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Secret Garden 2024年08月
2ntブログ

終了でーす

あっという間に月末で、なんだか夏モードが萎えそうだったので水着関連の短編を投稿しました!
 
■更新
こちらカジノの更新です。
 
こちら2話予定の短編です。
 
■コメント返信
ちょっとリクの内容と違うかもですが、水着関連の短編を投稿しました!後半では三人が部員達にメチャクチャにされてしまう予定です。

かれこれ

お盆にやっとファフナーの新しいのをまとめて見れたんですが、個人的にはモヤモヤが残る結末でした!
 
やっぱり、どうしても新キャラのマリスが無理!最後まで見ても無理だったなぁ。
 
あとはアレスにはもっと戦闘で活躍して欲しかった!EXODUS前期の英雄二人?を越える感じを期待してたんですが、総士メインな感じだったからしょうがないけど…
  
最後に一番ツボったのが零央くん…いや、零央さん!メッチャイケ兄になっとるやん!EXODUSではショタ枠だったのに!!何故か最推しになってましたw惚れた…
  
という感じで久々にまともにブログ更新できた気分です。
 
■更新
カジノを更新しました!
今回は2話更新です。
 
それと別枠で屈辱監獄のリク更新になります。
 
■コメント返信
マニアックだなんてそんな…ここの変態性癖ラインナップに比べれば全然ですよ!夏が終わるまでには仕上げますね!

未成熟な刃

ある晴れた日。
 
俺とルゥとクランの三人は当番で川に水汲みに来ていた。
 
俺達は同じ盗賊団のメンバーとして活動している仲間で、こうして互いに助け合って暮してる。
 
だけど、どうにもこういう仕事は苦手だ。
 
特にこの二人と一緒だと、尚更それを感じる訳で―
 
 
「おい! 遊びに来たんじゃないんだぞ!」
 
 
大きな樽に水を注ぎながら、川岸から川の中で水遊びをしているルゥとクランの二人を注意するアラド。
 
最初は真面目にリレー形式で川の水を汲んでいた二人だが、いつの間にか服を脱いでサボり始めてしまったのだ。
 
 
「ちょっと泳いでるだけじゃん! アラドも一緒に泳ごうよ!」
 
「そうそう! 少しぐらいいいでしょ? そりゃ!!」
 
 
二人は反省する処か、逆に開き直ってアラドを水の中に誘い出そうとする。
 
そして、その際にルゥが何かの力を行使すると、水中から大きな水の塊がアラド目掛けて一直線に飛んで行く。
 
 
「なっ!? ぶはぁ!! ぐぅ…うぅ………くそぉ………やりやがったなぁルゥ!!」
 
 
バシャンと大きな水の弾ける音が周囲に響き、ルゥの放った水の塊がアラドを直撃。
 
不意の一撃でアラドの身体は一瞬でびしょ濡れになり、それに怒ったアラドはその場で濡れた服を脱ぎ捨て、まんまと二人の思惑通りに動いてしまう。
 
そして、気付けば当番の水汲みを完全に放置して水遊びを楽しみ始めてしまう三人。
 
その日は幼い二人のメンバーの引率も兼ねていたハズのアラドだが、アラド自身も年齢・精神的にもまだまだ子供だったのだ。
 
 
(はっ! ヤバい!! 帰ったらリーダーにはなんて説明しよう。ってか、そもそもルゥの出す水が飲めれば水汲みなんて必要ないのになぁ)
 
