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Secret Garden 一心同体?
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一心同体?


「ティオ…お兄ちゃんが…必ず…ティオ?…ティオ!ティオォオオオォ!」

「…!!……夢か」

時刻は午前9時ちょっと前、アルフレッドは弟の悪夢で目覚めた。

「はぁ………ティオ、今頃どうしてるかな…」

「家族?」

向いの牢から、ルミナルスの声が聞こえる。どうやらアルフレッドの大きな寝言のせいで起きてしまっていた様子だ。

「あ…ゴメンねルミナ、起しちゃった?」

「気にするなよ、僕もここに入れられた当時は毎日のように泣いてたしね」

ルミナルスは照れ臭そうに当時のことを告白すると、ボロ毛布を被ってアルフレッドの牢の方に近づいて行き、アルフレッドに質問をする。

「ねぇ、アルの家族ってどんなん?」

「え?家族?…どうして?」

急に自分の家族の質問をされ、少し戸惑うアルフレッドは逆にルミナルスに質問してしまう。

「孤児なんだ…僕。んで、ちょっと家族ってのに興味あってさ…」

「ルミナ、孤児だったんだ…僕も弟が居るだけで…ほとんど孤児だよ。父さんも母さんも去年の戦争で死んじゃったんだ…」

「あ、ゴメン…」

ルミナルスはアルフレッドの両親が戦争で死んだと聞くと、聞いてはいけないことだったと気づき、申し訳なさそうに謝る。

「謝らなくてもいいよ……あー暗い話はやめてさぁ、なんかおもしろい話しようよ」

「うん…それじゃ、お詫びにとっておきの話を教えてあげるよ。あのね、ギースが…」


「私がどうかしたの?」


「うぃ!」

ちょうど、二人の朝食を運びに来たギースに話を少し聞かれてしまった。ギースはルミナルスを睨みつけ、何を話していたのか聞きだそうとしている。

「いや、その…ご苦労様です。へへっw」

ルミナルスはギースに愛想笑いをし、なんとか誤魔化そうと試みた。だが、その行為が逆にギースの気を引き付けてしまった。

「ルミナルス…どんな噂話かしらないけど、看守を馬鹿にする行為は見逃せないわねぇ。お仕置きしてあげるわ」

ギースはルミナルスの牢の鍵を開け中に入り、ルミナルスを覆っていたボロ毛布を取り上げ全裸にすると、毛布を牢の隅に丸めて分投げてしまった。そして、ルミナルスを後ろ手に拘束すると、朝食を床に置き再び牢の外に出る。

「さぁ、今日は犬食いで召し上がれ」

「くっ…やろぉ…」

アルフレッドの牢に朝食を置きながら、ギースはルミナルスに向ってそう言った。そして、ギースがアルフレッドの牢から出ようとした瞬間、突然アルフレッドに呼び止められるギース。

「あの…」

「何?アルフレッド?」

「僕もルミナと同じように拘束してください…お願いします」

なんと、アルフレッドは自分もルミナルスと同じように、後ろ手に拘束してくれとギースに頼み始めた。この発言に一番驚いたのはルミナルスである。

「な、アル!!何言ってんだ!わざわざそんなこと頼むなよ!」

「お前はお黙り!…見直しちゃったわ。さぁ、希望通り拘束してあげる」

アルフレッドは自らギースに背を向けると、腕を後ろに組み始めた。ギースは笑顔でアルフレッドをそのまま拘束し、牢の外に出る。

「さぁ、二人とも仲良く犬食いで召し上がれ……片付けの時に拘束は解除してあげるわね」

ギースはそう言うと、朝食の積まれたカートを押しながら、牢獄の奥に消えて行った。



「さぁ、食べようルミナv」

アルフレッドは笑顔でそう言うと、皿に顔をつけガツガツと犬食いを始めた。その様子にルミナルスは思わず意見する。

「アル、お前は恥ずかしくないのか?羞恥心が…」

「ほら、やっぱり今日は食べないつもりだったんでしょ…」

「なっ…」

拘束された時に考えていたことを、アルフレッドにズバり当てられてしまったルミナルスは困惑した。だが、だれだって友達の前で卑猥な行為はしたくないのは当然のことであり、ルミナルスの思考を読むのは簡単なことだった。

「僕も犬食いで食べるから、ルミナも僕と一緒に食べようよ。ね?恥ずかしさ半減でしょv」

「まいったな…余計なことしやがって…」

文句を言いつつも、アルフレッドの好意に負け、ルミナルスも犬食いでガツガツと朝食を食べ始めた。

やがて二人は朝食を食べ終わり、お互いの顔をふと見た瞬間、双方急に笑いだした。それは犬食いの際に顔面に付着した汚れが予想以上に酷かったからである。

「あはははは!アル~泥棒みたいな口になってるぞぉwww」

「ルミナだって~なってるよwww」

「うぇ、マジで!?」

終始、牢獄とは思えない和やかな空気が二人の牢を包みこんだ。



そうこう二人が楽しんでいると、牢獄の奥からギースがカートを押しながらやってくる。

「随分楽しそうだったじゃない…まったく責めがいがないわぁ…はぁ」

ギースは二人の様子をモニターしていたのか知らないが、なんだかとても悔しそうな表情を浮かべながら二人の拘束を外し、食器を回収する。そして、用事が済むと無言でそそくさとその場を離れた。




その後、ギースはモニターしていたキサラギ局長に叱られ、減給されたという。





アルフレッド・ラ・ボーチェの残り懲役期間 残り19年-362日-13時間12分



今回はほのぼの系ってことで…微妙ってか酷いか。

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