながら明確な帰り道も解らぬままトボトボと杉並町を目指して歩きだす。だが…
「おい、何処に行く?」
靴舐めを行えば逃がしてやると言ったジークだが、その言葉に反してシュウゴの腕をガッシリと掴むジーク。
「何処って…見逃してくれるんじゃなかったのかよ!」
「何のことだ?」
「テメェ!騙したなぁ!」
「はははっ!我は根っからの悪人だぞ?」
「うぅうう…」
最悪だ…俺を玩具にしやがった。最初からジークは俺を逃がす気なんてなかったんだ…俺はなんてバカだったんだろう。少し考えれば分かったのに…畜生ぅ…チクショオォォォ!
「さぁ、基地に戻るぞ。地下で貴様の公開拷問だ。あぁ、それとなぁ~我はエレベーターで貴様とすれ違った時に既に貴様だと気づいていたぞ」
「なっ…」
「グレート・ワルザニアには貴様の様な小柄な戦闘員など一人も居ないからな。まぁ、戦闘員には新人だと誤魔化せても、我の様に特に「ブレストマン」に詳しい者にかかれば容易いことよ」
「くそがぁ…」
その後、シュウゴはジークによって基地に再び連行され、基地地下にある集会場でこれでもかと言うほどの恥辱を味わうことに…そして、それから二日後。囚われたシュウゴは「肉便器」として人体改造を受けた後、基地のトイレに設置されることが決まった。
「うぅ…」
「どうだ、シュウゴ?便器にされた気分は?」
「…」
「無視か…それじゃ、早速使ってみるとするか」
「やぁ…やめでぇぇえええぇぇぇえええ!!」
便器としてトイレに設置されたシュウゴは、毎日のように怪人や戦闘達の排泄物を浴びせられたという。果たして、シュウゴのその後の運命や如何に!?
同時刻、杉並町では新たなヒーローが誕生していた…というのはまた別の話。
見事にブレストロンに見捨てられたシュウゴw
「うぅ…んぁあぁあぁ…クソぉ、なんでぇ俺がぁ…ん?」
(…ン、…マン)
ケツに訳の分からねぇモノを突っ込まれて苦しんでいた最中、突然何処からか声の様な音が聞え出す。始めは何言ってるのかまったく聞きとれなかったけど、その声のボリュームはどんどん上がっていった。
(…ストマン、ブレストマン!)
「んぁ?何ぃ?」
アナル責めで苦しむシュウゴの耳に届くシュウゴを呼ぶ声。
(あぁ、なんて格好しているのですか貴方は…私を失望させないでください)
「…アンタ!確かぁあん…」
聞き覚えのある声。そう、これは俺がブレストマンに任命された時の声…「ブレストロン」の声だ。助かった…とりあえず俺はこの時、心の中で何度もそう呟いた。
(とりあえずローターは止めて上げましょう。会話になりませんからね)
ブレストロンがそう言うと同時に、シュウゴの肛門に挿入されていたローターの動きが急に大人しくなり、ピクリとも動かなくなる。
「んぁ…うぅ、サンキューなぁブレストロン。大分楽になったぜ。さぁ、早く俺を助けてくれよ!」
(助けることは出来ません…)
「ちょ、なぜ!アンタの頼みで俺はブレストマンになってやったんだぞ!ピンチの時ぐらい助けろよ」
(では、とりあえず手足の拘束は解いてあげましょう。後は自分の力で切り抜けるのです)
自分を助けてくれとブレストロンに頼むシュウゴだが、その願いはあっさりと断られてしまう。しかし、ブレストロンは自力ではどうにもならないシュウゴを拘束する手足の拘束具だけは外し、後はシュウゴ自身で何とかしろと告げるブレストロン。
「ちょ…」
手足が自由になったのはうれしいけど、ブレストクリスタル無しでこの基地から逃げ出すなんて無理だ。それに、俺は真っ裸に近い状態だし…俺は姿こそ見えないが、天井の方に向ってブレストロンに呼びかけた。
「おい、俺はこれからどうすればいいんだよ!!」
シュウゴの呼び掛けにブレストロンは無視、というよりも既に気配そのものが消えていた。
