偽りの欲情②
あれから何度二人は果てたのだろうか、既に出すモノを出し切り、潮吹きするだけの行為が続いていた。
「んっ…ハァ…んっ…」
だが、それでも二人の発情は収まらず互いを求め合っている。
「ふーん、私のことは眼中にも無いってことね」
その光景を傍で楽しそうに観察していたギースだったが、流石に面白みも無くなってきたのかそう呟いた。
「まぁいいわ。媚薬の効果も十分検証できたし、日頃から色々と尽くしてくれているご褒美に今日は好きなだけイキなさいよ…」
ギースは呆れた顔で吐き捨てるよう二人にそう告げると、変わり映えしない状況に飽きたのか、お互いに吐き出しあった体液でベトベトになったまま絡み合う二人の両手を拘束していた縄を解き、そのまま二人を残して調教室を後にする。
「…」
残された二人は、ポカンとした表情で一瞬ギースの方に視線を向けるが、既にその姿は閉まりかけた扉の奥だった。
コツコツとブーツの音を響かせながら、一人廊下を歩くギース。
「…効果は抜群でも、一度タガが外れるとコントロールが出来ないわね…」
休憩室にもなっている囚人を監視する看守室を目指して長い廊下を進みながら、ギースはブツブツと独り言を漏らしながら媚薬について考えをまとめていた。
「ゴードンの様に肉便器にするだけなら問題ないかもしれないけど…あたし好みじゃ無いし」
元々ギースは、少年達の羞恥心をコントロールするプレイを好む趣向があり、過剰な薬の力で強制的に屈服させる行為を楽しむことができなったのだ。
そして、新型媚薬の効果が自分好みの責め具では無いと結論付けたと同時に看守室の前まで辿り着く。
ギィと鈍い金属音をたてながら、重厚な金属の扉を開けるギース。
中に入ると、そこには小柄な別の看守がジッと大量に設置された監獄の監視モニターを見つめていた。
「あら、アナタ来てたの?声かけてくれれば良かったのに」
ギースの不意の呼びかけに、看守は一瞬ビクっと身体を反応させると、ゆっくりとギースの方に振り返ってこう告げた。
「いえ、お楽しみ中でしたし…でも、あの卑しい犬どもは放っておいていいんですか?」
小柄な看守が先程から見ていたモニターには、アルフレッドとルミナルスの卑猥な姿が映し出されていた。
どうやら二人はまだ媚薬の影響下にあるのか、自由になった両手でお互いを抱きしめ合い、先程と同じ様な卑猥な行為を繰り返している。
「あら、監修カメラで覗き?それに、お兄さんに向かって犬は可哀想でしょう」
ギースの言葉に小柄な監修の表情が曇る。
「…ギース先輩。あれはもう兄でも何でもありません。ただの奴隷です。僕を見捨てて…あんなヤツと仲良くなって…」
小柄な監修はそう言いながら、モニターの方に振り返りギュッと拳を握って振るわせる。
その様子にギースは笑みを溢しながらこう答えた。
「ふふ♪軽蔑しながらも、やっぱりお兄さん好きなんじゃない…ティオ」
なんと、アルフレッドの姿をモニター越しに見つめるもう一人の看守の正体はアルフレッドの弟であるティオだった。
「…」
その容姿はアルフレッドと若干の差異はあるものの、誰が見ても兄弟であると疑わないモノである。
だが、どうして彼がドゴラ監獄の看守になっているのかは謎のままだ。
一方、同時刻ー
独房に残されたアルフレッド達はやっと媚薬の効果が切れ始めたのか、少しづつ落ち着きを取り戻し始めていたー
「アル…大丈夫か?」
「うん、大丈夫。……ごめん…ルミナ。僕のせいで君まで酷い目に」
先に起き上がっていたルミナルスに向かって、ゆっくりと起き上がりながら申し訳なさそうに謝罪するアルフレッド。
「き、気にするなよ!俺たち…友達だろ?困ってる時はお互い様だって」
