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Secret Garden 少年の誇り 第2話 「巣窟の扉」
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少年の誇り 第2話 「巣窟の扉」

クフィリオスの夜明けは遅い。その理由は国の周りを標高の高い山々が囲っているからである。すでに時刻は午前9時を指すというのに依然としてクフィリオスは濃霧に包まれた様に薄暗い…それはまるでシオンの現状を表しているかのようだ。

翌朝、パンと水だけという質素な朝食が出された少し後、シオンの入れられている独房に見慣れぬ風貌の二人組が訪れる。

「っ!ドリス様!それにロンド様まで!」

ドリスとロンド。対照的な印象をもつこの二人はラドス直属の部下であり、クフィリオス軍の中にも組み込まれていない完全な私兵である。ドリスと呼ばれる男は大柄で非常に筋肉質な体型をもち、逆にロンドと呼ばれる男は全体的に細長い華奢なシルエットをもつ。

「うぃ~す、シオンはちゃんと居るな?」

「シオン…あぁ、ダーカンドラの将軍ですね?それで…面会ですか?」

怯えた口調でたどたどしく二人の対応をする見張りの兵士。

「そんな訳無いでしょう?私達はあの子を迎えに来ただけ…もちろんラドス様の命令でね」

「しかし、そんな勝手に…」

「いいから出せって言ってんだよぉ!!テメェー、ミンチになりてぇのか?」

ドリスは見張りの兵士の前に仁王立ちになり、その剛腕で兵士の頭スレスレの位置にある壁を勢いよくガツンと殴りつける。

「あ…いや…その…どうぞご自由に…」

「わかりゃ良いんだよ!カギよこしなっ!」

クフィリオスの宰相であるラドスの部下の命令ではあるが、本来は私設組織のモノ達に捕虜を勝手にどうこう出来る権利は無い。しかし、ドリスの脅しにすっかり怯えきってしまった兵士は、意図も簡単にその脅しに屈してしまい、独房のカギを震えた手でドリス達に渡してしまった。



「なんだよ、お前等…」

さっきの騒ぎの元はこいつ等だと思うけど、どう見てもクフィリオスの兵士じゃない。無論、ダーカンドラからの救出隊という訳でも無さそうだし…

正体不明の訪問者に警戒するシオン。だが、直後に誰の差し金かすぐに判明することに…

「お前がシオンだな。喜べ、ラドス様の命令で迎えに来たぞ」

「覚悟しろよ、ラドス様は容赦ないからなクソガキ!」

…ラドス。アイツの部下か!…ってことは…俺は…やっぱり拷問を…

ラドスの使いと言うことを知り、昨日のラドスの言葉を思い返すシオン。

その後、シオンは下着姿のまま両手を縛りあげられ、ドリス達によって人目を避けながらクフィリオス城の東側にあるラドスの自室へと向かい、さらにそこから関係者しか入れない様な怪しげなルートを通って再び薄暗い地下施設に移された。





「さて、ここまでくれば問題無いだろう…仕上げだ」

やがて、シオンはドリス達に連れられ地下の錆びついた鉄扉の前までやってくると、そこでいきなりドリスに「仕上げ」だと言われ、唯一身につけていた下着を無理やり剥ぎ取られる。

「うわっ!パンツまで取り上げる気かよ!やめっ…あぁぁあぁ!」

こんな不気味な地下室に連れてこられたと思ったら、いきなり俺のパンツを奪おうとしてくるこのデカブツ。俺は必死のその手から逃れようとして暴れるが、奴は俺の身長の何倍もあってどうにか出来るような奴じゃ無かった…

「放せぇええぇ!」

ドリスはシオンの片足を、まるで人形を扱う様にしてひょいっと掴みあげると、シオンの穿いているパンツの一部を摘み、ズリズリと脱がし始める。

「あっ…み、見るなぁああぁ!」

どんどん露わになって行く股間部を、慌てて大声を上げながらさっと両手で包み隠すシオン。

「何恥ずかしがってんだ!さっさとチンチン見せろよ!」

「ざけんなっ!誰がみせるか!」

「しっかし、ラドス様も欲が深いねぇ…ダーカンドラとクフィリオスを戦争させて…」

「ロンド、お喋りが過ぎますよ。その「子」は「一応」ダーカンドラの将軍なんですから。余計なことは吹き込まないでください」

ドタバタと暴れる二人を冷静な眼差しで見つめながら、計画の一部をロンドが口走ろうとした瞬間、その背後に突如現れたラドス。しかし、ロンドはいたって冷静に後ろを振り返りながらラドスに言葉を返した。

「!…コイツを拷問するのは趣味の範囲なんでしょう?」

「まぁ、それはそうですが…うまくいけばダーカンドラ軍部の情報に加え、天才軍師のロイについての情報も得られるでしょう」

「くっ…お前等!こんなことしてタダで済むと思うなよ!!」

二人の会話をちゃっかり聞いていたシオンが、現れたラドス目掛けてそう叫ぶ。だが、その身体は既にドリスの手によってパンツを完全に取り上げられ、小振りな性器が丸見えのスッポンポンに剥かれた後だった…

「テメェーは黙ってろ!粗チン!」

「ゴハッ!」

威勢よくラドス達に怒鳴ったものの、直後に食らったドリスの強烈な一撃がシオンの腹部を直撃。シオン殴られた勢いで逆流した少量の胃液を吐き出しながら、バタっとその場に倒れ込む。

「ドリス、拷問前に虐めたらかわいそうでしょう。それに、彼はまだ幼い子供なんだから粗チンでもしょうがないでしょ。粗チンでも」

そう言いながら、笑みを浮かべて倒れたシオンを見下ろすラドス。

「にゃろぉ……」

俺はギっと笑ってるラドスの奴を睨んでやったが、なんだか意識が遠のいていくのを感じる…なんて思ったら一瞬で辺りが真っ暗になった。

ドリスの一撃が相当急所に入ったのか、シオンは倒れたまま意識を失ってしまう。

「ところでロンド、「私」の拷問室はいつでも使えますか?」

倒れ、意識を失ったシオンを特に気遣うでもなく、ロンドに拷問室の状態を尋ねるラドス。

「前のオモチャの匂いが多少残っていますが…責め具は問題ありません」

「そういうことらしいから、さっそく拷問を始めようかシオン。…二人とも御苦労だったな、後は私一人で十分だ。引き続き軍部と親衛隊の監視を頼むぞ」

意識を失い、冷たい石造りの床に倒れ込んだシオンの頭を軽く撫でまわしながら、ラドスは意識の無いシオンに向かってそう言うと、突然ドリスとロンドを厄介払いするように追い出そうとする。

「ちょ、ラドス様!「また」一人占めですか!」

「俺等には雑用ばっかじゃないですか!この前だって、あのガキの漏らした後始末を…」

これからが本番だという時に出て行けというラドスの言葉に食い下がる二人。どうやらこの様なやり取りは毎回行われている様だ。

「お前達に子供を拷問するのはまだまだ無理だ。それに、私自身が遊んでいる姿を他人に見せたくないのでね。それはお前達だって知っているだろう?」

そうラドスが言うと、二人は「ハイハイ」と言う様な表情を浮かべてその場から立ち去って行く。これも毎度の事なのであろうか、ラドスは潔く引き下がる二人を視界から消えるまで見送った。

そして、その場に残ったラドスは倒れたシオンを難なく持ち上げわきに抱えると、眼の前の鉄扉を開き、扉の奥の闇にシオンと共に消えていった。

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