「使えねぇ奴…はぁ、自力でこの基地から脱出するしかないか…まずはケツに突っ込まれたコイツを抜かねぇと」
ブレストロンをあてにできないと判断したシュウゴは、まず手始めに自身の肛門に挿入されたローターを引き抜こうと試みる。しかし、深くシュウゴの肛門に埋め込まれたローターを自らの肛門に指を突っ込んで引き抜くのに抵抗と恐怖心があるシュウゴ。結局指を使って引き抜くのを諦めると、シュウゴはそのまま拘束台からゆっくりと降り、和式便器で排泄行為を行う様な姿勢をとる。
「うぅん…うぅんん!」
どうしても指でローターってのを引き抜けなかった俺は、本当はこんなことしたくなかったけど、ウンコをするのと同じ要領でローターをケツから出そうとウンコ座りになって力んだ。
「うぅんんんん!」
呻き声を上げながら下腹部を力ませるシュウゴ。それと同時にムクムクと次第にシュウゴの肛門から姿を現すローション塗れのローター。もし、この姿をジーク達に見られていたら死んでも死にきれなかっただろうと言うほどにその光景は「羞恥の塊」だと言わんばかりの姿。
俺は両手で鉄板にしがみ付き、懸命にケツからローターを搾り出す。まるで便秘に苦しみオマルにしがみ付く赤ちゃんの様に…ふん、自分でも何でそんな例えを思い浮かべたのかと後悔したが、何だかパッと思い浮かんだのはそんな場景だった。と次の瞬間…
「…んぁ!」
ゴポッ!
大きなシュウゴの喘ぎ声と共にシュウゴの肛門から勢いよく飛び出したローターは、妖しくヌメヌメと輝きながら拷問室の床に落ちる。
「はぁ、はぁ…ジークぅ…今度戦った時は絶対にぶっ殺してやるからなぁ」
シュウゴはそうブツブツと呟きながらふらふらとその場に立ち上がると、周囲を見渡して改めて基地からの脱出方を模索し始めた。
「しかし、どうやってここから脱出するかなぁ。グズグズしているとジーク達が戻って来ちゃうだろし。…!」
それ程広くない拷問室の中をキョロキョロ見渡していると、何やら部屋の隅に置かれたワゴンの上に見覚えのある物が目に付く。
「戦闘員の服…これを着ていればなんとか逃げ出せるかも。でもなぁ、これ着るのやだなぁ」
シュウゴが見つけたのはワルザール戦闘員の黒光りするエナメルスーツだった。
「う~ん、また捕まってあんな恥ずかしい拷問を受けるよりマシか…よし、着るか!」
とりあえずそれを手に取って着るか着ないか悩んでいたシュウゴだが、ジーク達に拷問されるよりは遥かにマシだと思い、着せられていた偽ブレストマンスーツをその場で脱ぎ棄て、戦闘員の服に着替え始める。
「うぐぅ、何だよこれぇ!生地は伸びることは伸びるけど…ピチピチじゃないか。しかも、このマスク臭い…オヤジ臭い。うげぇ、いいのはサイズだけだよ…」
なぜかサイズは誰が着ても合うようになっているようだったけど、妙にボディースーツに滑りけがあったり、マスクがオヤジ臭いなどで最悪の着心地だった。もう、その場で脱ぎ捨てたいくらい。でも、これを着ていれば多少は奴等を欺けるだろう。
その後、戦闘員の服に着替えたシュウゴはさっそく拷問室を抜け出し、近未来チックな雰囲気の廊下に出る。
「さて、とりあえずエレベーターを探すのが無難かな…」
奥の壁に彫ってあったB3の文字。恐らくココは地下3階だと推測した俺は、手始めに地上に繋がるエレベーターの様な設備が無いか探すことにした。
「おい貴様!」
「!!…えっあ」
長い廊下をひたすら駆け抜けるシュウゴだったが、ついにある曲がり角で戦闘員とバッタリ出くわしてしまう。しかも、その戦闘員に呼び止められた…この時、シュウゴは思わず「バレた」と思ったが、その予想は大きく外れ、シュウゴに向って戦闘員から思わぬ発言が飛び出す。
「チンコが勃起しているぞ!さっさとどうにかしろ!」
…勃起?