「ありがとうルミナ…」
ルミナルスに励まされ、アルフレッドの表情に笑みが戻る。
「にしても、俺たち酷い様だな…身体がベトベトだ…ギースもいつの間にか消えてるし…今日はこれで終いなのかな…」
「あ、そういえばギースは好きにしろって…」
「そう言われてもな…」
なんの指示もなく、調教部屋に取り残された二人は対応に困り果てる。だが、その次の瞬間…
「あら?やっと満足したみたいね」
天井のスピーカーから突然、部屋中にギースの声が響き渡った。その声に条件反射でビクつく二人。
「ギース!?…様」
「さっきから会話は全部筒抜けよ。看守を呼び捨てにするなんていい度胸ね…まぁ、いいわ」
その放送は看守室から送られてきたモノであり、ギースは調教室に残してきた二人に指示を与え始める。
「それよりアンタ達、その身体の汚れを浴槽室で落としてきたらどうなの?臭くてかなわないわ」
「え?……あ、ありがとうございます!」
「特別よ。30分あげるからさっさと行ってきなさい。ちゃんとキレイにしてから檻に戻してあげるから♪」
ギースからの指示に、そろって思わず喜びを露わにする二人。
浴槽室とは囚人用の入浴施設なのだが、まず普通に利用することは許されない。
入浴時もみ水責めといった拷問に近い乱暴な方法で身体の汚れを除去させられ、身体の汚れを落とせる以外のメリットは一切ないのだ。
ただ、個別調教が実施された際にのみ、稀に看守の指示で指定時間だけか貸切で自由入浴ができる。
「聞いたからアル!自由入浴だぞ!」
「うん!僕ここに来て初めてだよ!いつも無理やりお湯に漬けられてたし…自由に身体を洗えるなんて久しぶりだなぁ」
二人は1秒でも時間が惜しかったのか、駆け足で浴槽室に向かった。
幸い、調教室からの距離もそう遠くなかったので二人は久方ぶりの自由時間を満喫することに。
「気持ちー!自由に使えるって最高だよな」
「そうだよね!いつものシャワーは痛いけど、これなら全然大丈夫!」
浴槽室に到着するや否や、無邪気にはしゃぎながら、備え付けのシャワーで身体の汚れを落とし始める二人。
普段は拘束されたまま、家畜を洗う様に列になってただ冷水の中を通り過ぎるだけのシャワーだが、自由に使用できるというだけで少年達の反応は全く異なるものになっていた。
だが、結局は本当の意味で自由など無く、細やかな喜びは一瞬で奪い去られることにー
「はぁーこれずっと浴びてられるけど、そろそろ浴槽に移動する?…ん?どうしたアル?」
「…ルミナぁ…このシャワー…変だよぉ…うぅ…はぁあぁああ…」
「どうしたアル!?」
そう言って突然その場にしゃがみ込むアルフレッド。
ルミナルスからは見えていなかったが、この時アルフレッドの股間は先程の様にムクムクと肥大化し始めていた。
「これ、さっきの薬ぃ…また変にぃ…うぅ」
どうやらアルフレッドが利用したシャワーに細工がしてあったのか、再び全身に媚薬を浴びて悶えるアルフレッド。
「クソ!ギースのやつ!ハメやがったなぁ…アルにだけあのエロい薬を浴びせたのか」
同じくシャワーを浴びていたルミナルスだったが、なぜか彼は何ともない。
ただ、ほんのり媚薬の香りの様な匂いがシャワー室に充満していたことには気が付いた。
「こっちだアル!とりあえず浴槽で洗い流そう!」
ルミナルスはよく考えもせず、強引にアルフレッドを引っ張って、透明な水が張られた浴槽に勢いよく飛び込む。
「っ!なんだ…コレ…ネチョネチョするぅ…クソォ…」
だが、浴槽に張られていたのは水では無く、なんと大量のローションだった。
シャワー室の罠から、冷静に考えれば浴槽も警戒すべきだったのだが、焦ったルミナルスはまんまとギースの罠にハマってしまったのだ。