 
二人を叱るために追い回していたハズが、気付いたら鬼ごっこをさせられていた俺。
 
もうリーダーに怒られるのは確実で、それならとことん遊んでやろうと思った。
 
 
「ぷはぁ! 気持ちイイ! ……そうだ! ねぇ、アラド!魚でも持って帰ればリーダーに怒られずに済むんじゃない?」
 
「おい、なんで他人事なんだよお前は!」
 
「でへへ♪ ……そういえば、ホントにアラドのってデカいよなぁ。オイラのもデカくなるかなぁ」
 
 
水遊びの最中、何気なくクランがジッとアラドの股間にぶら下がっているモノを見つめながらそう呟く。
 
アラドは俗に言う巨根の持ち主であり、クランはそれに少し憧れていたのだ。
 
だが、アラド自身はそれに触れられるのを余りよく思っていなかった。
 
 
「大きくても良いことなんて何も無いぞ、周りからは嫉妬されるしイジられるし」
 
「えーそうなの?」
 
「そうそう、アレックス先輩なんて完全に俺のチンコに嫉妬してるしね」
 
 
透き通った水面の上で腕を組みながら、ある盗賊団メンバーの名前を上げるアラド。
 
アレックスはアラドよりも年上の団員であり、ことあるごとにアラドの巨根を茶化していたのだ。
 
アラドはそれをアレックスの嫉妬と思っていた。
 
何故なら、アレックスのモノが年の割に小振りで小さかったからだ
 
すると、二人のやり取りを傍で聞いていたルゥがニヤニヤ笑みを浮かべながらこう告げる。
 
 
「へーそうなんだぁ…帰ったらアレックスさんに報告しておこっと♪」
 
「ってルゥ! 今のはその……なんだ……ほら、誤解だ!!」
 
「え~誤解なのぉ? 」
 
「ぐぅぬぬ!! ―ん? どうしたクラン?」
 
 
ルゥが年上のアラドを手玉に取っている最中、何故かジッと対岸の方を見つめていたクラン。
 
アラドはそんなクランに気付いて声を掛けるが、直後にクランが声を出して対岸をサッと指さす。
 
 
「ねぇ、あれ! ほら見て!!」
 
「ん? なんだ?」
 
 
クランが指さした川の対岸には、大勢の兵士の姿があった。
 
その兵士達は色々な意味で俺達がよく知ってるドゴラ帝国の兵士で、何やらまた弱い者イジメをしている様子だ。
 
しかも、大勢で囲っているのは俺達くらいの子供だった。
 
 
「ちっ、帝国のヤツ等か…それに相手は子供じゃないか…俺、ちょっと行ってくる」
 
「あ、待ってよアラド! 服は!?」
 
 
対岸のトラブルを放っておけず、ルゥの制止も聞かずに素っ裸のまま対岸に向かって泳ぎ始めるアラド。
 
そんなアラドを呆れ顔で見つめるルゥだが、直後にクランもアラドの後を追い始めてしまう。
 
 
「もぉ! 脳筋なんだからぁ…」
 
「オイラも行ってくる!」
 
「ちょ、クランまで!? 待ってよ!! あーもう!」
 
 
こうして成り行きで三人は、揃って向こう岸に向かって泳ぎ始める。
 
一方、対岸では大勢の兵士による幼い少年達への尋問が行われており、その内容は理不尽かつ私刑に近い状況だった。
 
周辺地域を支配しているドゴラ帝国と呼ばれる大国は、支配した地域を属州として統治しているのだが、統治とは名ばかりの状況が長く続いている。
 
