残酷な再会
「ここは…どこ?…僕は確かルミナと浴槽室で…あれ…腕が…それにこれは木馬?」
いつの間にか意識を失っていたアルフレッドは、気が付いた時には全裸で三角木馬に跨がされ、両手には天井から伸びる鎖に繋がれた手枷を嵌められていた。
だが、両手がバンザイの姿勢で固定されているので木馬にかかる重量はそれほど負荷にはならず苦痛を感じる程では無かった。
「気がついた?」
「!?」
意識を取り戻したアルフレッドに、薄暗い暗闇から聴きなれた声が聞こえてきた。
「そんな…まさか…その声は」
その声の正体に確信は無かったが、コツコツと足音を立てながら近寄ってくる人物の顔が蝋燭の灯りで照らされた瞬間、アルフレッドの疑念は確信となった。
「…ティオ?ティオなのか!」
「久しぶりだね…お兄ちゃん…ずっと会いたかった」
半年前に投獄されて以降、一度も消息が掴めていなかった弟のティオの登場に驚くアルフレッド。
しかも、以前の弟の雰囲気とは若干異なり、何処か気品すら感じる様な装いだった。
「なんでお前がここに…それにその服…どういうことなんだ?」
状況が理解出来ずに困惑するアルフレッド。
弟との再会は嬉しく感じていたのだが、見慣れた看守の服を着込んで片手には鞭を持つ弟の姿に戸惑う。
そんなアルフレッドの様子をあざ笑様にティオは笑顔でこう答えたー
「僕はねぇ、この監獄の看守になったんだよ。そして今はキサラギ局長の息子になったんだ♪」
「なっ!?いきなり何を言って…」
突然の報告に絶句するアルフレッド。弟が看守になり、あの薄汚いキサラギ局長の息子になった聞いて表情が歪む。
だが、その直後にティオから更に衝撃の事実が伝えれれる。
「それで急な話なんだけど…僕ね…今からお兄ちゃんを調教しなきゃいけないんだ」
「ティオ!さっきから…あっ!」
アルフレッドの発言を遮る様にティオの放った鞭が勢いよくアルフレッドを襲い、思わず声を上げるアルフレッド。
「ティオ様だろ?僕は看守でお兄ちゃんは服役囚…これからたっぷり再教育してあげるね♪」
拘束された実の兄目掛けて容赦なく鞭を振るうティオ。そこに歪んだ兄への愛情が見え隠れしていた。
「そんな…嘘だ…ティオ!」
豹変した弟の様子が信じられず、再度名前を叫ぶアルフレッド。
しかし、その声は無常にも再びティオが振り下ろした鞭によってかき消された。
「あぁあああああ!!」
「ティオ様と呼べ!」
「いや…だぁ…あっあああ!!!」
歯向かう度に仕置きとして振り下ろされる鞭の応酬。
見た目ほどのダメージは無かったが、実の弟に鞭で調教されるという状況は、寧ろ精神的なダメージのほうが大きかった。
そして、いつに間にかアルフレッドの身体には無数の鞭の跡が刻まれる。
「…これ以上は叩かせないで欲しいなぁ。それとも本気で叩かれたいのかな?もしかして…お兄ちゃんマゾになっちゃった?今日もいっぱいイってたしね…」
ニヤニヤしながらアルフレッドにそう告げるティオ。
「今日もって…いつからここに…」
「んー、先月からかな…あのルミナルスってやつと随分仲がいいんだね。エッチまでしてさぁ」
「ル、ルミナとのことも見てたのか!?」
媚薬で発情していたのもあるが、ルミナルスとの行為を観察されていたことを知って赤面するアルフレッド。
「ほんと…見ていて不快だったよ!」
ヒュッと空を割いて数発の鞭打ちがアルフレッドを襲う。それは、ルミナルスとの関係に嫉妬したティオの憂さ晴らしでもあった。
「ぐぅ…どうしてこんな…僕は…ティオのために…あんな…」
弟からの謂れのない辱めや仕打ちに涙目を浮かべるアルフレッド。その様子にティオはー
「薬を盗んだって言うんだろ!なんでそんなことをしたんだ!…そんなことしたから…お兄ちゃんは捕まって…あんなヤツと仲良くして…」
逆ギレに近い勢いで激昂し、今度は鞭打ちではなく頭を抱えながらその場にしゃがみ込む。
「…ティオぉ…どうしたの?」
「だからティオ様だって言ってるだろ!」
「ぐっうううぅ!」
不安定な様子を心配するアルフレッドを他所に、再び起き上がり鞭を振るティオ。
