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Secret Garden たまにはキミから誘って (炎熱)
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たまにはキミから誘って (炎熱)

机の上に置かれたPETを、椅子に跨りながらジッと見つめる熱斗。どうやら、愛しの彼からの着信を待っているようだ。


「熱斗くん…何時までそこで待ってるの?炎山から連絡なんて来ないと思うよ…絶対」

「だってさ、いつも俺からばっかじゃん!だから、今日は俺から連絡しないで待ってんだよ」

炎山と熱斗、二人がプライベートなことで会う場合は、常に熱斗からの連絡で成り立っている。付き合い始めても同じで、炎山から私的な要件で通信やメールなどは送られて来たことは一度も無い。



「……」

熱斗が炎山からの連絡を待ち始めて、既に6時間が経過していた。ギンギンに輝いていた太陽は沈み、窓の外は真っ暗。長時間放置されたのが原因なのか、ロックマンも珍しくスリープ状態に入っている。

「炎山の馬鹿…」

結局その週の週末、炎山からの連絡は一度も来ることはなかった。





-翌日

授業中、科学省からの緊急の呼び出しがあり、熱斗は急ぎ学校を抜け出し、街に突如出現した獣化ウイルス軍団の退治に向うことになった。

「くぅうう!あと10分で給食だったのに~!」

「熱斗君!そんなことはいいから現場に急ごう!」

「はいはい、割切りますよ…よし、行くぞロックマン!」

やがて何ブロックか進むと、ようやく熱斗は事件現場に辿り着き早速CFする。しかし、CFロックマンの前には想像以上の量の獣化ウイルスが実態化していた。

「こ、こんなに!?」

「熱斗くん、しかも一個体の性能が高いよ!」

実態化したウイルスは以外に手強く、CFロックマンは苦戦を虐げられ。やがて、ジワジワとウイルスの物量に押され、遂にCFロックマンは周りをウイルスに取り囲まれてしまった。まさに絶体絶命の状況…しかも、起死回生のプログラム・アドバンスもハイパーバーストの組み合わせしか残っておらず、熱斗は窮地に追いやられる。

「このままじゃ…」

「エリアスチール!」

「うわっ!」

「プログラム・アドバンス!ドリームソード!」

大量の獣化ウイルスは、何者かが放った強力なプログラム・アドバンスにより全て一掃された。CFロックマンはその光景をポカーンとした表情で眺めている。

「す、スゲー…」

ふと、自分を救出し、さらに獣化ウイルス軍団を全滅させた人物の方を見ると、そこにはなんとCFブルース-愛しの炎山が立っていた。

(え、炎山!?)

やがて、ディメンショナルエリアが解除され、二人はCFが解除されて元の姿に戻った。この後、いつもなら炎山に抱きつく熱斗だが、今日は不貞腐れた表情で炎山を鋭く睨みつけている。炎山は、自分に向けられている鋭い視線に気づき、熱斗の方に振り返る。

「…どうした熱斗?…なぜそんな顔…」

「…うるさいっ!!俺の邪魔すんなよ炎山!せっかく敵を一か所に集めて、プリズムとスプレッドガンの拡散反射で全滅させようと思ったのに!」

熱斗は咄嗟に思いついた攻略法を炎山に言い放ち、助けなど要らなかったかのように炎山を怒鳴り付けた。(この日はプリズムのチップを既に使用済みだった)

「そんなにムキにならなくてもいいだろ?」

突然、物凄い権幕で怒り出す熱斗に驚く炎山。理由は分からないが、炎山なりに熱斗の機嫌を取ろうと話し掛けるが、熱斗はさらに意味不明な発言を続ける。

「とにかく炎山なんて大嫌いだ!もう二度と俺の前にそのツラ出すなよ……馬鹿…」

流石の炎山も、こう一方的に訳もわからず好きな人物に怒鳴られて耐えられる訳もなく、遂に炎山も熱斗の態度にブチギレた。

「お前何様だ!?いい加減にしないとゆるさないぞ…さぁ、謝れ」

「はぁ?謝るのはお前だろ?馬鹿、アホ、成金………」

「なっ…」

思いつく悪口を言えるだけ言うと、熱斗は炎山に背を向け、一目散に何処かに向って走りだす。

「お、おい!熱斗!………待てよ!」

しばしの沈黙の後、炎山は熱斗を捕まえようと追いかけ始めるが、既に熱斗の姿を見失ってしまっていた。PETで連絡を取っても拒否され、とりあえず炎山は熱斗のことを後回しにすることにして、この場は商談相手の待っている自社に戻ることを選択。ブルースに待たせてある車を回すように指示を出す。


一方、熱斗の方は……

当然のように、熱斗は炎山が自分を追いかけて来てくれていると思い込んでいて、先ほどの現場から200メートルくらいの場所にあるベンチに腰かけ、炎山が来るのを今か今かと待っていた。

「何やってんだよ炎山の奴、さっさと来いよ……あ…」

その時、熱斗の目の前の道路を猛スピードで駆け抜ける、よく見慣れた黒いリムジン。間違い無く炎山の乗ったリムジンだろう。その車は熱斗を一瞬で追い越し、あっと言う間に見えなくなる。

「…炎山……」

「熱斗くん…」

呆然と車の消えて行った方向を眺める熱斗。やがて虚ろな表情でベンチから立ち上がると、何か言っているロックマンを無視して、トボトボと頭を俯かせて自分の家に向って歩き始めた。