ふと、チンコに目を向けると確かに俺のチンコは立っていた。スーツにくっきりと浮かび上がるくらいに…恐らく原因はさっきの拷問だろう。多分ジークが俺のチンコに何かしたに違い無い。
「いや、その…申し訳ありませんでした!」
「怪人様達の前をそんな格好で歩いていたら「犯される」ぞ。それともなんだ、こんな真っ昼間から掘られに行くのか?」
「いえぇ!違います!違います!」
「ん?…あぁ、そういうことか」
妙な疑いを掛けられて咄嗟にシュウゴがそれを否定すると、今度は何やら別のことを思いつく戦闘員。
「へっ?」
「お前も立ち会ったのか?ブレストマンの拷問。さっき会った連中が話していたぞ、結構美少年で興奮したってなぁ」
「えっ、そうですか?俺ってそんなにイケメンですか?…あっ」
「お前の事じゃねぇーよ。一体何を勘違いしているんだ…とりあえずチンコどうにかしとけよ」
「美少年」という評価に浮かれたシュウゴはうっかり喜んでしまったが、戦闘員は特にそのことを指摘せずに「チンコ直せ」とだけシュウゴに念入りに伝えて去って行った。
「……ふぅ、危ねぇ~。さっさと脱出しないと…しかし、ジークの奴ぅうう!本当に変態野郎だぜ。あぁ、早く戻らないかなぁ」
戦闘員とのやり取りを無事に済ませ、再び廊下をさ迷うシュウゴ。
やがて、これまで来た道を忘れるほど進んだ後、ようやくシュウゴは大きなエレベーターらしき物体を発見することに成功する。
「このエレベーターに乗れば地上に出られるのかな?まぁ、とりあえず呼んでみるか」
俺がエレベーターを呼び出そうとして扉の隣にある↑ボタンを押そうとした直後、何の前触れも無く突然エレベーターの扉が開いた。
ゴゴゴゴゴォ…
「!」
シュウゴは中にいた人物を見て思わず驚く。そう、開いたエレベーターの中には自分を散々な目に合わせたジークの姿があったのだ。その他にシワシワの老人と数人の戦闘員の姿もある。
「ん?邪魔だ」
「…」
エレベーターの中から出てきた一人の戦闘員が、扉の前に呆然と突っ立っているシュウゴに邪魔だと告げる。シュウゴはその言葉で我に返り、ペコリと頭を下げて扉の横に下がった。この時、シュウゴの性器の勃起が収まっていたのはせめてもの救いだったろう。
「ワルザー様、この先の拷問室にブレストマンを捕らえてあります。おそらく今頃は泣きながらチンコをビンビンにさせて我々を待っているでしょう」
「ふん、地下の集会場で全怪人と戦闘員の前で辱めてやる」
「左様でございますか、それでは…」
ジーク達にはブレストマンのことしか頭に無いのか、全ての戦闘員のことを「知り尽くす」怪人クラスがよく見れば変装を容易に見破れるのにも関わらず、戦闘員に扮したシュウゴには目もくれずにさっさと行ってしまった。シュウゴはフェイスマスクのミラー越しにジーク達を見つめ、ジーク達がその場から立ち去るのを今か今かと冷や汗をかきながら待ち続ける。
「ワルザー?あのジジィが?…ブレストロンには感謝しないとなぁ、あのまま捕まってたらどうなってたことやら」
ジーク達が廊下に角を曲がった直後、俺は急いでエレベーターを起動させて逃げ込むように飛び乗り、中途半端だが俺を助けてくれたブレストロンに心から感謝した。
その後、シュウゴを乗せたエレベーターは順調にシュウゴを地上まで導き、ついにシュウゴは洞窟の中の様な造りになっている基地の一階に辿り着くことに成功する。そして、後少しで基地から出られると思ったその時、基地の入り口手前で見張りを担当していた戦闘員になぜかシュウゴは呼び止められてしまう。
「そこのお前!何処に行く?」
「…偵察に」
「それは誰の命令だ」
「えっと、…ジーク様です。町の様子を見て来いって」
「ジーク様ねぇ…少しそこで待っていろ、確認する」
「……」
なんでここまで来て呼びとめられたのかは解らないが、思わず嘘を言ってしまった以上、ここでじっとしてる訳にはいかないと思った俺は、一瞬の隙を見て入口に向って駆け出す。