「僕がすぐに模範囚にしてあげるね…そしたら僕のペットにしてあげるから」
「何をされたんだ…正気に戻って…ティオ…」
明らかに以前の弟とは思えない言動や、先程からの不安定な様子に、アルフレッドはキサラギが弟に何かしたのを確信する。
「あーもぉ!だから何回言わせんだよ!」
「あぁああっ!」
だが、何度呼びかけても弟からは鞭打ちの返事しかなく、ついに疲労が蓄積して徐々に意識が朦朧になるアルフレッド。
「お兄ちゃん!?大丈夫?…あぁ…そんな…傷つける気はなかったんだよ!でも、お兄ちゃんが素直になってくれないから…あれ?僕は何を…」
力なく項垂れるアルフレッドを目にし、ティオは先程とは打って変わって兄を心配する素振りを見せ、アルフレッドを抱きしめる。
「……ティオ…正気に…」
薄れゆく意識の中、かつての弟の面影を感じて安堵するアルフレッド。
「あぁ…お兄ちゃん!?そんな…僕はなんて酷いことを…でも、僕は何で…あれ…????」
三角木馬に掲げられ、無数の鞭打ち跡が残る鎖で繋がれた兄を見つめながらティオは自問自答を始める。
この時、ティオの意識は正気に戻りかけていた。しかし、次の瞬間ー
「ティオ。今日はその辺にして戻りなさい。…ワシの可愛い【息子】よ」
調教室のスピーカーからティオを呼ぶキサラギの声が響いた。
そして、その声を聞いた瞬間、ティオの瞳から輝きが薄れ、まるで意識のない人形の様な状態になってしまった。
「…あ…はい。承知いたしましたお義父様…」
ティオは独り言の様にそう呟くと、アルフレッドを抱きしめていた手を離し、何事もなかったかの様に調教室を後にした。
「どうだアルフレッド?愛しい弟との再会は?」
暫くの沈黙の後、再びスピーカーから漏れるキサラギの声。その声にアルフレッドの身体はピクッと反応を示す。
「お前ぇ…ティオに…何をぉ…」
ギッと表情を歪ませ、声のする方に向かって力なく問いかけるアルフレッド。
「ククク、ワシに感謝するがいい。ヤツの病気を治療してやったんだからな。まぁ、少し副作用がでたようだが…元気ならよかろう?」
「ふざけるな…絶対に許さない…殺してやる!!!」
普段は温厚で優しいアルフレッドだが、ドゴラ監獄に投獄されてから初めて殺意を見せる。
今の地獄の様な生活は、元々自分が引き起こした盗難事件が原因だったため、到底受け入れられる仕打ちでは無かったものの、幼いながら罪の贖罪として受け入れていたアルフレッド。
しかし、全く関係のない大切な弟が洗脳され、キサラギのオモチャにされてしまった事実は到底受け入れられるものでは無かったのだ。
だが、そんなアルフレッドの様子にキサラギはー
「ハハハ…調子に乗るなよクズが!貴様らはただの性処理玩具…ワシに逆らえば弟が地獄に堕ちてもいいのかな?」
弟の身柄を盾にし、逆らえば弟を監獄に収監するとも取れる発言でアルフレッドを脅す。
「くっ!下衆野郎…」
「さてと、アルフレッド。早速だが模範囚になれるチャンスをやろう」
そして、唐突にキサラギから模範囚になれる機会が与えられた。
そもそもドゴラ監獄での模範囚とは、精神・心身共に看守に完全に服従した一部の囚人がなれるものであり、今よりも良質な暮らしができる制度だ。
だが、その反面。生活の全てを性奉仕に捧げる必要があり、表面上の忠誠ではとてもじゃないが勤まらずに脱獄を試みる囚人も多い。
ドクターオメガの助手であるルータなどの特例もあるが、基本的に順応できる者は少ない。
「模範囚…」
かつて、まだ投獄されて間もないことに目にした模範囚達の公開懲罰の光景を思い出すアルフレッド。
一瞬、ルミナルスの顔が脳裏に浮かぶ。だが、それはキサラギの不快な声によって遮られた。
「ティオとセットで飼ってやると言ってるんだ。悪い話じゃなかろう?ワシの忠実な性奴隷になると誓いを立てろ」
「…くっ…」
弟のティオを人質に取られ、逆らえないアルフレッド。
もはや選択肢などなく、大人しくキサラギの軍門に下る以外の道は残されていなかった。
「どうすれば…模範囚に…」
「ククク、簡単なことだ」
こうして模範囚になることになったアルフレッドだが、キサラギから提示された条件はとんでもない内容でー
