第五話 「登校準備」
「朝だぞぉおおおぉ!!」
「!?」
全裸で牢屋の隅に蹲る様にして寝ていた翼を、美鶴は大声を上げて起こした。やがて、その声に反応して目覚めた翼は、ゆっくりと目を開け辺りを見渡す。
「朝ぁ?う~ん」
俺は寝ぼけ眼で牢屋の小窓を見上げる。
そこにはサンサンと太陽の光が射し込んでいた。
「ホラ、朝飯だ」
専用の小口から、牛乳がたっぷり染み込んだバナナ入りのコーンフレークが入った鉄皿が翼の牢屋に差し入れされる。
「…」
(普通の朝食だ…これなら食べられるかも…)
昨夜の様な物とちがい、朝食として出された物はある程度まともな物だったためか、翼は抵抗なく朝食をムシャムシャと食べ始めた。
「おいしいか?」
「……うん…」
美鶴の問いに素直に頷く翼。
やがて翼が朝食を食べ終わり、空き皿を牢屋の外に出す。すると、皿の受け渡し時に美鶴は新しい体操着を鉄格子の隙間から牢屋の中に入れてきた。
「あっ…」
「それに着替えろ。流石に学校で全裸は不味いからな…」
翼は差し入れられた体操着を手に取ると、何やら不満があるのか着替える前に美鶴に質問をする。
「あの、…下着は?それに…上履きも…」
「あぁ…下着は不要だろ?どうせ破いたり汚したりするんだから。…あと、上履きは部屋から出る時に履かせてやるよ。…それと、昨日は裸足で連れ回して悪かったな…今日から外に出る時は、部屋の外に設置してある下駄箱を利用してくれ」
美鶴の説明に半分以上納得がいかない翼だが、これ以上全裸で居るのも嫌だったため、渋々渡された体操着を着こみ始めた。
「…あれ?なんかサイズが小さい……おい、サイズは幾つだよ」
「130」
「130!?なんだよそれ!」
「黙って着替えろ、別に入らないわけじゃないだろ?」
確かに着られないことは無い。だが、実際に翼がそれを着用すると、シャツの青く縁取りされた部分が腕や首に食い込み、さらに短パンは股下の部分が殆ど無いという状態だ。
「なかなかエロいなww」
美鶴は着替え終わった俺の体操着姿をジロジロと見つめてくる。
なんだかいつも着ていた服なのに、俺は急に恥ずかしくなってきた。
「恥ずかしいのか?」
「!?…べ、別に…」
「でもさ、顔が真っ赤だよww」
「なっ…」
平静を装っていた翼だが、いつの間にか顔面は真っ赤に染まりきっている。それを美鶴に指摘されると、翼は体をモジモジさせながら頭を下に俯かす。
バタン!
「おっはー!翼ちゃんww」
「迎えに来たぞ」
「登校時間だぞ~」
突如、部屋の扉が開いたかと思うと、ドタドタと荒々しく下っ端三人組みが突入してきた。
「遅い、とっくに翼は餌を食い終わって体操着に着替え終わっているぞ」
美鶴は入ってきた下っ端達にそう言い、さっそく仕事を与える。
「お前等、牢屋に入って翼を後ろ手に手錠で拘束しろ」
「了解~」
「ういっす」
「かしこまり~」
下っ端達は総出で牢屋の中に入り翼を三人がかりで押さえつけると、翼の腕を後ろに回して手錠を嵌めた。
「卑怯だぞ!手錠を外せよ!おい、外せって…むぐぅ!」
「どうだ、翼?」
大声で喚く翼の口に、下っ端の一人が何処からか持ってきたボールギャグを無理やり押し込んで装着させる。
「美鶴さん、このオプションどうです?駄目ですかね?」
「まぁ、教室でギャーギャー喚かれるのも迷惑だしな…いいだろう。よし、翼を牢屋から出せ」
美鶴はボールギャグの使用を認めると、拘束された翼を牢屋から出すように命じた。そして、下っ端達に引きずられながら牢屋から出てきた翼の首輪に美鶴は鎖を取り付ける。
「うぅん!…きゃねえぇかぁ!…はんがぁあ!」
まともに喋ることが出来ない翼は、意味不明の言葉を美鶴に向って叫ぶ。
「はぁ?…ごめん翼。僕は犬語なんて解らないよwww」
美鶴は吹き出しそうな表情を浮かべ、半笑いで翼に答えた。その様子に、終始二人のやりとりを見ていた下っ端達が一斉に笑いだす。
「ちょwww翼www」
「面白すぎだろww」
「やべぇww可笑しくてたまんねぇww」
「おいおい、あんまり笑うなよww可哀想だろwwさて、教室に向うかww」
美鶴は下っ端達に俺を笑うなと言っているけど、どう見ても一番笑っているのは美鶴だ。
この時、俺は無意識に涙をボロボロと流しながら泣いていた。
やがて美鶴は翼に上履きを履かせると、嫌がる翼を鎖で無理やり引っ張りながら下っ端達と共に教室を目指して歩き出し始める。