「炎山の馬鹿…炎山の…」

家に帰るや否や、熱斗は自室のベットに潜り込み、枕に顔を押しつけてワンワンと泣き始める。熱斗のその様子を見るに見かねたロックマンは、自分ではどうしようもないと思い、本意では無かったが、渋々炎山の所に事情の説明に向うことにする。

「はぁ、炎山と別れてくれれば一番いいんだけどね…でも、しかたないか…」


ブツブツとボヤキながらロックマンは電脳世界を進む、やがてロックマンは炎山のPETの中に到着。さっそくブールスと接触して仲介してもらい、熱斗のことについて炎山に話し始めた。

「あのね炎山…熱斗くんは…」



ロックマンの説明により、ようやく一連の流れを掴んだ炎山。

「そうか、それであんな態度を…」

「昨日の今日だからね……熱斗くんの怒りも収まってなかったみたい」

「ロックマン、わざわざ済まなかったな…」

「別に…僕は熱斗くんの辛さを取り除いてあげたいだけだから。それに、僕は炎山のことは認めてないからねv」

不気味な笑顔で炎山に向ってそう言うと、ロックマンは炎山のPETからさっさと消えて行った。炎山は「認めてない」という言葉に苦笑いすると、何やらブルースに指示を出し始める。

「…その予定で頼むぞブルース」

「了解しました、炎山様。では、本社入り口に車を手配しておきます」

炎山は副社長室を足早に立ち去ると、正面玄関に待たせてあるリムジンに乗り込み車を出させる。当然行先は熱斗の家だ。

「まったく、かわいい奴だよ…」



-同時刻

その頃熱斗は、泣き疲れてスヤスヤとベッドの中で眠っていた。寝ている熱斗の薄い桃色のほおには若干涙の跡が付いており、お気に入りのバンダナも首元までずれ落ちている。時折、涙で濡れた枕に抱きつき、無意識に愛しい恋人の名を叫ぶ熱斗。

それからどれくらの時間が経過しただろ…部屋の中には夕暮れの明かりが射し込んでいた。やがて、熱斗が目を覚ますと、目の前には愛しの炎山が横たわっている。しかも、自分のことを黙って見つめているのだ。

…!?

「うわぁあああ!炎山!な、なんで?どうして?…んぁ」

なぜか自分の部屋に居た炎山の姿に驚き、熱斗は飛び起きた。しかも、炎山は困惑している熱斗にいきなり抱きつくと、いきなり熱斗のピンク色の唇に接吻する。

「んぅぅ…」

始めは炎山の求愛に抵抗していた熱斗だが、次第に炎山の甘い舌責めのテクニックに屈伏して行き、ついには自らの舌と絡めあわせクチュクチュといやらしい音を立て始めた。

「んぅうん…んぅ…んぁ…ぷはっ!…はぁ、はぁ……ところで…なにしに来たんだよ///」

長い接吻を終え、熱斗は若干照れながら炎山にそう尋ねる。その問に炎山は、「今更」というような顔をしながら熱斗の問いにやさしく答える。

「理由は無い…ただ、俺はお前にキスしてやりたかっただけだ。それと……熱斗、すまない。本当だったら、普段忙しい俺からお前に連絡を入れてやるべきだったな。少しお前に甘えていたようだ…」

「炎山?それって…」

「お前の友人が、俺に全部話してくれたぞ…」

(ロックマンが?アイツ…炎山が嫌いだったんじゃ…でも…ありがとう…)

熱斗は心の中でロックマンに感謝すると、炎山に思いっきり抱きついた。

「なぁ?反省してる?炎山?」

「許してくれるのか?熱斗?」

「まぁ、許してやってもいいけど…今度もし、暇が出来たらさぁ…俺と…」

「なんでもしてやるよ」

次の瞬間、熱斗が喋り終わる前にすべての要求を呑むと告げ、再び熱斗の唇に甘い接吻を行う炎山。

「んぁ…またぁ?んぅう…」

「しばらく齧り付いていなかったんでな……こっちもいいか?」

「んぁ…許可してないってば……炎山のH…v」

炎山は熱斗の上着を脱がせ、長そでのシャツを首元まで捲り上げると、今度は熱斗の小さな胸の突起物をゆっくりと舌で舐め回し、膨れ上がった物を甘噛みする。

「やぁ…噛むなよぉ……あんまりやり過ぎると…俺…」

「止めてもいいぞ?どうする?」

「……続ける///」

沸き上がる興奮を抑えきれない熱斗は、自らシャツを脱ぎ去り上半身裸になると、ベットに倒れ込むように横になった。その様子に見惚れる炎山。

「俺を誘ってるのか?」

「…解ってるくせに…意地悪v」

若干顔をニヤつかせ、熱斗の上に倒れ込む炎山。そして、熱斗の耳元で優しくこう呟いた。

「愛してるよ熱斗…」


「俺もだよ。宇宙で一番炎山を愛してるv」


「規模が大きな…」

…二人はその後、お互いの服をゆっくりと脱がし合い、小さなベットを軋ませながら、お互いの愛を確認し合った。







「チッ、早くスリープモードにならないかなぁ…あぁ…炎山なんか死ねばいいの…多忙で死んじゃえ…熱斗くんは僕だけの物なんだから…」

二人が愛を確認し合っている真っ最中、熱斗の机の上にある、青いPETから「強力なダークオーラ」が沸き上がっていたのは誰も知らない。



よくある話だな…現実でも、ついつい一方的になっちゃうんですよね。

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