また、日常的に支配地域では暴力行為が横行しており、アラド達の所属している盗賊団はそんな帝国と敵対関係にあったのだ。
 
それ故に少年達を放っておくという選択肢も皆無だった。
 
 
「ほら、早く服を脱いでチンポ晒しながら土下座しろ。その後は俺の靴でも舐めてもらおうかなぁ」
  
 
帝国兵は川辺にいた三人の少年を大勢で囲い込み、その場で辱めようとしていた。
 
一方、アラド達と同様に水汲みの最中に偶然鉢合わせた兵士達に難癖を付けられた少年達は、その場に四つん這いになって必死に許しを乞う。
 
 
「うぅ…勘弁してください…俺達…水を汲みに来ただけなんです…」
 
「るせぇ!! 誰がそんなコト許可した! このゴミ屑め! 全員捕まえろ…中には高く売れるヤツも居るだろう」
 
 
そもそも兵士は少年達を見逃す気がなく、逮捕した上で小遣い稼ぎに人身売買まで企んでいた。
 
実は帝国の支配地域では何故か美少年が闇で高額取引されており、こんな光景もよくある日常の一コマと化してしまっていたのだ。
 
そして、余りの理不尽な扱いに一人の少年が癇癪を起す。
   
 
「っ! それが人のすること―っああぁ!!」
 
「口答えするな! いいか、ここは属州だ! つまりお前達は帝国の奴隷なんだよ。ド・レ・イ!」
 
 
少年が反攻しようとした直後、その頭が隊長格と思われる兵士の汚れたブーツで地面に押しつぶされる。
 
兵士はそのまま容赦なく、楽しそうに少年の頭をグリグリとブーツの裏で踏みつけ続けた。
 
 
「うぅ…奴隷じゃないぃ…うぅ…俺達は人間だぁ…奴隷なんかじゃ…」
 
「生意気なヤツめ……コイツ殺すか? ちょうど新調した剣の切れ味を試してみたかったんだよなぁ」
 
「っ!?」
 
 
暴力に屈することなく、勇敢に兵士に挑む少年。
 
兵士はそんな少年に苛立ち、新調した武器の切れ味を試そうと腰の鞘から剣をスッと引き抜く。
 
だが、次の瞬間にアラドの声がその場に響いた。
 
 
「やめろ!」
 
「あぁん?」
 
 
一糸纏わぬ全裸姿のまま、対岸から川を泳ぎ切って兵士達の前に姿を現すアラド。
 
すると、川岸で少年をいたぶっていた兵士が足を下ろし、アラドを睨みつけながら近づいてくる。
 
 
「おい、なんだクソガキ。テメェどっから出て来た? で、何をやめろって? 素っ裸で偉そうにしやがって」
 
「弱い者イジメはやめろって言ってんだよ…クズ」
 
「っ!? んだとぉ!―ってお前っ! それ…くぅ!!」
 
 
強気なアラドに苛立ちを募らせる兵士。
 
その際、たまたま視界に入ったアラドの股間にぶら下がっている立派なモノに視線を奪われる。
 
それは成人男性が見ても立派なモノであり、アラドのモノと比較して自身の残念なモノを思い浮かべて勝手に嫉妬した兵士は、アラドのモノを指さしてこう告げた。
 
 
「毛も生えて無い子供が生意気にデカいのぶら下げやがって」
 
「っ!?」
 
 
兵士の言葉にビクンっとアラドが反応する。
 
 
(は? なんでこんなヤツに…こんなヤツに俺の―)
 