いつの間にか意識を失っていたアルフレッドは、気が付いた時には全裸で三角木馬に跨がされ、両手には天井から伸びる鎖に繋がれた手枷を嵌められていた。
だが、両手がバンザイの姿勢で固定されているので木馬にかかる重量はそれほど負荷にはならず苦痛を感じる程では無かった。
「気がついた?」
「!?」
意識を取り戻したアルフレッドに、薄暗い暗闇から聴きなれた声が聞こえてきた。
「そんな…まさか…その声は」
その声の正体に確信は無かったが、コツコツと足音を立てながら近寄ってくる人物の顔が蝋燭の灯りで照らされた瞬間、アルフレッドの疑念は確信となった。
「…ティオ?ティオなのか!」
「久しぶりだね…お兄ちゃん…ずっと会いたかった」
半年前に投獄されて以降、一度も消息が掴めていなかった弟のティオの登場に驚くアルフレッド。
しかも、以前の弟の雰囲気とは若干異なり、何処か気品すら感じる様な装いだった。
「なんでお前がここに…それにその服…どういうことなんだ?」
状況が理解出来ずに困惑するアルフレッド。
弟との再会は嬉しく感じていたのだが、見慣れた看守の服を着込んで片手には鞭を持つ弟の姿に戸惑う。
そんなアルフレッドの様子をあざ笑様にティオは笑顔でこう答えたー
「僕はねぇ、この監獄の看守になったんだよ。そして今はキサラギ局長の息子になったんだ♪」
「なっ!?いきなり何を言って…」
突然の報告に絶句するアルフレッド。弟が看守になり、あの薄汚いキサラギ局長の息子になった聞いて表情が歪む。
だが、その直後にティオから更に衝撃の事実が伝えれれる。
「それで急な話なんだけど…僕ね…今からお兄ちゃんを調教しなきゃいけないんだ」
「ティオ!さっきから…あっ!」
アルフレッドの発言を遮る様にティオの放った鞭が勢いよくアルフレッドを襲い、思わず声を上げるアルフレッド。
「ティオ様だろ?僕は看守でお兄ちゃんは服役囚…これからたっぷり再教育してあげるね♪」
拘束された実の兄目掛けて容赦なく鞭を振るうティオ。そこに歪んだ兄への愛情が見え隠れしていた。
「そんな…嘘だ…ティオ!」
豹変した弟の様子が信じられず、再度名前を叫ぶアルフレッド。
しかし、その声は無常にも再びティオが振り下ろした鞭によってかき消された。
「あぁあああああ!!」
「ティオ様と呼べ!」
「いや…だぁ…あっあああ!!!」
歯向かう度に仕置きとして振り下ろされる鞭の応酬。
見た目ほどのダメージは無かったが、実の弟に鞭で調教されるという状況は、寧ろ精神的なダメージのほうが大きかった。
そして、いつに間にかアルフレッドの身体には無数の鞭の跡が刻まれる。
「…これ以上は叩かせないで欲しいなぁ。それとも本気で叩かれたいのかな?もしかして…お兄ちゃんマゾになっちゃった?今日もいっぱいイってたしね…」
ニヤニヤしながらアルフレッドにそう告げるティオ。
「今日もって…いつからここに…」
「んー、先月からかな…あのルミナルスってやつと随分仲がいいんだね。エッチまでしてさぁ」
「ル、ルミナとのことも見てたのか!?」
媚薬で発情していたのもあるが、ルミナルスとの行為を観察されていたことを知って赤面するアルフレッド。
「ほんと…見ていて不快だったよ!」
ヒュッと空を割いて数発の鞭打ちがアルフレッドを襲う。それは、ルミナルスとの関係に嫉妬したティオの憂さ晴らしでもあった。
「ぐぅ…どうしてこんな…僕は…ティオのために…あんな…」
弟からの謂れのない辱めや仕打ちに涙目を浮かべるアルフレッド。その様子にティオはー
「薬を盗んだって言うんだろ!なんでそんなことをしたんだ!…そんなことしたから…お兄ちゃんは捕まって…あんなヤツと仲良くして…」
逆ギレに近い勢いで激昂し、今度は鞭打ちではなく頭を抱えながらその場にしゃがみ込む。
「…ティオぉ…どうしたの?」
「だからティオ様だって言ってるだろ!」
「ぐっうううぅ!」
不安定な様子を心配するアルフレッドを他所に、再び起き上がり鞭を振るティオ。
「僕がすぐに模範囚にしてあげるね…そしたら僕のペットにしてあげるから」