「あははははは!お馬鹿さんね!こんなに簡単に罠にハマってくれるなんて思わなかったわ」
スピーカー越しに響くギースの声。
どうやら浴槽室も漏れなく監視されており、あっさり仕掛けた罠にハマった二人見て爆笑するギース。
「さぁ、媚薬入りのローションプールで踊り狂いなさい。勿論そこで30分間どんな風に過ごすかはアナタ達次第だけどね♪」
自分達が浸かっているのが媚薬入りのローションプールだと聞かされ、急いで浴槽から這い出ようとする二人。
「あぁあ…ルミナぁ…またさっきのぉ…」
「やめろアル!我慢するんだ!」
だが、アルフレッドは脱出よりも性欲の発散を優先させ、先程の様にルミナルスに抱きついた。
「ルミナぁ!耐えられないよぉ…」
「アル!ダメだって…こらぁ…うぅ」
ヌチャヌチャと纏わりつく粘着性の高いローション越しにアルフレッドの勃起したモノを押し付けられたルミナルスはビクんと身体を震わせる。
「ルミナのだってぇ…大きくなってる…」
「こ、コレは…このネトネトしたのにも薬が…アル触らないでぇ」
いつの間にかルミナルスの勃起したモノの亀頭をツンツンと指で触るアルフレッド。
ローション越しのなんとも言えない刺激に甘い声を漏らす。そして、完全にスイッチが入ったアルフレッドは積極的にグイグイ迫りー
「だったらいいよね?」
「うっ…アルぅ…くっあぁああ!」
自らのモノの亀頭を、先程の様にルミナルスの亀頭に擦り付け、勝手にかぶとあわせを楽しみ始める。
「気持ちいい?僕も気持ちいいよぉ…」
「んっ…ふっんっ…」
最初は抵抗していたルミナルスだったが、その内快楽に屈指始め、自らもアルフレッドを求めて積極的に身体を擦り付け始める。
「ダメだよぉ…アル…こんな…せっかくの自由時間なのにぃ…はぁ…んぁあああぁ!」
「ルミナぁ…無理やりじゃないのは…ダメ…?」
「……アルならぁ…いい…」
誰に強制された訳でもなく、二人の少年はお互いの身体を絡ませ合いながら、時間の許す限りお互いを求め合う。
やがて、二人は看守達に強引に開発された肛門を自らの意思で開き、お互いのモノを交互に受け入れ底なしの欲情を発散する。
もはやギースに覗き見されていることなど気にもせず…
「ぁあ…アルぅ…俺…アルと…」
「ルミナぁ…もっと奥まだ…うぅ…」
この時、既に二人の関係は恋人に近い状態にまで発展しており、まんまとギースの計画通りに進行する結果となってしまっていた。
その頃、看守室ー
「あらら…とうとうカップルになっちゃったわね。ここまで計画通りにことが進むなんてなんだか怖いわ…まぁ、素養があったから仕込んでみたんだけど」
モニター越しに、恍惚の眼差しで二人の絡み合う姿を凝視するギース。一方、その傍らで怒りの感情を露わにするもう一人の看守。
「わざわざこんなものを見せて何が目的なんですか?また例の媚薬まで使って」
浴槽室での二人の行為をモニター越しに監視していたのはギースだけでは無かった。
その場にはアルフレッドの弟でもあるティオも同席していたのだ。
ティオの不機嫌そうな物言いに、ギースは無表情でこう答えた。
「ふふ…使ってないわよ媚薬」
「!?そんな…だってあの二人…」
ギースの発言に驚くティオは、再びモニターを凝視して絡み合う二人を見つめた。
「シャワー室にリラックスできるアロマを焚いて、ローションプールを用意しただけよ」
「そんな馬鹿な!お兄ちゃ…アルフレッドには媚薬を盛っただろ!」
ティオはそんな訳はないと反論し、ギースに詰め寄る。もし、ギースの発言に偽りがなければ自分の兄が自らの意思であんなことをしていると認めることになるからだ。
だが、ギースはスッと片手をティオにむけて開き、激昂するティオを静止する。