 
俺のアレをネタにしていいのは仲間だけだ。
 
ホントは少し痛めつけるだけにしてやるつもりだったけど、予定変更。
 
コイツはぶっ殺す。
 
 
「フン、このままギチギチに縛って指揮所に連行し、兵士全員に奉仕でもさせ―」
 
 
兵士が何かを喋り終える前に、アラドが目にもとまらぬ速さで放った蹴りが兵士の顔を押しつぶす。
 
当初は手加減するつもりだったアラドだが、逆鱗に触れられて感情を爆発させてしまったのだ。
 
そして、次の瞬間には遥か遠くの岩肌に兵士の身体は叩きつけられていた。
 
 
「っ!?」
 
 
その場に居たアラド以外の全員が呆気にとられ、ザーッと清流が流れる音だけがその場に響く。
 
 
「………あれ? まだ生きてる? まぁ、ほっとけば死ぬか」
 
「な、なんだコイツ!?」
 
「落ち着け! 相手は丸腰だ……包囲して仕留めるぞ」
 
 
アラドが言葉を発したのを皮切りに、予想外の事態に慌てふためく兵士達。
 
数ではまだ圧倒的に優位であり、しかも対峙しているのは全裸の子供が一人。
 
それでも不意打ちで戦闘不能になった兵士の状態から、嫌でも本能的に恐怖を感じざるを得なかったのだ。
 
だが、まだ士気能力のある兵士は数人健在であり、浮足立った兵士達をまとめてアラドを囲うように指示する。
 
 
「まぁ、川で遊んでた言い訳はできそうだな。ってか、俺とやる気かお前ら? 今の見てなかったのか? 死ぬぞ?」
 
「ぐぅ! バカにするなぁ! 死ねぇ!! っ!?」
 
 
アラドを囲っていた兵士の一人が、剣を振り上げて切りかかろうとする。
 
だが、その際にアラドが襲い来る兵士を迎え討つよりも早く、兵士の身体に異変が起こった。
 
なんと、その兵士の全身が一瞬で凍り付いてしまったのだ。
 
その様子はまるで永久凍土から掘り出された氷漬けの死体の様であり、まさかの異常事態に兵士達の絶叫が周囲に響く。
 
 
「ひぃ! こ、凍ってる!? 今度はなにが起きたんだ!!」
 
 
突如、横に居た仲間が氷漬けになって錯乱する兵士。
 
すると、アラドはいつの間にか後方に居たルゥの方に顔を向けてこう告げる。
 
 
「別に俺だけで大丈夫だぞルゥ。一人で十分だからさー」
 
「もう! そうじゃなくて! 僕も居るってわからせたいの! だって、さっきからアラドのことばっかで…折角こんな姿でわざわざ助けに来たのにぃ…」
 
「いやいや、そりゃ無理な話しだろ。今のコイツ等にそんな余裕ないって」
 
 
どうやらルゥのやつ、こっちに泳ぎ着いた後も兵士達に無視されていたのがムカついたらしい。
 
ホントにまだまだお子様だ。
  
けど、コイツの魔導はやっぱり侮れない…
 
 
(こりゃ、数年後が恐ろしいなぁ…) 
 
 
それはアラドの後を追ってきたルゥが放った氷系統の魔導攻撃による凍結だった。
 
ルゥは幼いながら強力な魔導と呼ばれる呪文攻撃を得意としており、触媒も不要で無詠唱で魔導を放てる神童なのだ。
 
先程、アラドに放ったものも魔導の力によるものである。
 
 
「ば、馬鹿な! リソースもナシでどうやってこんな高度な魔導を…相手は全裸だぞ!! あり得な―ガハッ!!」
 
「ど、どうした? っ!! ゴフっ!!」
 
 
高度な魔導攻撃を前にして混迷極まる兵士達だが、その最中に今度は次々と口から吐血して倒れ込んでいく兵士達。
 
一瞬で四人もの兵士がその場で息絶え、最後に絶命して倒れた兵士の傍らにはクランの姿があった。
 
 
「…あのさ、オイラも一緒だってこと忘れないでね。二人ばっかりズルいよ」
 
 
手刀のみで兵士の急所を貫き、瞬時に絶命させたクラン。
 
クランは暗殺術を得意としているメンバーであり、歳の近いルゥに張り合って暗殺術を披露したのだ。
 
そして、ルゥとはまた違うベクトルでの周囲の凄惨な状況に呆れるアラド。
 
 
「いや、ズルいって…別に独り占めしたい訳じゃないんだけどなぁ。やり過ぎだぞお前ら」
 
 
俺としてはちょっと脅かして、後は追っ払うだけでいいと思ってたんだけど、どうやら二人はガチで皆殺しにするつもりらしい。
 
 
(まぁ、別に相手は帝国の人間だからどうでもいいけど…)
 
