恥辱塗れの優勝賞品
俺の名はカイト、俺は今から一世一代の大勝負を迎えようとしている。この試合に勝てば、俺はこの格闘世界の覇者になり、富と栄光を得られる……ハズだった。
「ここまで、なんと一撃で敵を葬って来た最強の闘士、カイト・グラインダーの登場だぁあああ!!」
司会の男がカイトの名を叫ぶと、会場からは大歓声が沸き上がる。そして、待機室からは声援に答えるように、カイトが会場に姿を現した。その姿は一見小柄で童顔だが、全身は強靭な筋肉の鎧に包みこまれ、体の隅々まで鍛え上げられている。
ここ、列剛の国では「漢羅蒙翔武道会」という格闘技の頂点を競う大会が毎年行われており、この大会の優勝者には「国王になる以外の願い」をなんでも国王が可能な限り叶えてくれるのだ。(一度優勝した場合は、以後10年間は出場できない)そして、いよいよ競技場では運命の決勝戦が始まろうとしていた……
「さぁ、無敵のカイトの対戦相手を紹介するぞ……ん?おおっと!これまた驚いた!なんと対戦者もここまで一撃で勝ち上がってきたつわものだぁあああああ!その名も、スピア・グラストスだぁああああ!」
控え室から現れたスピアに向って観客はカイトとの時と同等の大歓声を上げて、スピアを闘技場に招き入れる。スピアはカイトほどの筋肉は無いが、長身で美形タイプであったため、女性客の人気は凄まじかった。その黄色い声援に、スピアは両手を振りながら笑顔で答えている。
「アイツがスピアか……楽勝だな」
カイトは現れたスピアの姿を見て、咄嗟に自分以下の力量だと判断すると、表情に笑みを溢す。そして、二人がリングに上がり所定位置まで移動すると、ついに試合開始のベルが司会の手によって鳴らされようとしていた。
「さぁ、待ちに待った決勝戦、カイト・グラインダーⅤSスピア・グラストス……レディ…ゴーぉおおおお!!」
カァーン!
「…化…カイ…が…撃」 「マジかよ…あの…優勝…」
「お、俺は一体…くっ…体が動かない…」
気がつくと、カイトは全身をボロボロにされ、しかも全裸でリングの上に寝そべっていた。
会場は何やら騒がしく、すでにスピアの勝利宣言が行われている。
「な、なぜ?…俺が負けた?…そうだ、開始直後に……」
カイトとスピアの実力差は凄まじかった。試合開始直後、カイトはスピアの先制攻撃を受けて早々にダウン。その後スピアはカイトの服を引き千切り、カイトの首根っこを掴みあげると、会場の観客に向ってカイトの性器を晒しながらカイトの背中を気絶するまで殴り続けたのだ。
「くっ…クソぉ…」
先程スピアに与えられた屈辱を思い出し、涙を流し始めたカイト。その時、観客が一斉に大歓声を上げる。どうやら現国王の「ナイル・デ・ラブダルス」が観客の前に姿を現したようだ。
「そなたが今年の優勝者、スピア・グラストスじゃな?いやいや、そなたには驚かされたわい。…さぁ、お主の望みは何ぞな?」
国王は、さっそくスピアの願を聞いた。それに対し、スピアは誰もが想像していなかったことを願いとして口にする。
「陛下!私の願は…カイト・グラインダーを国家公認のペットとして頂くことです!」
「何!?…俺を?」
国王も会場の観客も、すべての人々が驚いた表情を浮かべるが、この場で誰よりもその発言に驚いたのはカイトだった。
「で、では…カイト・グラインダーの市民権を剥奪し、スピア・グラストスのペットとして扱うことを国で正式に許可しよう……だが、お主は本当にこれでいいのか?」
国王の問いかけに、スピアは黙って頷いた。その対応に会場の熱気は一気に冷め、観客が無言になってしまった。そこで、焦った司会はスピアのフォローに入る。
「な、なぁんてことだぁああ!今年の優勝者は何を考えているんだぁ!なんと優勝賞品に相手選手を指名!どういう意図があってのことでしょうか?個人的な怨恨か?それとも惚れちまったのか?とにかく意味不明だが、今年の優勝者はスピア・グラストスだぁあああ!会場のみなさん、彼に盛大な拍手をお願いしまぁあああす!!」
「うぉおおおおおおお!スピア!スピア!スピア!」
スピアの大胆発言で静まり返っていた会場は、司会者の冗談交じりのアナウンスの効果で再び盛り上がった。
「さぁ、行くぞカイト…」