「そんなに怒らないでよティオ。お兄さんは雰囲気に乗せられやすいんじゃない?まぁ、媚薬の効果が残っていた可能性も、体質的な理由であるかもだけど」
「ぐっ…だったらアイツらは…」
「まぁ、普通にイチャついてるカップルってことかしらね。でもねティオ、ここでは生きていくために必要な手段でもあると思うのよ」
「くっ…」
ギースの発言から媚薬を本当に使っていないのかは定かでは無かったが、ティオは黙ってその光景を眺め続ける気は無かった。
「ギース先輩…特別調教の申請を出してもいいですか」
暫くの沈黙の後、何を思ったのかティオは特別調教の要請をギースに申し出る。
コレは、特定の個人を対象とした特別調教であり、本来は反抗的な囚人を個人調教により躾ける目的で設けられたメニューなのだが、稀にお気に入りの囚人をオモチャにするために使用する看守もいる。
今回のギースの調教がまさにそのケースだった。
「別にいいわよ。そろそろデビューだと思っていたし、局長からも打診がきてるから」
「義父様が?…だったら、アルフレッドの単独調教を申請します」
なんと、ティオは調教の相手に自らの兄であるアルフレッドを指名する。
また、同時にティオが局長であるキサラギの養子になっていたことも判明した。
なぜこんな状況になっているのかはまだ定かではないが、ギースは何やら事情を把握しているのか、ニヤニヤ笑みを浮かべながらティオにこう告げる。
「どうぞ♪久しぶりの兄弟の再会楽しみなさい。
色々と話すこともあるだろうしねぇ。まぁ、その様子はモニターでたっぷり鑑賞させてもらうけど」
「お好きにどうぞ…では」
ティオはギースの挑発もとれる発言をスルーすると、専用の鞭をケースから取り出し、それをギュッと握りしめながら足速に看守室を後にした。
そして、アルフレッドとルミナルスが戯れ合っている浴槽室へ向かって小走りに歩き出した。
「んっ…ハァ…んっ…」
だが、それでも二人の発情は収まらず互いを求め合っている。
「ふーん、私のことは眼中にも無いってことね」
その光景を傍で楽しそうに観察していたギースだったが、流石に面白みも無くなってきたのかそう呟いた。
「まぁいいわ。媚薬の効果も十分検証できたし、日頃から色々と尽くしてくれているご褒美に今日は好きなだけイキなさいよ…」
ギースは呆れた顔で吐き捨てるよう二人にそう告げると、変わり映えしない状況に飽きたのか、お互いに吐き出しあった体液でベトベトになったまま絡み合う二人の両手を拘束していた縄を解き、そのまま二人を残して調教室を後にする。
「…」
残された二人は、ポカンとした表情で一瞬ギースの方に視線を向けるが、既にその姿は閉まりかけた扉の奥だった。
コツコツとブーツの音を響かせながら、一人廊下を歩くギース。
「…効果は抜群でも、一度タガが外れるとコントロールが出来ないわね…」
休憩室にもなっている囚人を監視する看守室を目指して長い廊下を進みながら、ギースはブツブツと独り言を漏らしながら媚薬について考えをまとめていた。
「ゴードンの様に肉便器にするだけなら問題ないかもしれないけど…あたし好みじゃ無いし」
元々ギースは、少年達の羞恥心をコントロールするプレイを好む趣向があり、過剰な薬の力で強制的に屈服させる行為を楽しむことができなったのだ。
そして、新型媚薬の効果が自分好みの責め具では無いと結論付けたと同時に看守室の前まで辿り着く。
ギィと鈍い金属音をたてながら、重厚な金属の扉を開けるギース。
中に入ると、そこには小柄な別の看守がジッと大量に設置された監獄の監視モニターを見つめていた。
「あら、アナタ来てたの?声かけてくれれば良かったのに」