 
アラドとしては大事にするつもりはなかったのだが、幼い二人は自分達の力を誇示しようとして張り切っていた。
 
だが、そもそも性器のコトで苛立った挙句、ほぼ全力で兵士を蹴り殺したアラドの一撃が二人の競争心に火を付けてしまったことを本人は全く自覚していなかったのだ。
 
 
「ば、化物だ! 逃げろぉおぉおぉおぉ!!」
 
 
僅かな時間の間に複数の兵士が惨殺され、生き残っている兵士達は恐慌状態に陥ってしまう。
 
次の瞬間には我先に戦闘を放棄して逃げ出す兵士達だが、そのほとんどがルゥとクランの【競争】に巻き込まれて血祭りにされてしまった。
 
 
「……えっと、17人で僕の勝ち!」
 
「範囲はズルいだろ! 減点だ減点!!」
 
 
あっという間に戦闘は集結し、その場は兵士の死体の山で地獄絵図と化す。
 
一見すると少年達は無邪気に惨殺行為を楽しんでいるように見えるが、それも帝国の圧政が生み出した歪みの一つだった。
 
 
「はぁ、結構エグイことするなお前ら」
 
 
多分、ここにリーダー…ロイさんが居たら二人を叱っていただろう。
 
だけど、俺には二人を叱ることなんて出来なかった。
 
ロイさんは憎しみを広げたくないって言うけど、俺は絶対に帝国を許さないし許せないからだ。
 
 
多少は力の使い方を理解していたアラドだが、過去の悲惨な経験から帝国への憎しみは未だに心の奥底で燻っていた。
 
故に二人の行為を叱ることも出来ず、黙って見まもっていたアラド。
 
 
「ふん、帝国の連中に情けなんて不要だよ。それに僕は氷漬けにしただけだ…クランよりマシでしょ」
 
「えー! これでも痛くないように殺してるんだけどなぁ…」
 
 
その場に数十人は居た治安維持部隊の兵士達は三人に漏れなく皆殺しにされ、談笑する三人の周囲はまるで大きな戦でもあったかのような様子だった。
 
すると、ここでようやくアラドが兵士に絡まれていた少年達のことを思い出す。
 
 
「あ、そうだ! ところで―あれ? さっきのガキ共は?」
 
「とっくに逃げたよ。アラドのデかチンが怖くてね」
 
「なっ! そうなのか!!」
 
 
ルゥは冗談交じりに少年達が逃げ出した理由をアラドに伝えると、それを真に受けたアラドが少しショックを受ける。
 
兵士達に絡まれていた少年達だが、戦闘の騒ぎに乗じて既に逃げ出していたのだ。
 
ちなみに逃げ延びた少年達はその後、フルチンの巨根少年が帝国をやっつけたとうい話を市内で広げることになり、ルゥの冗談がある意味では事実になってしまった。
 
 
そして、それからアラド達は水場が汚染されないように兵士の死体を片付けた後、再び対岸に戻ってアジトに帰ろうとするのだが、そこでアラドの意識がプツンと途切れてしまう。
 
 
「―はっ!? あれ? ここは…」
 
 
バッと薄汚れたベッドの上で上半身を起こすアラド。
 
直前まで見ていたのは夢の世界での出来事であり、今いる薄暗い独房のような場所こそがアラドにとっての現実だった。
 
そこはドゴラ監獄と呼ばれる囚人の収容施設であり、とある理由でアラドはその監獄に収監されていたのだ。
 
しかも、アラドが居るのは子供だけが集められた通称SSS区画と呼ばれる特殊な区画であり、そこでは囚人は服を着ることも許されず、首には窮屈な金属の首輪を装着させられながら恥辱塗れの収監生活を送らされていた。
 
それに加えて、今は盗賊団だった頃の記憶も力も奪われていたアラド。
 
 
「なんだよ…まだ夜じゃないか……悪夢でもないのなんで…ってか、また俺は……」
 
 
最近、よく夢を見る。
 
俺はずっと一人で生きてきたハズなのに、何故かよく囚人仲間のルゥやクランとつるんで暴れる夢を見るんだ。
 
それは過去の出来事のような感じがして、無意識に俺もそれを過去と認識していた。
 
それに、二人以外にも大勢の仲間が居たような気もするんだ。
 
 
(最近は特に多いな…どうなってるんだ……)
 