全裸のカイトを脇に抱え、スピアは会場の声援に空いた手を振りながら答えると、自分の控え室に消えて行った。
スピアの控え室-
「なぜ俺を…それに俺は…お前のペットになんか絶対ならないぞ…」
「ふん、全ての国民が認めているんだぞ?お前は俺のペットだってな」
控え室のベンチに寝かされたカイトはスピアに向ってさっそく反抗しようとするが、スピアはあっさりとそれを退けた。
「ホラ、いつまで全裸で居るつもりだ?まぁ、俺はうれしいけどね…これを穿けよ」
スピアは全裸のカイトにパンツを差し出した。スピアに全裸姿を指摘されたカイトは、何だか急に物凄く恥ずかしくなり、差し出されたパンツを奪い取ると、それにさっそく足を通す。
「くっ…なんだよコレ…それにサイズも小さいし…」
カイトが履いているのは、パンツというより「競泳水着」と言った方がいいようなデザインと生地で出来ていて、サイズも本来のサイズより二回りほどちいさいようだ。
「あれ?結構従順なんだねカイト?御主人様に与えられた「奴隷」の服に、無抵抗で着替えちゃったよ…実は変態?」
「なんだと!…お前、俺をハメたな!?こんな物…今すぐに…」
競泳水着に手を伸ばし、カイトがそれを脱ぎ去ろうとした瞬間、スピアが再びカイトを困惑させるような言葉を言い放つ。
「え?そんなに全裸姿になりたいんだ?やっぱりカイトは変態だな」
「くっ…」
どう動いても変態扱い、結局カイトが導き出した答えは、競泳水着を着用し続けるという選択だった。しかし、一見履いていた方がマシだと思われるが、それはスピアの巧みな誘導であり、結果としてカイトは自身の意思とは関係なく、自分を間接的に「奴隷・ペット」として認めたことにされていた。
「さて、お次はペットに必要不可欠な首輪を着けてあげよう」
「て、てめぇ!ふざけんなよ…」
体力が若干回復したのか、カイトは防御姿勢を取りながらスピアから距離を取った。しかし、なぜか装着された記憶の無い鎖付きの首輪が、しっかりとカイトの首にいつの間にか嵌められていた。
「な、いつの間に?どうやって?不可能だろう!?」
「おいおいカイト、お散歩したいのか?」
(コイツ…神速とか…そんな領域じゃない…時を止めた?だから試合でも、あんな一方的に…)
カイトは、スピアには特殊な時を止めるような能力があるのだと推理した。スピア自身も、カイトが自分の能力に薄々気が付いていると察し、自分の「力」のことを話し始める。
「時は止められないよ…ただ、俺は自身を「止めた」それだけのことさ」
「自分を止める?一体それは…」
「もういいだろう?これ以上は単細胞なカイトの頭じゃ理解できないよ」
スピアはそう言うと、首輪に繋がっている鎖をグイっと引っ張り、カイトの体を自分の方に無理やり引き寄せる。そして、注射器の様な物を取り出すと、それをカイトの体に躊躇なく差し込み、肉体に液体を注入した。
「タネもバレちゃったし…保険だよv」
「な、何を注射したんだ……ぐぁ…あぁああああ!!」
液体を注射した瞬間、カイトの体は激痛に包まれ、カイトは思わずその場に倒れ込む。
「うぅ…うがぁあああああ!俺にぃいいなにをぉおおお!」
「だから保険だよ…」
そして、しばらくすると、今度はカイトの引き締まった筋肉が徐々に減っていき、肉体の筋力が大幅に低下させられてしまった。
「はぁ、はぁ…お、俺の体が…力が入らない…あぁ…」
「ほぉ、見せかけだけの筋肉も大分残ってるな。まぁ、それでも俺には抵抗できないだろう」
外見にそれほどの変化は無いが、カイトの力は通常時の十分の一以下になっていた。一方、薬品の成果に満足したスピアは、地面に這いつくばるカイトに向ってニコニコしながら薬の説明を始める。
「カイトに注入したのは、「筋力消滅剤」って呼ばれてるんだけど…」
筋力消滅剤-
投与された人間の筋力を著しく低下させ、以後も永遠に筋力が戻ることはない。主に、この国では受刑者などに使用されている。
「俺の体を返せ!」
説明を終えたスピアに殴りかかるカイトだが、あっさりとスピアに両腕を押さえつけられ。後ろ手にされた後、手錠を掛けられてしまった。
「無駄な抵抗するからだぞ。さぁて、そろそろ家に帰るか」
「首輪と手錠を外せよ!こんなの犯罪だぞ!」