ギースの不意の呼びかけに、看守は一瞬ビクっと身体を反応させると、ゆっくりとギースの方に振り返ってこう告げた。
「いえ、お楽しみ中でしたし…でも、あの卑しい犬どもは放っておいていいんですか?」
小柄な看守が先程から見ていたモニターには、アルフレッドとルミナルスの卑猥な姿が映し出されていた。
どうやら二人はまだ媚薬の影響下にあるのか、自由になった両手でお互いを抱きしめ合い、先程と同じ様な卑猥な行為を繰り返している。
「あら、監修カメラで覗き?それに、お兄さんに向かって犬は可哀想でしょう」
ギースの言葉に小柄な監修の表情が曇る。
「…ギース先輩。あれはもう兄でも何でもありません。ただの奴隷です。僕を見捨てて…あんなヤツと仲良くなって…」
小柄な監修はそう言いながら、モニターの方に振り返りギュッと拳を握って振るわせる。
その様子にギースは笑みを溢しながらこう答えた。
「ふふ♪軽蔑しながらも、やっぱりお兄さん好きなんじゃない…ティオ」
なんと、アルフレッドの姿をモニター越しに見つめるもう一人の看守の正体はアルフレッドの弟であるティオだった。
「…」
その容姿はアルフレッドと若干の差異はあるものの、誰が見ても兄弟であると疑わないモノである。
だが、どうして彼がドゴラ監獄の看守になっているのかは謎のままだ。
一方、同時刻ー
独房に残されたアルフレッド達はやっと媚薬の効果が切れ始めたのか、少しづつ落ち着きを取り戻し始めていたー
「アル…大丈夫か?」
「うん、大丈夫。……ごめん…ルミナ。僕のせいで君まで酷い目に」
先に起き上がっていたルミナルスに向かって、ゆっくりと起き上がりながら申し訳なさそうに謝罪するアルフレッド。
「き、気にするなよ!俺たち…友達だろ?困ってる時はお互い様だって」
「ありがとうルミナ…」
ルミナルスに励まされ、アルフレッドの表情に笑みが戻る。
「にしても、俺たち酷い様だな…身体がベトベトだ…ギースもいつの間にか消えてるし…今日はこれで終いなのかな…」
「あ、そういえばギースは好きにしろって…」
「そう言われてもな…」
なんの指示もなく、調教部屋に取り残された二人は対応に困り果てる。だが、その次の瞬間…
「あら?やっと満足したみたいね」
天井のスピーカーから突然、部屋中にギースの声が響き渡った。その声に条件反射でビクつく二人。
「ギース!?…様」
「さっきから会話は全部筒抜けよ。看守を呼び捨てにするなんていい度胸ね…まぁ、いいわ」
その放送は看守室から送られてきたモノであり、ギースは調教室に残してきた二人に指示を与え始める。
「それよりアンタ達、その身体の汚れを浴槽室で落としてきたらどうなの?臭くてかなわないわ」
「え?……あ、ありがとうございます!」
「特別よ。30分あげるからさっさと行ってきなさい。ちゃんとキレイにしてから檻に戻してあげるから♪」
ギースからの指示に、そろって思わず喜びを露わにする二人。
浴槽室とは囚人用の入浴施設なのだが、まず普通に利用することは許されない。
入浴時もみ水責めといった拷問に近い乱暴な方法で身体の汚れを除去させられ、身体の汚れを落とせる以外のメリットは一切ないのだ。
ただ、個別調教が実施された際にのみ、稀に看守の指示で指定時間だけか貸切で自由入浴ができる。
「聞いたからアル!自由入浴だぞ!」
「うん!僕ここに来て初めてだよ!いつも無理やりお湯に漬けられてたし…自由に身体を洗えるなんて久しぶりだなぁ」
二人は1秒でも時間が惜しかったのか、駆け足で浴槽室に向かった。
幸い、調教室からの距離もそう遠くなかったので二人は久方ぶりの自由時間を満喫することに。
「気持ちー!自由に使えるって最高だよな」