 
偽の記憶を植え付けられていたのはアラドだけではなく、仲間のルゥやクランも同じように扱われていた。
 
だが、偶然にも監獄内で過去のアラドを知る人物との接触を切っ掛けにして何かを思い出しかけていたアラド。
 
以降、アラドは夜な夜な過去の夢を見る様になり、徐々にその頻度は増えていく。
 
そして、この日は真夜中に目覚めてしまったアラドだが、それはある訪問者の接近に伴う反射的な反応だった。
 
 
「…起きてるかアラド?」
 
「っ!?」
 
 
寝ぼけ眼でアラドが天井を見上げていると、何者かが鉄格子の外からアラドに声をかける。
 
その声はアラドにとって聞き覚えのある声であり、慌てて声の方に視線を向けるアラド。
 
そして、廊下にある蝋燭の照明に照らされた一人の少年のシルエットが視界に映る。
 
 
「…ロイ? どうしたんだこんな真夜中に―」
 
 
牢の外から声がすると思ったら、そこに居たのは模範囚のロイだった。
 
ロイは俺達の囚人グループのまとめ約で、看守達の性奴隷(ペット)になることを選んだ変態野郎だ。
 
どうせ今日も遅くまで看守に腰でも振っていたんだろう。
 
だけど、こんな時間に俺になんの用だろうか。
 
 
「これを―」 
 
「?」
 
 
わざわざ呼び掛けて来た理由をアラドがロイに問いかけようとした瞬間、無言で青色に輝く結晶片のようなものを鉄格子越しにアラドに差し出すロイ。
 
すると、アラドは何かに吸い寄せられるようにしてそっと手を伸ばす。
 
そして、指先が結晶片に触れた瞬間、カッと強い輝きを放つ結晶。
 
次の瞬間には結晶は跡形もなく消え去り、同時に頭を抱えるアラド。
 
 
「っ!? うぅ…ぐぅ…俺は…俺は…!!」
 
「何か思いだしたかアラド? 全部は無理だったが、それで力だけでも取り戻せたハズだ」
 
 
確かに全部じゃない。
 
だけど俺は【俺】を思い出せた。
 
それと一緒に体が震える。
 
アイツ等を…看守共を八つ裂きにしてやりたいと…
 
 
「……あぁ、問題ないよロイさん。とりあえず看守を全員殺す」
 
 
記憶の補完が行われ、失っていた大部分の記憶を取り戻したアラド。
 
仲間達のことも思い出し、それと同時に監獄の看守達への復讐心が一気に燃え上がる。
 
そんなアラドの様子にロイは安堵の笑みを浮かべながら、この後の計画をアラドに伝えた。
 
 
「慌てるな。とりあえずクランとルゥのことは任せたぞ。明日、ここで騒ぎが起きるハズだ…そしたらみんなで脱出だ」
 
 
脱出の計画を伝え、足早にその場を去ろうとするロイ。
 
その際、アラドはロイが自身が知っているロイなのかと尋ねる。
 
 
「なぁ、ロイさんは…リーダーはずっとリーダーだったのか?」
 
 
すると、ロイは黙ったまま頷き、アラドにリーダーとして救出が遅れたことを謝罪した。
 
また、その瞬間にアラドはある程度の事情を察して涙目になる。
 
 
「……そうだ。……遅くなってすまない……」
 
「っ!? いや、うぅ…お、俺の方こそ何もできなくて……ゴメン…ありがとう……そうだ、他のみんなは無事か? アレックス先輩とか…」
 
「アレックス、ロック、ライアンは居場所が分からない。けど、明日の騒ぎに乗じて助けるつもりだ。とにかく二人を頼む」
 
 
リーダーはそう言って消えてしまった。
 
もっと色々聞きたいこともあったけど、今の俺に出来るのは明日の騒ぎに備えてたっぷり寝ることだ。
 
それで、明日には全員皆殺しだ。
 
 
(…ここから出たら、今度はみんなで泳ぎにいきたいな―)
 
 
ロイが去って程なくした後、明日の決起に興奮しながらも無理やり眠りにつくアラド。
 
こうして密かに監獄からの脱出計画が進行し、盗賊団の反逆の時が間近に迫る。

久しぶりに

本日から新作を投稿していきます!
 
ファンタジー系は久々ですが、今回は最終回までの内容を事前に決めてみたので全10話程度の予定で連載していきます。
 
それとクソ久々にイラストも書いたりしてます。出来れば完成させたいですね。
 
202408171813161dd.jpeg
■更新
 
■コメント返信
VR最後まで読んでいただきありがとうございます!新作に加えて短編もまた追加していくので、何か希望あれば追々書かせてもらいます。

夏休み

言うほど夏休みでもないですが、少しゆっくり出来ればと思ってます。
 
■更新
VRが今回で最終回になります。結構中断もあったりで話がブレしまったのは残念でしたが、また次に活かそうと思います!
 
 
それと今回は短編も夏ネタで一本投稿しました。
内容はイチャラブ寄りでかなり大人しめです。
 
 
それと次回から久々にファンタジー系の連載予定です!
 
■コメント返信
VRは今回で終了ですが、短編と一緒に楽しんでもらえれば嬉しいです!

なんとか

既にUP済みですが短編の後半を投稿しました。週末に終わってよかった!
 
また気分転換に書き足せるように連載形式にしてますが不定期か放置になると思います。
 
■更新
 
■コメント返信
来週は夏っぽい短編も考えてるのでそちらも是非!

まだ書いてます

書いていた短編が書ききれずに半分だけ投稿しました!もう後半も今週中には終わらせたい…
  
■更新
短編の前半部分になります。
今回は普通に成人なんですが、合法ショタ化的な感じですかね!
 
  
■コメント返信
ガリガリ勢いで短編を書いていたら想像以上に長くなってしまったので今週は一本だけになりそうです!
プロフィール

blue‐flag

Author:blue‐flag
Spec:2次ショタ大好きショタコン学生→オッサンに進化!

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