喚き叫ぶカイトを無視し、スピアはカイトを強引に鎖で引っ張りながら、選手控室を後にした。
うへ、また新作を作ってしもうた。
「ここまで、なんと一撃で敵を葬って来た最強の闘士、カイト・グラインダーの登場だぁあああ!!」
司会の男がカイトの名を叫ぶと、会場からは大歓声が沸き上がる。そして、待機室からは声援に答えるように、カイトが会場に姿を現した。その姿は一見小柄で童顔だが、全身は強靭な筋肉の鎧に包みこまれ、体の隅々まで鍛え上げられている。
ここ、列剛の国では「漢羅蒙翔武道会」という格闘技の頂点を競う大会が毎年行われており、この大会の優勝者には「国王になる以外の願い」をなんでも国王が可能な限り叶えてくれるのだ。(一度優勝した場合は、以後10年間は出場できない)そして、いよいよ競技場では運命の決勝戦が始まろうとしていた……
「さぁ、無敵のカイトの対戦相手を紹介するぞ……ん?おおっと!これまた驚いた!なんと対戦者もここまで一撃で勝ち上がってきたつわものだぁあああああ!その名も、スピア・グラストスだぁああああ!」
控え室から現れたスピアに向って観客はカイトとの時と同等の大歓声を上げて、スピアを闘技場に招き入れる。スピアはカイトほどの筋肉は無いが、長身で美形タイプであったため、女性客の人気は凄まじかった。その黄色い声援に、スピアは両手を振りながら笑顔で答えている。
「アイツがスピアか……楽勝だな」
カイトは現れたスピアの姿を見て、咄嗟に自分以下の力量だと判断すると、表情に笑みを溢す。そして、二人がリングに上がり所定位置まで移動すると、ついに試合開始のベルが司会の手によって鳴らされようとしていた。
「さぁ、待ちに待った決勝戦、カイト・グラインダーⅤSスピア・グラストス……レディ…ゴーぉおおおお!!」
カァーン!
「…化…カイ…が…撃」 「マジかよ…あの…優勝…」
「お、俺は一体…くっ…体が動かない…」
気がつくと、カイトは全身をボロボロにされ、しかも全裸でリングの上に寝そべっていた。
会場は何やら騒がしく、すでにスピアの勝利宣言が行われている。
「な、なぜ?…俺が負けた?…そうだ、開始直後に……」
カイトとスピアの実力差は凄まじかった。試合開始直後、カイトはスピアの先制攻撃を受けて早々にダウン。その後スピアはカイトの服を引き千切り、カイトの首根っこを掴みあげると、会場の観客に向ってカイトの性器を晒しながらカイトの背中を気絶するまで殴り続けたのだ。
「くっ…クソぉ…」
先程スピアに与えられた屈辱を思い出し、涙を流し始めたカイト。その時、観客が一斉に大歓声を上げる。どうやら現国王の「ナイル・デ・ラブダルス」が観客の前に姿を現したようだ。
「そなたが今年の優勝者、スピア・グラストスじゃな?いやいや、そなたには驚かされたわい。…さぁ、お主の望みは何ぞな?」
国王は、さっそくスピアの願を聞いた。それに対し、スピアは誰もが想像していなかったことを願いとして口にする。
「陛下!私の願は…カイト・グラインダーを国家公認のペットとして頂くことです!」
「何!?…俺を?」
国王も会場の観客も、すべての人々が驚いた表情を浮かべるが、この場で誰よりもその発言に驚いたのはカイトだった。
「で、では…カイト・グラインダーの市民権を剥奪し、スピア・グラストスのペットとして扱うことを国で正式に許可しよう……だが、お主は本当にこれでいいのか?」
国王の問いかけに、スピアは黙って頷いた。その対応に会場の熱気は一気に冷め、観客が無言になってしまった。そこで、焦った司会はスピアのフォローに入る。
「な、なぁんてことだぁああ!今年の優勝者は何を考えているんだぁ!なんと優勝賞品に相手選手を指名!どういう意図があってのことでしょうか?個人的な怨恨か?それとも惚れちまったのか?とにかく意味不明だが、今年の優勝者はスピア・グラストスだぁあああ!会場のみなさん、彼に盛大な拍手をお願いしまぁあああす!!」
「うぉおおおおおおお!スピア!スピア!スピア!」
スピアの大胆発言で静まり返っていた会場は、司会者の冗談交じりのアナウンスの効果で再び盛り上がった。
「さぁ、行くぞカイト…」
全裸のカイトを脇に抱え、スピアは会場の声援に空いた手を振りながら答えると、自分の控え室に消えて行った。
スピアの控え室-