「そうだよね!いつものシャワーは痛いけど、これなら全然大丈夫!」
浴槽室に到着するや否や、無邪気にはしゃぎながら、備え付けのシャワーで身体の汚れを落とし始める二人。
普段は拘束されたまま、家畜を洗う様に列になってただ冷水の中を通り過ぎるだけのシャワーだが、自由に使用できるというだけで少年達の反応は全く異なるものになっていた。
だが、結局は本当の意味で自由など無く、細やかな喜びは一瞬で奪い去られることにー
「はぁーこれずっと浴びてられるけど、そろそろ浴槽に移動する?…ん?どうしたアル?」
「…ルミナぁ…このシャワー…変だよぉ…うぅ…はぁあぁああ…」
「どうしたアル!?」
そう言って突然その場にしゃがみ込むアルフレッド。
ルミナルスからは見えていなかったが、この時アルフレッドの股間は先程の様にムクムクと肥大化し始めていた。
「これ、さっきの薬ぃ…また変にぃ…うぅ」
どうやらアルフレッドが利用したシャワーに細工がしてあったのか、再び全身に媚薬を浴びて悶えるアルフレッド。
「クソ!ギースのやつ!ハメやがったなぁ…アルにだけあのエロい薬を浴びせたのか」
同じくシャワーを浴びていたルミナルスだったが、なぜか彼は何ともない。
ただ、ほんのり媚薬の香りの様な匂いがシャワー室に充満していたことには気が付いた。
「こっちだアル!とりあえず浴槽で洗い流そう!」
ルミナルスはよく考えもせず、強引にアルフレッドを引っ張って、透明な水が張られた浴槽に勢いよく飛び込む。
「っ!なんだ…コレ…ネチョネチョするぅ…クソォ…」
だが、浴槽に張られていたのは水では無く、なんと大量のローションだった。
シャワー室の罠から、冷静に考えれば浴槽も警戒すべきだったのだが、焦ったルミナルスはまんまとギースの罠にハマってしまったのだ。
「あははははは!お馬鹿さんね!こんなに簡単に罠にハマってくれるなんて思わなかったわ」
スピーカー越しに響くギースの声。
どうやら浴槽室も漏れなく監視されており、あっさり仕掛けた罠にハマった二人見て爆笑するギース。
「さぁ、媚薬入りのローションプールで踊り狂いなさい。勿論そこで30分間どんな風に過ごすかはアナタ達次第だけどね♪」
自分達が浸かっているのが媚薬入りのローションプールだと聞かされ、急いで浴槽から這い出ようとする二人。
「あぁあ…ルミナぁ…またさっきのぉ…」
「やめろアル!我慢するんだ!」
だが、アルフレッドは脱出よりも性欲の発散を優先させ、先程の様にルミナルスに抱きついた。
「ルミナぁ!耐えられないよぉ…」
「アル!ダメだって…こらぁ…うぅ」
ヌチャヌチャと纏わりつく粘着性の高いローション越しにアルフレッドの勃起したモノを押し付けられたルミナルスはビクんと身体を震わせる。
「ルミナのだってぇ…大きくなってる…」
「こ、コレは…このネトネトしたのにも薬が…アル触らないでぇ」
いつの間にかルミナルスの勃起したモノの亀頭をツンツンと指で触るアルフレッド。
ローション越しのなんとも言えない刺激に甘い声を漏らす。そして、完全にスイッチが入ったアルフレッドは積極的にグイグイ迫りー
「だったらいいよね?」
「うっ…アルぅ…くっあぁああ!」
自らのモノの亀頭を、先程の様にルミナルスの亀頭に擦り付け、勝手にかぶとあわせを楽しみ始める。
「気持ちいい?僕も気持ちいいよぉ…」
「んっ…ふっんっ…」
最初は抵抗していたルミナルスだったが、その内快楽に屈指始め、自らもアルフレッドを求めて積極的に身体を擦り付け始める。
「ダメだよぉ…アル…こんな…せっかくの自由時間なのにぃ…はぁ…んぁあああぁ!」
「ルミナぁ…無理やりじゃないのは…ダメ…?」
「……アルならぁ…いい…」