「何をされたんだ…正気に戻って…ティオ…」
明らかに以前の弟とは思えない言動や、先程からの不安定な様子に、アルフレッドはキサラギが弟に何かしたのを確信する。
「あーもぉ!だから何回言わせんだよ!」
「あぁああっ!」
だが、何度呼びかけても弟からは鞭打ちの返事しかなく、ついに疲労が蓄積して徐々に意識が朦朧になるアルフレッド。
「お兄ちゃん!?大丈夫?…あぁ…そんな…傷つける気はなかったんだよ!でも、お兄ちゃんが素直になってくれないから…あれ?僕は何を…」
力なく項垂れるアルフレッドを目にし、ティオは先程とは打って変わって兄を心配する素振りを見せ、アルフレッドを抱きしめる。
「……ティオ…正気に…」
薄れゆく意識の中、かつての弟の面影を感じて安堵するアルフレッド。
「あぁ…お兄ちゃん!?そんな…僕はなんて酷いことを…でも、僕は何で…あれ…????」
三角木馬に掲げられ、無数の鞭打ち跡が残る鎖で繋がれた兄を見つめながらティオは自問自答を始める。
この時、ティオの意識は正気に戻りかけていた。しかし、次の瞬間ー
「ティオ。今日はその辺にして戻りなさい。…ワシの可愛い【息子】よ」
調教室のスピーカーからティオを呼ぶキサラギの声が響いた。
そして、その声を聞いた瞬間、ティオの瞳から輝きが薄れ、まるで意識のない人形の様な状態になってしまった。
「…あ…はい。承知いたしましたお義父様…」
ティオは独り言の様にそう呟くと、アルフレッドを抱きしめていた手を離し、何事もなかったかの様に調教室を後にした。
「どうだアルフレッド?愛しい弟との再会は?」
暫くの沈黙の後、再びスピーカーから漏れるキサラギの声。その声にアルフレッドの身体はピクッと反応を示す。
「お前ぇ…ティオに…何をぉ…」
ギッと表情を歪ませ、声のする方に向かって力なく問いかけるアルフレッド。
「ククク、ワシに感謝するがいい。ヤツの病気を治療してやったんだからな。まぁ、少し副作用がでたようだが…元気ならよかろう?」
「ふざけるな…絶対に許さない…殺してやる!!!」
普段は温厚で優しいアルフレッドだが、ドゴラ監獄に投獄されてから初めて殺意を見せる。
今の地獄の様な生活は、元々自分が引き起こした盗難事件が原因だったため、到底受け入れられる仕打ちでは無かったものの、幼いながら罪の贖罪として受け入れていたアルフレッド。
しかし、全く関係のない大切な弟が洗脳され、キサラギのオモチャにされてしまった事実は到底受け入れられるものでは無かったのだ。
だが、そんなアルフレッドの様子にキサラギはー
「ハハハ…調子に乗るなよクズが!貴様らはただの性処理玩具…ワシに逆らえば弟が地獄に堕ちてもいいのかな?」
弟の身柄を盾にし、逆らえば弟を監獄に収監するとも取れる発言でアルフレッドを脅す。
「くっ!下衆野郎…」
「さてと、アルフレッド。早速だが模範囚になれるチャンスをやろう」
そして、唐突にキサラギから模範囚になれる機会が与えられた。
そもそもドゴラ監獄での模範囚とは、精神・心身共に看守に完全に服従した一部の囚人がなれるものであり、今よりも良質な暮らしができる制度だ。
だが、その反面。生活の全てを性奉仕に捧げる必要があり、表面上の忠誠ではとてもじゃないが勤まらずに脱獄を試みる囚人も多い。
ドクターオメガの助手であるルータなどの特例もあるが、基本的に順応できる者は少ない。
「模範囚…」
かつて、まだ投獄されて間もないことに目にした模範囚達の公開懲罰の光景を思い出すアルフレッド。
一瞬、ルミナルスの顔が脳裏に浮かぶ。だが、それはキサラギの不快な声によって遮られた。
「ティオとセットで飼ってやると言ってるんだ。悪い話じゃなかろう?ワシの忠実な性奴隷になると誓いを立てろ」
「…くっ…」
弟のティオを人質に取られ、逆らえないアルフレッド。
もはや選択肢などなく、大人しくキサラギの軍門に下る以外の道は残されていなかった。
「どうすれば…模範囚に…」
「ククク、簡単なことだ」
こうして模範囚になることになったアルフレッドだが、キサラギから提示された条件はとんでもない内容でー