「!?おい、何処に行く!止まれ!…はい、ブレストマンが脱走?いや、今ですね…」
戦闘員はブレストマンの脱走を告げられた様子だったが、なぜかシュウゴを追おうとはせずにいる。その戦闘員の様子にシュウゴは違和感を感じたものの、もはや引き返せないこの状況下ではひたすら逃げるという選択肢しかシュウゴには残されていなかった。
「はぁ、はぁ…やっと地上に出られたんだ、捕まってたまるかよ!」
そう言いながら闇雲に森の中を駆け抜けるシュウゴ。シュウゴは逃走の最中、何度も何度もワルザール基地の方を振り返り、追手が迫っていないかと確認する。だが、シュウゴの心配とは裏腹に追手の姿はまったく無い。
「はぁ、はぁ…もう…はぁ、はぁ…逃げ切ったかな?」
ある程度は逃げ切ったと判断し、全速力で駆けていたシュウゴはゆっくりと走るのをやめてその場に座り込む。しかし、安心できたのも束の間…突如シュウゴの耳元で悪魔の囁きが響き渡る。
「そこまでだ、ブレストマン」
「!?」
聞き覚えのある声。シュウゴがバッと後ろを振り向くと、そこにはなんとジークの姿があった。
「ジ、ジーク!どうして」
「そう易々と逃がしてたまるか…と、言いたいところだが逃がしてやる」
「???」
ジークに見つかり終わったと思った俺だが、ジークの口から想定外の「逃がしてやる」などと意味不明の言葉が飛び出す。
「条件付きでだが」
「どういうことだ?」
「ふん、こういうことだ」
ジークはニヤニヤと笑みを浮かべながら、自身の片足をシュウゴに向けて突き出した。シュウゴはジークのその行動の意味を直ぐに悟りこう言う。
「それは、靴を舐めろと…」
「もちろん四つん這いでな」
「くっ…」
それは嘗て、自身がジークにさせた「靴舐め行為」をしろという要求だった。
「急がないと我以外の怪人や戦闘員がわんさと押し寄せるぞ」
「……」
「どうした?四つん這いになって我の靴を舐めるだけで助かるんだぞ」
「…舐めればいいんだろ」
「いい子だ」
コイツの靴を舐めれば助かる…出来れば避けたい行為だが、ここで再びワルザークに捕まったら何をされるか分からない。それに、捕まれば靴舐め以上の恥ずかしくて屈辱的なことをされるに違いないという確信を持っていた俺は、その場で四つん這いになり、フェイスマスクをズラしてジークの靴に舌を付ける。
「まさに「あの時」の再現だなぁ~ブレストマン」
「…くっ…うぅ…」
ピチャ
シュウゴは悔しさでピクピクと身体を震わせながら、ピチャピチャと音を立ててジークの靴をなめ始めた。
「もっと剛快に舐めろよ」
「…」
ピチャ ピチャ ピチャ
「そうそう、ちゃんと綺麗になるまで舐めろよ」
「くぅ…」
ピチャ ピチャ
ジークの細かい指示に逆らうことなく、シュウゴはひたすらジークが満足するまでジークの靴を舐め続ける。そのシュウゴの姿に嘗てのブレストマンとしての威厳ある面影は微塵も無く。今のシュウゴは「ただの恥知らずの命乞いを行う惨めな少年」でしか無い。
「あぁ、もういいよ。その汚い頭を退けろ」
あの日、公園でブレストマンが行った行動・台詞を彷彿とさせる行為を行うジーク。ジークは仕上げと言わんばかりにそう言ってシュウゴの頭を軽く蹴り飛ばす。
「うがぁ!」
これで助かった…
そう思った俺はフェイスマスクをその場に脱ぎ棄て、ふらふらと立ち上がりながら明確な帰り道も解らぬままトボトボと杉並町を目指して歩きだす。だが…
「おい、何処に行く?」
靴舐めを行えば逃がしてやると言ったジークだが、その言葉に反してシュウゴの腕をガッシリと掴むジーク。
「何処って…見逃してくれるんじゃなかったのかよ!」
「何のことだ?」
「テメェ!騙したなぁ!」
「はははっ!我は根っからの悪人だぞ?」
「うぅうう…」
最悪だ…俺を玩具にしやがった。最初からジークは俺を逃がす気なんてなかったんだ…俺はなんてバカだったんだろう。少し考えれば分かったのに…畜生ぅ…チクショオォォォ!