「なぜ俺を…それに俺は…お前のペットになんか絶対ならないぞ…」
「ふん、全ての国民が認めているんだぞ?お前は俺のペットだってな」
控え室のベンチに寝かされたカイトはスピアに向ってさっそく反抗しようとするが、スピアはあっさりとそれを退けた。
「ホラ、いつまで全裸で居るつもりだ?まぁ、俺はうれしいけどね…これを穿けよ」
スピアは全裸のカイトにパンツを差し出した。スピアに全裸姿を指摘されたカイトは、何だか急に物凄く恥ずかしくなり、差し出されたパンツを奪い取ると、それにさっそく足を通す。
「くっ…なんだよコレ…それにサイズも小さいし…」
カイトが履いているのは、パンツというより「競泳水着」と言った方がいいようなデザインと生地で出来ていて、サイズも本来のサイズより二回りほどちいさいようだ。
「あれ?結構従順なんだねカイト?御主人様に与えられた「奴隷」の服に、無抵抗で着替えちゃったよ…実は変態?」
「なんだと!…お前、俺をハメたな!?こんな物…今すぐに…」
競泳水着に手を伸ばし、カイトがそれを脱ぎ去ろうとした瞬間、スピアが再びカイトを困惑させるような言葉を言い放つ。
「え?そんなに全裸姿になりたいんだ?やっぱりカイトは変態だな」
「くっ…」
どう動いても変態扱い、結局カイトが導き出した答えは、競泳水着を着用し続けるという選択だった。しかし、一見履いていた方がマシだと思われるが、それはスピアの巧みな誘導であり、結果としてカイトは自身の意思とは関係なく、自分を間接的に「奴隷・ペット」として認めたことにされていた。
「さて、お次はペットに必要不可欠な首輪を着けてあげよう」
「て、てめぇ!ふざけんなよ…」
体力が若干回復したのか、カイトは防御姿勢を取りながらスピアから距離を取った。しかし、なぜか装着された記憶の無い鎖付きの首輪が、しっかりとカイトの首にいつの間にか嵌められていた。
「な、いつの間に?どうやって?不可能だろう!?」
「おいおいカイト、お散歩したいのか?」
(コイツ…神速とか…そんな領域じゃない…時を止めた?だから試合でも、あんな一方的に…)
カイトは、スピアには特殊な時を止めるような能力があるのだと推理した。スピア自身も、カイトが自分の能力に薄々気が付いていると察し、自分の「力」のことを話し始める。
「時は止められないよ…ただ、俺は自身を「止めた」それだけのことさ」
「自分を止める?一体それは…」
「もういいだろう?これ以上は単細胞なカイトの頭じゃ理解できないよ」
スピアはそう言うと、首輪に繋がっている鎖をグイっと引っ張り、カイトの体を自分の方に無理やり引き寄せる。そして、注射器の様な物を取り出すと、それをカイトの体に躊躇なく差し込み、肉体に液体を注入した。
「タネもバレちゃったし…保険だよv」
「な、何を注射したんだ……ぐぁ…あぁああああ!!」
液体を注射した瞬間、カイトの体は激痛に包まれ、カイトは思わずその場に倒れ込む。
「うぅ…うがぁあああああ!俺にぃいいなにをぉおおお!」
「だから保険だよ…」
そして、しばらくすると、今度はカイトの引き締まった筋肉が徐々に減っていき、肉体の筋力が大幅に低下させられてしまった。
「はぁ、はぁ…お、俺の体が…力が入らない…あぁ…」
「ほぉ、見せかけだけの筋肉も大分残ってるな。まぁ、それでも俺には抵抗できないだろう」
外見にそれほどの変化は無いが、カイトの力は通常時の十分の一以下になっていた。一方、薬品の成果に満足したスピアは、地面に這いつくばるカイトに向ってニコニコしながら薬の説明を始める。
「カイトに注入したのは、「筋力消滅剤」って呼ばれてるんだけど…」
筋力消滅剤-
投与された人間の筋力を著しく低下させ、以後も永遠に筋力が戻ることはない。主に、この国では受刑者などに使用されている。
「俺の体を返せ!」
説明を終えたスピアに殴りかかるカイトだが、あっさりとスピアに両腕を押さえつけられ。後ろ手にされた後、手錠を掛けられてしまった。
「無駄な抵抗するからだぞ。さぁて、そろそろ家に帰るか」
「首輪と手錠を外せよ!こんなの犯罪だぞ!」
喚き叫ぶカイトを無視し、スピアはカイトを強引に鎖で引っ張りながら、選手控室を後にした。
うへ、また新作を作ってしもうた。