ついにクラスメイトに公開だww
「!?」
全裸で牢屋の隅に蹲る様にして寝ていた翼を、美鶴は大声を上げて起こした。やがて、その声に反応して目覚めた翼は、ゆっくりと目を開け辺りを見渡す。
「朝ぁ?う~ん」
俺は寝ぼけ眼で牢屋の小窓を見上げる。
そこにはサンサンと太陽の光が射し込んでいた。
「ホラ、朝飯だ」
専用の小口から、牛乳がたっぷり染み込んだバナナ入りのコーンフレークが入った鉄皿が翼の牢屋に差し入れされる。
「…」
(普通の朝食だ…これなら食べられるかも…)
昨夜の様な物とちがい、朝食として出された物はある程度まともな物だったためか、翼は抵抗なく朝食をムシャムシャと食べ始めた。
「おいしいか?」
「……うん…」
美鶴の問いに素直に頷く翼。
やがて翼が朝食を食べ終わり、空き皿を牢屋の外に出す。すると、皿の受け渡し時に美鶴は新しい体操着を鉄格子の隙間から牢屋の中に入れてきた。
「あっ…」
「それに着替えろ。流石に学校で全裸は不味いからな…」
翼は差し入れられた体操着を手に取ると、何やら不満があるのか着替える前に美鶴に質問をする。
「あの、…下着は?それに…上履きも…」
「あぁ…下着は不要だろ?どうせ破いたり汚したりするんだから。…あと、上履きは部屋から出る時に履かせてやるよ。…それと、昨日は裸足で連れ回して悪かったな…今日から外に出る時は、部屋の外に設置してある下駄箱を利用してくれ」
美鶴の説明に半分以上納得がいかない翼だが、これ以上全裸で居るのも嫌だったため、渋々渡された体操着を着こみ始めた。
「…あれ?なんかサイズが小さい……おい、サイズは幾つだよ」
「130」
「130!?なんだよそれ!」
「黙って着替えろ、別に入らないわけじゃないだろ?」
確かに着られないことは無い。だが、実際に翼がそれを着用すると、シャツの青く縁取りされた部分が腕や首に食い込み、さらに短パンは股下の部分が殆ど無いという状態だ。
「なかなかエロいなww」
美鶴は着替え終わった俺の体操着姿をジロジロと見つめてくる。
なんだかいつも着ていた服なのに、俺は急に恥ずかしくなってきた。
「恥ずかしいのか?」
「!?…べ、別に…」
「でもさ、顔が真っ赤だよww」
「なっ…」
平静を装っていた翼だが、いつの間にか顔面は真っ赤に染まりきっている。それを美鶴に指摘されると、翼は体をモジモジさせながら頭を下に俯かす。
バタン!
「おっはー!翼ちゃんww」
「迎えに来たぞ」
「登校時間だぞ~」
突如、部屋の扉が開いたかと思うと、ドタドタと荒々しく下っ端三人組みが突入してきた。
「遅い、とっくに翼は餌を食い終わって体操着に着替え終わっているぞ」
美鶴は入ってきた下っ端達にそう言い、さっそく仕事を与える。
「お前等、牢屋に入って翼を後ろ手に手錠で拘束しろ」
「了解~」
「ういっす」
「かしこまり~」
下っ端達は総出で牢屋の中に入り翼を三人がかりで押さえつけると、翼の腕を後ろに回して手錠を嵌めた。
「卑怯だぞ!手錠を外せよ!おい、外せって…むぐぅ!」
「どうだ、翼?」
大声で喚く翼の口に、下っ端の一人が何処からか持ってきたボールギャグを無理やり押し込んで装着させる。
「美鶴さん、このオプションどうです?駄目ですかね?」
「まぁ、教室でギャーギャー喚かれるのも迷惑だしな…いいだろう。よし、翼を牢屋から出せ」
美鶴はボールギャグの使用を認めると、拘束された翼を牢屋から出すように命じた。そして、下っ端達に引きずられながら牢屋から出てきた翼の首輪に美鶴は鎖を取り付ける。
「うぅん!…きゃねえぇかぁ!…はんがぁあ!」
まともに喋ることが出来ない翼は、意味不明の言葉を美鶴に向って叫ぶ。
「はぁ?…ごめん翼。僕は犬語なんて解らないよwww」
美鶴は吹き出しそうな表情を浮かべ、半笑いで翼に答えた。その様子に、終始二人のやりとりを見ていた下っ端達が一斉に笑いだす。
「ちょwww翼www」
「面白すぎだろww」
「やべぇww可笑しくてたまんねぇww」
「おいおい、あんまり笑うなよww可哀想だろwwさて、教室に向うかww」
美鶴は下っ端達に俺を笑うなと言っているけど、どう見ても一番笑っているのは美鶴だ。
この時、俺は無意識に涙をボロボロと流しながら泣いていた。
やがて美鶴は翼に上履きを履かせると、嫌がる翼を鎖で無理やり引っ張りながら下っ端達と共に教室を目指して歩き出し始める。
ついにクラスメイトに公開だww