「さぁ、基地に戻るぞ。地下で貴様の公開拷問だ。あぁ、それとなぁ~我はエレベーターで貴様とすれ違った時に既に貴様だと気づいていたぞ」
「なっ…」
「グレート・ワルザニアには貴様の様な小柄な戦闘員など一人も居ないからな。まぁ、戦闘員には新人だと誤魔化せても、我の様に特に「ブレストマン」に詳しい者にかかれば容易いことよ」
「くそがぁ…」
その後、シュウゴはジークによって基地に再び連行され、基地地下にある集会場でこれでもかと言うほどの恥辱を味わうことに…そして、それから二日後。囚われたシュウゴは「肉便器」として人体改造を受けた後、基地のトイレに設置されることが決まった。
「うぅ…」
「どうだ、シュウゴ?便器にされた気分は?」
「…」
「無視か…それじゃ、早速使ってみるとするか」
「やぁ…やめでぇぇえええぇぇぇえええ!!」
便器としてトイレに設置されたシュウゴは、毎日のように怪人や戦闘達の排泄物を浴びせられたという。果たして、シュウゴのその後の運命や如何に!?
同時刻、杉並町では新たなヒーローが誕生していた…というのはまた別の話。
見事にブレストロンに見捨てられたシュウゴw
囚われのヒーロー 番外編
「只の中学生を便器に改造させるなんて…ワルザー様は鬼だな」
「えっ?アイツはブレストマンなんですよね?」
「「元」な。今は「バーストマン」って名前のヒーローがワルザールの妨害をしているらしい」
「それじゃ…」
「おい貴様ら!便器は完成したか?」
「は、はい!こちらですジーク様!」
「ほぉ、人権無視というレベルではないな…上出来だぞ」
「ありがとうございます!今は麻酔で気持ちよさそうに寝ていますが、時期に目覚めるでしょう」
「ブレス…おっと、シュウゴの目が覚めたら鏡で自身の惨めな姿を見せてやれ」
「し、しかし…スグに精神崩壊するかもしれませんよ?」
「安心しろ。我に考えがある…」
人体改造ってか…便器に体埋め込んだ程度かww(スイマセン
「えっ?アイツはブレストマンなんですよね?」
「「元」な。今は「バーストマン」って名前のヒーローがワルザールの妨害をしているらしい」
「それじゃ…」
「おい貴様ら!便器は完成したか?」
「は、はい!こちらですジーク様!」
「ほぉ、人権無視というレベルではないな…上出来だぞ」
「ありがとうございます!今は麻酔で気持ちよさそうに寝ていますが、時期に目覚めるでしょう」
「ブレス…おっと、シュウゴの目が覚めたら鏡で自身の惨めな姿を見せてやれ」
「し、しかし…スグに精神崩壊するかもしれませんよ?」
「安心しろ。我に考えがある…」
人体改造ってか…便器に体埋め込んだ程度かww(スイマセン