誰に強制された訳でもなく、二人の少年はお互いの身体を絡ませ合いながら、時間の許す限りお互いを求め合う。
やがて、二人は看守達に強引に開発された肛門を自らの意思で開き、お互いのモノを交互に受け入れ底なしの欲情を発散する。
もはやギースに覗き見されていることなど気にもせず…
「ぁあ…アルぅ…俺…アルと…」
「ルミナぁ…もっと奥まだ…うぅ…」
この時、既に二人の関係は恋人に近い状態にまで発展しており、まんまとギースの計画通りに進行する結果となってしまっていた。
その頃、看守室ー
「あらら…とうとうカップルになっちゃったわね。ここまで計画通りにことが進むなんてなんだか怖いわ…まぁ、素養があったから仕込んでみたんだけど」
モニター越しに、恍惚の眼差しで二人の絡み合う姿を凝視するギース。一方、その傍らで怒りの感情を露わにするもう一人の看守。
「わざわざこんなものを見せて何が目的なんですか?また例の媚薬まで使って」
浴槽室での二人の行為をモニター越しに監視していたのはギースだけでは無かった。
その場にはアルフレッドの弟でもあるティオも同席していたのだ。
ティオの不機嫌そうな物言いに、ギースは無表情でこう答えた。
「ふふ…使ってないわよ媚薬」
「!?そんな…だってあの二人…」
ギースの発言に驚くティオは、再びモニターを凝視して絡み合う二人を見つめた。
「シャワー室にリラックスできるアロマを焚いて、ローションプールを用意しただけよ」
「そんな馬鹿な!お兄ちゃ…アルフレッドには媚薬を盛っただろ!」
ティオはそんな訳はないと反論し、ギースに詰め寄る。もし、ギースの発言に偽りがなければ自分の兄が自らの意思であんなことをしていると認めることになるからだ。
だが、ギースはスッと片手をティオにむけて開き、激昂するティオを静止する。
「そんなに怒らないでよティオ。お兄さんは雰囲気に乗せられやすいんじゃない?まぁ、媚薬の効果が残っていた可能性も、体質的な理由であるかもだけど」
「ぐっ…だったらアイツらは…」
「まぁ、普通にイチャついてるカップルってことかしらね。でもねティオ、ここでは生きていくために必要な手段でもあると思うのよ」
「くっ…」
ギースの発言から媚薬を本当に使っていないのかは定かでは無かったが、ティオは黙ってその光景を眺め続ける気は無かった。
「ギース先輩…特別調教の申請を出してもいいですか」
暫くの沈黙の後、何を思ったのかティオは特別調教の要請をギースに申し出る。
コレは、特定の個人を対象とした特別調教であり、本来は反抗的な囚人を個人調教により躾ける目的で設けられたメニューなのだが、稀にお気に入りの囚人をオモチャにするために使用する看守もいる。
今回のギースの調教がまさにそのケースだった。
「別にいいわよ。そろそろデビューだと思っていたし、局長からも打診がきてるから」
「義父様が?…だったら、アルフレッドの単独調教を申請します」
なんと、ティオは調教の相手に自らの兄であるアルフレッドを指名する。
また、同時にティオが局長であるキサラギの養子になっていたことも判明した。
なぜこんな状況になっているのかはまだ定かではないが、ギースは何やら事情を把握しているのか、ニヤニヤ笑みを浮かべながらティオにこう告げる。
「どうぞ♪久しぶりの兄弟の再会楽しみなさい。
色々と話すこともあるだろうしねぇ。まぁ、その様子はモニターでたっぷり鑑賞させてもらうけど」
「お好きにどうぞ…では」
ティオはギースの挑発もとれる発言をスルーすると、専用の鞭をケースから取り出し、それをギュッと握りしめながら足速に看守室を後にした。
そして、アルフレッドとルミナルスが戯れ合っている浴槽室へ向かって小走りに歩き出した。