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Secret Garden 虐げられた猫族 第三話「新たな道」
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虐げられた猫族 第三話「新たな道」

本能が爆発し、お互いにハチャメチャになった後、二匹はコスタスの部下に連れられマタタビ亭のステージ裏にある鉄檻に一糸纏わぬ全裸姿で閉じ込められていた。

「ミケ、さっきはゴメン。なんか途中から訳わかんなくなっちゃって…」

「気にしなくていいよ。猫族はHなことになると理性がぶっ飛んじゃうし」

先程のやり取りを思い出しながら、レイトはミケに背を向けて股間を隠すようにして体育座をしながら、シュンと顔を両足の間にグッと埋める。一方、ミケの方は場慣れしているせいもあって、キョロっとした顔で恥じることなく猫族の習性だからとレイトを励ます。

「…今日以外でHなことなんてしたことあるのか?」

ミケの呆気ない態度に突っ込むレイト。

「レイトだって1人でたまにやってるんじゃないの?」

「えっ?…あぁーアレね。でも、まだミケはやる様には見えないんだけど」

ミケの言葉に自分の自慰行為を脳裏に浮かべると、レイトは若干頬を赤く染めながらそう言い返す。

「子供扱いするなよ!………ところで、レイトはどうして僕を連れ戻しに来たの?ここが危険な所だって知ってたんでしょ?」

「そりゃ、お前が俺の友達だからだよ。友達が酷い目に会うって分かっていて放っておく奴はいないだろう」

「だからって、そんな姿にされてまで…」

「でも、これで完全に上下関係無くなっただろう?これからは本当にミケと対等で居られる」

自分のせいだと落ち込むミケに、レイトは特に気にしていない様な素振りでミケにそう告げる。

「僕は…僕は別にレイトが猫族でも人間でもどっちでもいいよ…」

内心では、ミケもレイトの様に考えていない訳では無かったのだが、口には出さないレイトの落ち込んだ背中を見ると、ミケは「そうだね」とは安易に言えなかった。

「まぁ、何にしても…とりあえずココから脱出する方法考えないと。毎日、変態共の前でミケが甚振られるのなんて見たくないし」

「僕だったレイトが酷い目に遭う姿なんて…でも、どうやってココから逃げ出すの?」

「それは考え中…だけど、もしさぁ…無事に逃げ出せたらミケの故郷に連れてってくれよ。猫族の姿じゃ街で暮らして行けないし」

脱出後、ミケの生まれ故郷である猫族の里に連れて行けというレイトの言葉に、少し戸惑いながらもミケはにっこり微笑んで了承する。

「…いいよ。まだ在ればだけど、逃げ出せたら僕の家に招待してあげるね」

ガタっ!

二匹の落ち込んでいた雰囲気が晴れかかったちょうどその時、二匹以外はだれも居ないハズの空間に第三者の存在を告げる物音が鳴り響く。慌てるミケに対し、レイトは物音のした方を鋭い目つきで睨む。

「誰だ?コスタスか?」

「…です。私です!」

薄暗いステージ裏に突如として現れたフード姿の男。男はレイトに慣れなれしく接近してきたと思ったら、二匹が入れられている檻の前で立ち止まり、頭を覆っていたフードをずり下げて顔を露わにする。

「っ!お、お前は…ゴードン!!どうして…」

なんと、フードの男の正体は猫の家の店主であると同時にレイトのお目付け役でもあるゴードンだった。どうやらマタタビ亭から中々戻ってこないレイトを心配して、こっそりマタタビ亭に侵入していた様だ。

「坊ちゃん!その姿は…通りで客間に居ない訳だ。コスタスの奴に「猫賢者の悪ふざけ」を飲まされたんですね。…でも、安心してください坊ちゃん!「逆転の口付け」を急いで用意しますから」

レイトの変わり果てた姿に驚くゴードンだが、特殊な薬品の知識があるのか、二匹が聞いたことも無いような薬の名前をペラペラと口にする。

「逆転の口付け?人間に戻れるのか?」

「勿論ですよ。少々値が張る品ではありますが、坊ちゃんのため…」

「なぁ、ゴードン。それをミケの分も用意してくれ。猫族にも効果あるんだろう?」

「はい……ってえぇえええぇえっ!?」

ミケの分も、というレイトの発言に言葉を失うゴードン。

「レイト?」

「確かに猫族にも効きますが…そいつに飲ませてどうするんですか?勿体ないですよ!」

猫族を普段から見下しているゴードンにとって、レイトの言っていることは到底納得できない要求であり、ゴードンは頑なにレイトの要求を拒む。しかし、逆にレイトも一歩も引かぬという姿勢を貫くつもりなのか、ついにはとんでもないことを言いだし始めた。

「…用意出来ないなら家には帰らない」

「なっ!えぇ!ちょ、坊ちゃん!?何を言い出すんですか?」

「レイト!」

「ミケは黙って…さぁ、ゴードン。二人分用意してくれる気になったか?」

「どうだ」というような、高圧的な態度と眼差しでゴードンを見つめるレイト。

「ぐっ…」

自分の主人であるロードナルの一人息子レイト。お目付け役のゴードンにとっては自身の身より大切な人物だ。万が一にも失うようなことがあれば、当然自分の身も只では済まされないだろう。そんな考えが刹那の間にゴードンの脳裏を横切った。

「うぅ……わ、分かりましたよぉ坊ちゃん。二人分用意させてもらいます…」

結局は猫族がどうこう以前に、自身の身も危険だと感じたゴードンは早々に折れることに。

「分かればよろしい♪」

ガクリと項垂れるゴードンとは対照的に、万弁の笑みを浮かべてミケにⅤサインを出すレイト。ちなみに、レイトは露わになった股間の小振りな物体を隠し忘れるほどに浮かれていた。

「でも、坊ちゃん。そいつを人間にしてどうするんですか?」

「…そうだなぁ…俺の弟にでもするかな…」

「弟ぉお!?」

「僕がぁ!?」

ミケとゴードン、一人と一匹は同時に同じようなリアクションで驚く。

「そ、それは絶対に駄目です!弟は駄目です!従業員として雇うとか…召使にするというだけでも抵抗があるというのに…何より旦那様が黙っていませんよ?」

「そうだよ、レイト!レイトが僕のことを対等に見てくれるのは嬉しいけど、弟はちょっと…」

「なんだよ、俺の弟になるのが嫌なのか?それとも…実は俺より年上だったとか?」

「どっちも違うよ!僕はレイトの友達で居られるだけでいいからさぁ…」

流石にレイトの弟になるのは気が引けるのか、ミケもレイトの意見に賛同はしなかった。だが、どことなくその表情には笑みが混じっていた。

「でも、家族になればミケだって贅沢できるんだぜ?これからは恥ずかしい格好しなくても、好きなように好きな格好で踊れるようにもなるし…」

「それは…」

「それだけは了承できませんからね!…って、聞いていますか坊ちゃん?」

二匹の会話に割って入り、改めてレイトに向かってそう告げるゴードン。その後も危機的状況にも関わらずに口論は継続されたが、ミケも積極的ではないということでミケをレイトの弟にするという話は無くなった。

そして、ようやくゴードンはレイトを人間に戻すために「逆転の口付け」をミケの分含む二匹分用意するために急ぎ足でその場から立ち去る。



「はぁ、でも…こんなに早く元に戻れるなんて…ミケも人間になれるしね」

猫族として暮らしてもいいと言っていたレイトだが、やはり人間の姿が恋しかったのか、元に戻れると分かって安堵するレイト。

一方、ミケの方はこの世界では上位種気取りの人間のことを良い様には思っていないが、実際に自分自身がその人間なるということで複雑な心境を抱いていた…

「う、うん…でもさぁ、僕は本当に人間になれるのかな?」

「大丈夫だって!現に「猫賢者の悪ふざけ」ってクスリは俺を猫に変えちゃった訳だしさぁ」

「……チミ達。なんだかさっきから随分賑やかだねぇ~」

突然響き渡る災厄の声。それはレイトやミケを性玩具として弄ぶコスタスの声だった。

「っ!!」

「コスタス!」

「さぁ、もうすぐショーの時間だよ」

「くっ…」

檻越しに不気味な笑みを浮かべながら二匹を見下ろすコスタス。だが、その様子から、どうやら先程のやり取りは聞かれずに済んだ様だ。しかし、ゴードンがクスリを持ち帰る前にコスタスがショーの開始を宣言するという絶対絶命な状況に追い詰められた二匹。

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